PRESS RELEASE

F5、CalypsoAIを買収し、大企業向けに高度なAIガードレールを提供


Published September 19, 2025
CONTACTS

F5 広報事務局
(共同ピーアール株式会社)大塚、勝呂
F5-pr@kyodo-pr.co.jp

 高い柔軟性をもつAI推論(インファレンス)セキュリティで、更にセキュアなAIアプリケーション環境を実現

 

あらゆるアプリケーションのデリバリーとセキュリティを担うグローバルリーダーであるF5 (NASDAQ: FFIV) は、大企業向け AI セキュリティのパイオニア企業であるカリプソAI (CalypsoAI) を買収する意向を発表しました。高い評価を受けるCalypsoAI のプラットフォームは、生成AIやエージェント型AIの導入を加速している企業向けに、脅威に対するリアルタイムの防御、大規模なレッドチーミング、データセキュリティを提供します。これらの機能は、F5 Application Delivery and Security Platform (ADSP) に統合され、AI推論(インファレンス)の保護に対して最も包括的なソリューションを構築します。

 

F5 CEOのフランソワ・ロコー=ドノ (François Locoh-Donou) は次のように述べています。「AI はエンタープライズ向けアーキテクチャと、企業が防御すべき攻撃対象領域を再定義しつつあります。従来のファイアウォールや個別のソリューションでは、現在の課題への対応には限界があります。CalypsoAIの技術が加わることで、ユーザ企業様の環境へ包括的にアプリケーション、API、AIモデルのデリバリーとセキュリティを実現し、迅速なビジネスのイノベーションを推進できるようになります。

 

企業は、製品開発やシステム運用の中で、AI活用を急ピッチで進めているものの、アプリケーション、エージェント、API、モデル、データストアにまたがる新たなAIスタックは、変化が激しい環境で未知の外部脅威にさらされています。従来型の運用管理は高度化した新たな脅威に対応しきれておらず、シャドーAI利用の拡大が、リスクとコンプライアンス準拠の困難さを拡大させるなか、法規制による圧力も高まりつつあるのが現状です。セキュリティ部門は、AIがデータ、ユーザー、脅威とどのように相互作用すべきかガードレールを必要としていると同時に、専用に設計され、特定モデルに依存することなく、インフラ全体で集中的に可視化を実現するアプローチが必要です。

 

ガートナー®は、最近発表した「AIのトラスト/リスク/セキュリティ・マネジメント (AI TRiSM) 市場ガイド」において次のように記述しています。「AI TRiSM市場は、信頼性、リスク、セキュリティ管理も支援する最先端モデル提供ソリューションからの独立性を特徴としています。AI市場が急速に成熟し、変化する中、企業はスケーラビリティ、柔軟性、コスト管理、信頼性を確保するため、単一のAIモデルやホスティングプロバイダーからの独立性を維持する必要があるのです」。

 

F5は、CalypsoAIの高い柔軟性を誇るAIセキュリティ機能により、こうしたニーズに対応することを目指しています。モデルやクラウドの種類を問わず、能動的かつ継続的なAI保護を提供する以下の機能を含みます:

 

  • 敵対的脅威への対策(Adversarial threat protection):プロンプト・インジェクションやジェイルブレイク攻撃 (jailbreak attacks)といったAIに関わるの新たな脅威に対し、リアルタイムな脅威マネジメントによる防御を提供。毎月10,000件以上の新規攻撃プロンプトに対する積極的なレッドチームテストを実施し、リスクスコアを生成。
  • データセキュリティ:ガードレールがランタイム(実行時)における機密データの漏えいやポリシー違反を検知・防止し、モデル横断的なAIインタラクションを監査。
  • 統合可視化とガバナンス:集中型監視、ポリシー制御、監査ログにより、SaaS、オンプレミス、ハイブリッド環境全体で「EU 一般データ保護規則 (GDPR) / EU AI規則」の要件対応を容易に実現。

 

CalypsoAI CEO のドンチャド・ケイシー (Donnchadh Casey) は次のように述べています。「企業はAIを迅速に導入しつつ、データ漏えいや安全でないアウトプット、コンプライアンス違反のリスクを低減したいと考えています。お客様は当社に、AIシステムの大規模な負荷テスト、モデル変更に適応する推論レイヤーのガードレール設定、そしてAIの展開領域全体に渡る可視性と監査可能性の確保を期待しています。F5とCalypsoAIの連携は、単なる相乗効果の域を超え、高性能アプリケーション配信とAIセキュリティが一体となり、リスクを増大させることなく、企業がイノベーションをより迅速に実現することを可能にします」。

 

買収について

F5は、アイルランドのダブリンを主要拠点とする非公開企業 CalypsoAI の発行済み株式全株を、主に現金により、1億8000万ドルの買収対価で取得予定です。本取引はF5の収益および営業成績には、大きく影響しない見込みです。

本買収は慣例的なクロージング条件を満たす必要があり、2025年9月30日に満期を迎えるF5の2025年度第4四半期に完了予定です。

なお、F5に対して、Foros Advisors LLCは財務アドバイザーを、Sullivan & Cromwell LLPは法務アドバイザーを務めました。CalypsoAIの法務顧問はCooley LLPが担当。

 

■関連リソース

 

 

CalypsoAIについて

CalypsoAIは、推論レイヤーでAIモデルとアプリケーションを保護する唯一のフルライフサイクルプラットフォームを提供し、Agentic Warfare™を展開することで、巧妙化する脅威から企業・組織を保護します。CalypsoAIの業界をリードする専門家チームは、パランティア (Palantir) や SGKを含むグローバル企業から信頼を獲得しており、セキュリティがAIの革新に遅れを取らぬよう、懸命の努力を重ねています。

CalypsoAI は 2018 年に設立され、Paladin Capital Group、Lockheed Martin Ventures、Hakluyt Capital などの機関投資家から 4,000 万ドル以上のベンチャー資金を調達しています。RSAカンファレンス2025 で開催された「イノベーション・サンドボックス」コンテストにて、トップ2のファイナリストに選出され、Fast Companyによる「2025年版 AI分野で最も革新的な企業」の一つにも選ばれています。

 

 

F5について

F5はより優れたデジタル世界の実現に取り組む、マルチクラウド・アプリケーション・サービスおよびセキュリティ会社です。F5は、世界最大かつ最先端の組織と提携し、オンプレ・クラウド・エッジなどの場所を問わず、あらゆるアプリとAPIの最適化およびセキュリティの確保を実現します。F5により、これらの組織は顧客に卓越したセキュアなデジタル体験を提供すると共に、常に新たな脅威に対応します。F5やパートナー企業、テクノロジーに関する詳細は以下のリンクをご参照ください。

ホームページ https://www.f5.com/ja_jp    

 X(旧ツイッター) @F5Japan

LinkedIn https://www.linkedin.com/company/f5/