米国連邦政府:アプリケーションモダナイゼーション戦略を推進する重要課題

はじめに

任務の成功が仮想環境にますます依存するなか、米国連邦政府機関には、コストを抑えながら、これまで以上に多くのユーザーへ効率的でセキュアなデジタル体験を提供することが求められています。しかし、レガシーアプリケーションや旧式のインフラストラクチャが、こうした取り組みを妨げる可能性があります。本記事では、連邦政府機関にとってアプリケーションのモダナイゼーションが重要である理由を解説し、導入に成功することで得られるメリットを具体例とともに紹介します。

アプリケーションのモダナイゼーションを最優先すべき理由

ビジネス上の要請や新たに出現するセキュリティ脅威に対応するには、これまで有効だった方法に固執することはもはやできません。つまり、行政機関のアプリケーションのモダナイゼーションは、「できれば実施したいもの」から「ミッションクリティカルな取り組み」へと変わっています。

質の低いデジタル体験

テクノロジーが進化する中、連邦政府機関は予算やリソースの制約に配慮しながら、その進化に対応するために最善を尽くしてきました。その結果、時代遅れで複雑なレガシーアーキテクチャを運用せざるを得なくなり、一般市民と政府職員の双方が期待するデジタル体験を提供できない状況に陥っています。さらに、こうした最新の優れたデジタル体験を提供できなければ、政府機関が任務の有効性を維持することは一層困難になります。

管理不能なモノリス

連邦政府機関が直面する一般的な課題の1つに、レガシーなモノリシックアプリケーションがあります。こうしたアプリケーションは複雑で柔軟性に乏しく、人為的ミスが発生しやすい傾向があります。政府機関が保有するアプリケーションの数を把握できていない可能性さえあります。たとえば、米国国防兵站局では、1,300を超えるシステムと194のアプリケーションが存在することが判明しました。1 これほどまでにレガシーテクノロジーが乱立すると、非効率な手作業のプロセスや、相互連携できないシステムが生じるなど、効率化を妨げる要因となります。

変化するセキュリティ脅威

米国政府のオンライン上のプレゼンスは非常に大規模であるため、必然的に攻撃の主要な標的となります。さらに、そこに極めて機密性の高いデータが保管されていることから、セキュリティは重大な懸念事項です。2020年版Verizonデータ漏洩/侵害調査報告書によると、ハッキングに関連する侵害の約90%は、Webアプリケーションを侵入口としています。2

アプリケーションモダナイゼーション戦略を成功に導く重要な要素

1. アプリケーションの迅速なイノベーションを実現

ITエコシステムのモダナイゼーションで特に重要なのは、これまで不可能だった方法で組織が業務を遂行できるようにすることです。既存のCI/CDパイプラインと統合できる戦略的な自動化および管理ソリューションを導入することで、マルチクラウド環境全体にわたるアプリケーションの開発、デリバリー、デプロイを効率化できます。

以前は、6か月でも迅速な開発とされ、実際には1年[あるいは2年]かかっていました。DevSecOpsを導入したことで、[現在では]アジャイルデリバリーを2か月で実現できるようになりました。3

運輸保安庁 CIO兼次官補、Russell Roberts氏

2. 俊敏性の向上

今や、着実に進むだけでは競争に勝てません。今日の組織が変化に対応していくには、より機敏に行動し、停滞を減らす必要があります。鍵となるのは「アジリティ」です。アプリケーションの開発とデプロイを迅速化するだけでなく、いつでも方向転換でき、これまで以上に素早く問題に対応できなければなりません。真のビジネスアジリティを実現するには、どうすればよいのでしょうか。レガシーアプリケーションを、合理化され、使いやすく、応答性と拡張性に優れたアプリケーションへとモダナイズする必要があります。

3. アプリケーションセキュリティを最適化

アプリケーションセキュリティは、これまでも、そして今後も、連邦政府機関にとって最優先課題です。レガシーアプリケーションとモダンアプリケーションに適切なセキュリティ制御を適用し、両者のバランスを取ることは、連邦政府機関にとってますます難しくなっています。あらゆる環境でいつでもアプリケーションに対する脅威を特定し、対応、防御、保護できるよう、適切かつ柔軟なセキュリティ体制を整える必要があります。実際、連邦政府のITモダナイゼーションに関する大統領への報告書では、データレベルの保護を優先し、最新の仮想化テクノロジーを最大限に活用するよう政府機関に推奨しています。4

連邦政府機関におけるアプリケーションモダナイゼーションのメリット

イノベーション

端的に言えば、迅速なイノベーションを実現することで、組織はより少ないリソースでより多くの成果を上げられます。

次のことが可能になります:

  • レガシーアプリの数と、その保守に必要な時間およびリソースを削減することで、アプリのTCOを削減できます。
  • バグの特定と軽減にかかる期間を、数か月から数分に短縮します。
  • プラットフォームとツールセットを統合し、テクノロジーの乱立を解消します。
  • リソースを大量に消費するセキュリティとネットワークの手作業を減らし、イノベーションに注力できます。
  • CI/CDパイプラインを自動化し、リスクを軽減しながら市場投入までの時間を短縮します

アプリケーションデリバリを自動化し、アプリケーションがどこにあっても保護できるツールを導入することが極めて重要です。

Bill Church(F5、U.S. Federal Solutions担当CTO)

アジリティ

レガシーインフラストラクチャから最新のアプリケーションとメインフレームへ移行することで、行政機関とその職員は、今日のデジタル社会がもたらすメリットを最大限に活用できるようになります。

次のことが可能になります:

  • 必要に応じて、アプリをより迅速かつ簡単に更新し、スケールできます。
  • アプリのライフサイクル管理を簡素化し、イノベーションを加速します。
  • システムを更新するたびに新しいハードウェアを購入する必要がなくなり、設備投資を削減できます。
  • コスト増につながる速度低下を招くことなく、コンテナ化されたアプリケーションを最適化し、保護します。
  • 最新のツールセットを活用して、アプリケーションのセキュリティおよびデリバリーソリューションを自動化し、オーケストレーションします。

セキュリティ

脅威が急速に進化する中、アプリケーションのセキュリティ態勢をいつでも適応できるようにしておくことは、極めて重要です。その鍵となるのが、アプリケーションのモダナイゼーションです。

以下が可能になります:

  • 新たな脅威への適応を目的に設計された保護対策により、あらゆる環境のアプリケーションを保護できます。
  • コードパイプラインにセキュリティポリシーを自動的に組み込み、セキュリティ上のギャップを最小限に抑え、すべてのアプリにセキュリティを確実に組み込みます。
  • デプロイ後に発生するアプリの脆弱性の大半を排除し、開発とデプロイにかかる時間を短縮します。
  • クラウドとデータセンターにまたがるAPIを安全に管理します。

まとめ

今こそ行動するときです。アプリケーション戦略とポートフォリオをモダナイズすることで、複雑さを軽減し、迅速なイノベーションを支援できます。また、セキュリティ脅威に先手を打ち、市民や職員がデジタルサービスに寄せる期待に応え、より優れたデジタル体験を創出できるようになります。

準備はできましたか? F5 federal solutions は、米国連邦政府機関によるアプリケーションモダナイゼーションのプロセス効率化を支援するために設計されています。

1 DLAのアプリケーションモダナイゼーションでは、技術要件ではなくビジネスニーズを重視、Federal News Network

2 2020年データ侵害調査報告書、Verizon

3 TSAのデジタルサービスチーム、新機能の提供を加速, Federal News Network

4 連邦政府ITモダナイゼーションに関する大統領への報告書、米国連邦政府最高情報責任者

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