CUSTOMER STORY

株式会社NTTPCコミュニケーションズ

メリット

VMware上で稼働する仮想アプライアンスによる低コストでのロードバランシング機能の実現

物理環境で利用実績が多くノウハウのあるBIG-IPシリーズを採用

iRulesやL7処理機能を仮想環境上で利用可能

課題

ロードバランシング機能による高可用性サービスを低コストで実現

これまで培った設計/ 構築/ 運用ノウハウを活かす事でコスト競争力のあるサービスを実現

高度な要求にも応えるアプリケーション配信機能の提供

BIG-IP LTM VEにより、クラウドサービスWebARENA® Symphonyに低コストで信頼性の高いオプションサービスを実現

NTTPCコミュニケーションズが提供する仮想環境構築サービス「WebARENA Symphony」は、VMwareの仮想化技術を使ってビジネスITインフラを構築するクラウドサービスのひとつ。柔軟なカスタマイズに応える同サービスのメニューにはロードバランシングを利用した冗長化構成を採り入れたものもラインナップされている。採用されているのはF5ネットワークスの仮想アプライアンス製品、BIG-IP LTM Virtual Edition(以下、BIG-IP LTM VE)だ。

ロードバランシングをクラウドサービスのオプションとして展開

NTTPCコミュニケーションズでは、クラウドコンピューティングという用語が広まる何年も前から、仮想環境を採り入れたIT基盤を提供してきている。それが、WebARENA Symphonyだ。ビジネスにも活用できるIT環境として、セキュリティや可用性を高いレベルで追求しているサービスだ。ビジネス向けのVPN接続やモバイルVPN接続サービスとも連携可能で、すでに多くの企業やサービスプロバイダに利用されている。豊富なオプションメニューと柔軟なカスタマイズ対応が可能だ。

WebARENA Symphony仮想環境構築サービスのオプションメニューとして仮想アプライアンスBIG-IP LTM VEを利用したロードバランシングオプションが導入されることになった。従来、ロードバランシングが必要な場合にはアプライアンスを導入していた。スモールスタートが可能で、ビジネス規模に応じて柔軟に拡大していけるのがクラウド利用の魅力のひとつだが、アプライアンスとしてロードバランサを導入するとスタートコストが高くなってしまう。クラウドの持つ魅力を十分に活かせず、特に小規模ビジネスユーザから課題視されていたためだ。そこで導入されることになったのがF5ネットワークスのBIG-IP LTM VEだ。アプリケーションデリバリコントローラBIG-IP シリーズの仮想アプライアンス版である。

導入実績の多さとユーザからの信頼が最大の決め手

サービスに採用する仮想アプライアンスを選定するに当たり、最も重視されたのは実績と信頼性だったと語るのは、NTTPCコミュニケーションズ データセンタ事業部の岡本 洋一氏だ。「F5 ネットワークスの製品自体は物販、レンタル、サービス提供と様々な形でこれまでにも提供してきました。その経験から、機能や性能はよくわかっていました。お客様の中にもBIG-IP の名前をご存じの方が多く、仮想アプライアンスという新しいジャンルのものでもBIG-IP ならご安心いただけるのではないかと思いました」

岡本氏が言うように、NTTPCコミュニケーションズでは過去に多くの案件でBIG-IP を採用し、システム構築や運用に関するノウハウを蓄積してきている。BIG-IPに精通したエンジニアも多く、万一システムトラブルが発生してもBIG-IP であれば解決する自信があるという。またWebARENA Symphony のユーザ企業の中には、過去にBIG-IP を使っていた企業も少なくないと岡本氏は語る。クラウドへ移行する以前の物理環境でBIG-IP を使っていたユーザは、クラウドにおいてもBIG-IP を使いたいと望むことが多い。

「ショートパケットの処理に強く、携帯電話向けサービスで使いやすいというのも大きなメリットになっています」

機能面での選定理由を挙げてくれたのは、NTTPCコミュニケーションズ データセンタ事業部の藤田 悠介氏だ。WebARENA SymphonyはNTTグループ各社と高速回線で結ばれており、携帯電話向けコンテンツを提供する企業の利用も多い。そのため、携帯電話との通信で高い性能を発揮できることは外せない要件だ。5年前、VoIP サービス提供時には他製品では対応が難しいSIP のロードバランシングができた等、新しい技術への対応が早い点もアドバンテージだと、藤田氏は付け加えた。

培ったノウハウを活かして仮想アプライアンスのメリットを得る

実際の導入に先立って行なわれた検証で、仮想アプライアンスのメリットを十分に感じたと語るのはNTTPCコミュニケーションズ データセンタ事業部の石原 剛志氏だ。

「従来のアプライアンスでは、検証機を借りたり購入したりしなければ実地検証ができませんでした。しかし仮想アプライアンスなら検証機に評価版をダウンロードして、実際に様々な設定を試して事前チェックできます。検証環境で作成して実際に動作した設定をそのまま本番で利用できるので、導入設計しやすい製品だと思います。仮想アプライアンスならではのメリットを持ちながら、従来のアプライアンスと同じ手順で運用できるというのはいいですね」 仮想アプライアンスなので設定済みの仮想アプライアンスをファイルとしてバックアップしておけるので、サーバを入れ替えてファイルをコピーするだけですぐに環境を復旧可能だ。それ以外の通常運用においては従来のアプライアンス型BIG-IP用の運用手順書を流用できる箇所が多いのがメリットだ。

「今後は小規模ユーザでもロードバランシングを利用しやすいよう、BIG-IP LTM VEを含めたインフラのパックメニューなどを充実させていきたいと思います」

岡本氏は今後の展望についてそう語ってくれた。小規模ユーザに向けた提供のほか、メインサイト側にアプライアンス型BIG-IP、DRサイト側にはBIG-IP LTM VEを設置して低コストにDRサイトを構築するサービスなども検討しているとのこと。クラウドの老舗とも言えるNTTPCコミュニケーションズのサービスに、BIG-IPLTM VEが新たな進化をもたらしそうだ。