F5の調査で明らかになった、APIとAIによるアプリセキュリティの変革

F5エコシステム | 2024年4月30日

長年にわたり、F5のState of Application Strategyレポートは、アプリケーションのセキュリティとデリバリを推進するテクノロジーやトレンドを把握しようとする組織にとって、有用な情報源となってきました。10回目となる今年の年次調査では、AIの企業全体への導入が本格化し、デジタル化が急速に進展するなかで、組織が得ているメリットと、前進を阻む課題の両方が明らかになっています。

このレポートには重要な調査結果が数多く盛り込まれているため、ぜひ全文をお読みください。なかでも特に重要だと感じたのは、API利用の急増とそれに伴うセキュリティ脅威、ハイブリッドおよびマルチクラウド運用の課題、そしてIT運用担当者の負担軽減に自動化とAIが果たす不可欠な役割という3つのトレンドです。

1. APIの利用が急増し、新たなセキュリティ対策が求められています。

以前、私たちは今や「アプリケーション資本の時代」にいるとお話ししました。さらに、AIがあらゆる場所に浸透する時代にも突入したことは明らかです。その両方の結果として、APIが急増しています。アプリケーションのモダナイゼーションに取り組む組織が増える中、APIは、企業が自社、パートナー、お客さまに価値を生み出すうえで中核的な役割を担うようになっています。

F5の調査によると、組織が管理するAPIの平均数は急速に増加しています。実際、現在では41%の組織がアプリと同数以上のAPIを管理しており、企業がビジネスにAIを取り入れるにつれて、これらの数はさらに増加すると予想されます。

APIはアプリそのものと同じくらいビジネスに不可欠になった一方で、監視、保護、管理がより難しいという課題があります。特にAPIセキュリティへの懸念が高まっており、F5の調査では、組織がこの増大する課題への対応に必要な取り組みを始めていることが明らかになっています。実際、APIゲートウェイを使用していると回答した割合は、2019年のわずか35%に対し、現在では95%に達しています。同様に、アプリとAPIのセキュリティを自動化している割合は43%で、アプリケーションデリバリの25%を上回っています。

今後、AIや機械学習モデルを導入する企業が増えるにつれ、APIセキュリティの重要性はさらに高まります。継続的な監視、コードスキャン、APIテスト分析、トラフィック分析によるAPI検出、脅威領域のマッピング、ポリシー適用など、ビジネスに不可欠なこれらの資産を保護するために必要な包括的対策を実施する企業が増えると予想されます。

2. 企業が選択しているのは、マルチクラウドの複雑さを解消することではなく、管理することです。

長年にわたる調査から、組織は、オンプレミスのデータセンター、複数のクラウド、エッジのいずれであっても、ビジネスにとって最も合理的な場所をアプリごとに判断し、導入したいと考えていることが明らかになっています。

また、組織がAIモデルやサービスを導入する際にも同じ傾向が見られ、分散、ハイブリッド、そしてマルチクラウド環境が標準として定着しつつあります。実際、今年の調査では、現在88%の組織がオンプレミスとクラウドにまたがるハイブリッド環境を運用しており、38%は6つの異なる環境にアプリを展開しています。

組織が利用するアプリ環境の数は増加傾向が続いています。

組織が利用するアプリ環境の数は、引き続き増加傾向にあります。

分散環境は、運用の複雑さやコスト、リスクを大幅に増大させるにもかかわらず、今後も定着していくでしょう。F5では、エンタープライズITが直面するこの新たな現実を「The Ball of Fire」と呼んでいます。The Ball of Fireとは、現在の多くの企業が直面している複雑に絡み合った現実であり、今後もなくなることはありません。実際、企業がマイクロサービスベースのアプリケーションアーキテクチャとAIの導入を進めるにつれ、さらに複雑化していくことが現在の傾向から示唆されています。

今日の組織はハイブリッド、マルチクラウド環境で事業を展開しており、その複雑さは増し続けています。

こうした現状を背景に、ハイブリッドマルチクラウドの複雑さを抑えることが期待されるテクノロジーに、大きな関心が寄せられています。そのため、F5の調査回答者がマルチクラウドネットワーキングを「最も注目されるトレンド」の第3位に2年連続で挙げたのも不思議ではありません。企業が分散環境の管理を簡素化する方法を模索する中、マルチクラウドネットワーキングは、これらのネットワークを統合して保護し、全体の可視性を確保する手段となります。

3. 組織は複雑さを軽減するために自動化を進め、AIによる支援に期待しています。

組織がデジタルトランスフォーメーションをさらに進める中、IT機能の自動化も進んでいます。F5の調査結果によると、アプリインフラストラクチャを自動化している組織は52%、アプリセキュリティを自動化している組織は43%でした。一方、アプリデリバリは自動化が最も進んでいないIT機能であり、自動化している回答者はわずか25%でした。その要因として、予算上の制約と自動化に伴う複雑さが挙げられます。

「セキュリティに関して、生成AIのどのような活用が最も価値があると考えますか?」という質問に対する組織の回答

運用の複雑さが自動化の障壁となる中、組織は生成AIによる支援に期待を寄せており、生成AIを今年最も注目されるトレンドの第1位に挙げています。生成AIの主なユースケースはセキュリティです。回答者の35%が、手作業では管理が難しい複雑なポリシーや構成タスクの自動化に生成AIを活用することに関心を示し、29%が脅威の検知と無力化の能力向上に活用したいと回答しています。

ハイブリッドマルチクラウドの複雑さを抑えるソリューションが登場

API Security、マルチクラウドネットワーキング、自動化、AIなど、ハイブリッドおよびマルチクラウドの複雑さを抑える新たなソリューションが登場しています。これらを迅速に導入できる企業が、デジタルビジネスで大きな成功を収めるでしょう。

詳細については、2024年版アプリケーション戦略の現状レポート全文をご覧ください。

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