コネクテッドカーに、安全で常時利用可能なデータを提供
コネクテッドカーのエコシステムは、ハイブリッドマルチクラウド環境全体にわたるアプリ、API、データ、クラウドからエッジまでのシステムで構成され、リアルタイムの対応と自動化を可能にします。自動車のソフトウェア化とAI活用が進む中、F5 ADSPはこれらの環境全体でデリバリとセキュリティを統合し、車両データを保護するとともに、セキュアで高性能な接続と一貫したポリシー適用を実現します。
自動運転車には、信頼できるリアルタイムのテレメトリが不可欠
自動運転車とコネクテッドカーは、本質的に分散システムです。各車両は、センサー、カメラ、制御システム、車載ソフトウェアから大量かつ高速のテレメトリを継続的に生成します。これらのデータは、リアルタイムで取り込み、ルーティングし、処理する必要があります。このテレメトリは、監視や保守のワークフローだけでなく、車車間通信(V2V)や路車間通信(V2I)にも利用されるケースが増えています。こうした通信では、レイテンシ、正確性、信頼性が安全性とシステムの動作に直接影響します。Message Queuing Telemetry Transport(MQTT)は、軽量なパブリッシュ/サブスクライブモデルを採用し、大規模で信頼性の低いネットワークにも適していることから、このアーキテクチャで広く使用されるプロトコルとなっています。
本番環境の規模では、車両テレメトリはベストエフォート型のデータストリームではなく、ミッションクリティカルなアプリケーションとして機能します。MQTTのコントロールプレーンとブローカーインフラストラクチャには、突発的で予測不能な負荷の下でも、継続的な可用性、柔軟なスケーラビリティ、決定論的なルーティング、強固なセキュリティを実現することが求められます。障害の影響は個々の車両にとどまりません。MQTTインフラストラクチャの停止、ルーティング性能の低下、データパスの侵害は、車両群全体に連鎖し、システムへの信頼を損ない、現実世界にリスクをもたらす可能性があります。アーキテクトは、クラウド、エッジ、オンプレミスの各環境にわたって、無停止運用、災害復旧、一貫したポリシー適用を実現できるよう設計する必要があります。
“本番環境の規模では、車両テレメトリはベストエフォート型のデータストリームではなく、ミッションクリティカルなアプリケーションとして機能します。”
テレメトリのデータ量が増加し、分析や意思決定にAIシステムが組み込まれるにつれて、アーキテクチャに対する制約はさらに厳しくなります。AIパイプラインには、データ流出、モデルの不正利用、対象範囲外のクエリを防ぐため、低遅延かつ高い完全性を備えたデータフローと、制御されたアクセスが必要です。統合されたアプリケーションデリバリおよびセキュリティレイヤーがなければ、チームはポイントソリューションをつなぎ合わせざるを得ず、運用の複雑さが増し、可視性の欠如が生じます。車両テレメトリとAIワークロードを単一の一貫したシステムとして確実に配信、保護、拡張するには、プラットフォームベースのアプローチが不可欠です。
車両テレメトリ向けの常時稼働データ配信とセキュリティ
コネクテッドカーのアーキテクチャには、テレメトリをミッションクリティカルなワークロードとして扱う、統合されたアプリケーションデリバリおよびセキュリティサービスが必要です。可用性、ルーティング、セキュリティのロジックをMQTT APIに組み込むのではなく、これらをデータプレーンに集約することで、テレメトリITアーキテクチャにメリットがもたらされます。このアプローチでは、制御と保護をアプリケーションロジックから分離することで、クラウド、エッジ、オンプレミスの各環境で一貫した動作を実現しながら、運用責任を明確化できます。
インフラストラクチャ層では、インテリジェントなトラフィック管理により、レイテンシ、容量、可用性などのリアルタイムの状況に基づいて、テレメトリが常に正常かつ最適なMQTTブローカーにルーティングされます。インテリジェントDNSとアプリケーションデリバリサービスは、車両数の増加やトラフィックパターンの変動に応じて、柔軟なスケーリング、シームレスなフェイルオーバー、ダウンタイムのない運用を実現します。インラインセキュリティと暗号化により、車両とクラウド間の通信全体で信頼性を確保します。ペイロードとAPIを検査して、改ざん、不正アクセス、データ流出を防止すると同時に、リアルタイムのユースケースに支障をきたすレイテンシの発生を回避します。
大量のテレメトリデータから価値を生み出すためにAIシステムが活用される中、AIのデータフローと推論リクエストに対して、パフォーマンスとセキュリティの境界を適用することが不可欠です。最適化された配信により、リアルタイムデータへの低遅延アクセスを確保するとともに、ポリシー制御によってクエリ、エージェント、モデルのインタラクションを承認済みの範囲に制限します。テレメトリ配信、AI活用、セキュリティ適用を単一のプラットフォームに統合することで、組織はアーキテクチャの複雑さを軽減し、可視性の欠如を解消するとともに、自動運転車およびコネクテッドカーのシステムを安全に拡張するために必要な運用の一貫性を確保できます。
コネクテッドカーには、プラットフォームレベルの配信とセキュリティが不可欠
コネクテッドカーや自動運転車は、大規模な分散アプリケーション環境として機能します。そこでは、状況が変化しても、テレメトリ、API、AIシステムが確実に動作しなければなりません。車両のソフトウェア定義化が進むにつれ、こうしたデータフローを配信し保護するインフラストラクチャは、車両そのものと切り離せない存在になります。自動運転モビリティは、車両工学と同様にデータの課題でもあります。そのため、これを支えるITインフラストラクチャは、一貫した厳格さと信頼性をもって設計し、レジリエンスと安全性を保証する必要があります。
“自動運転モビリティは、車両工学と同様にデータの課題でもあります。”
F5 Application Delivery and Security Platform (ADSP)は、コネクテッドカーのエコシステムにおけるトラフィック管理、セキュリティの適用、運用の可視化に統合的なアプローチを提供します。データ配信と保護を一元化することで、アーキテクトは設計を簡素化し、障害を減らし、マルチクラウド環境とエッジ環境全体に一貫したポリシーを適用できます。その結果、車両フリートの規模とソフトウェアの複雑さが増し続ける中でも、常時稼働のMQTTテレメトリ、安全なAI統合、予測可能なパフォーマンスを支えるインフラストラクチャを実現できます。