BIG-IP CGNATでネットワークの拡張性を向上
統合された機能スイートの一環として、シームレスでセキュアなIPアドレス戦略を実現します。

キャリアグレードのネットワーク拡張性
CGNATは、IPv4アドレスを節約し、IPv6への移行を容易にすることで、ネットワークのスケーラビリティを実現します。IPv4とIPv6を橋渡しすることで、消費者やデバイスによる接続ニーズが急増しても、新規および既存のアプリケーションに容易にアクセスできるよう支援します。
世界各地でIPv4アドレスの割り当てが枯渇しています。グローバルIPv4アドレスが限界に達する中、サービスプロバイダーはIPv6へ移行する必要があります。F5 BIG-IP Carrier-Grade NAT (CGNAT)は、高額なハードウェアアップグレードを行うことなく、IPv6とIPv4の両方のアドレスをサポートします。
現在、CGNATはセキュリティ戦略の一環として広く導入されています。BIG-IP CGNATは多くの場合、BIG-IP Advanced Firewall Manager (AFM)と組み合わせて使用され、加入者アドレスのマスキングも可能な高性能ネットワークファイアウォールを提供します。この組み合わせにより、サービスプロバイダーは加入者向けの送信トラフィック用セキュリティサービスを収益化できます。BIG-IP AFMは、CGNAT、分散型サービス拒否(DDoS)攻撃対策、アクセス制御リスト(ACL)、侵入防止システム(IPS)を有効にすることで、包括的なセキュリティプラットフォームを提供します。
F5は、これらのセキュリティ制御をCGNATとともにN6/S/Gi-LANまたはデータセンターに統合します。これにより、管理と運用が簡素化され、運用コストが削減されるほか、機能やサービスを収益化する機会が広がります。これらのソリューションは、高性能ハードウェアアプライアンス、仮想ネットワーク機能(VNF)、クラウドネイティブネットワーク機能(CNF)、またはハイブリッドモードとして導入できます。
BIG-IP CGNATの主なメリット
1. 柔軟な導入オプションでIPv4アドレスの枯渇とIPv6への移行に対応し、ネットワークを拡張
BIG-IP CGNATは、多数のIPアドレス変換、高速なNAT変換セットアップレート、高スループット、高速ロギングにより、通信事業者向けのスケーラビリティを提供します。
サービスプロバイダーは、新しいIPv6デバイスやアプリケーションへの移行を進めながら、IPv4デバイスとコンテンツを管理するという課題に直面しています。IPv6デバイスとコンテンツにはIPv4との後方互換性がないため、IPv6への移行戦略では両者の共存をサポートする必要があります。BIG-IP CGNATは、多数のIPアドレス変換、高速なNAT変換セットアップ、高スループット、高速ロギングにより、通信事業者向けのスケーラビリティを提供します。
BIG-IP CGNATを使用すると、IPv4アドレスの枯渇に対処し、IPv6へのシームレスな移行を計画しながら、IPv4接続を継続して提供し、多数の同時セッションを処理できます。機能には、大規模NAT、NAT 44(NAPT、PAT、ポートブロック割り当て[PBA])、NAT 444、NAT64/DNS64、464xlat、ポート制御プロトコル(PCP)、アドレス/ポートの永続性、エンドポイント非依存のマッピングおよびフィルタリング(EIM/EIF)、ヘアピニング、PIM-DMのほか、FTP、SIP、RTSP、PPTP、FTPS、FTP over TLS、FTPS explicit、TFTP、IP Sec IKEv2、ESPなどの複数のアプリケーションレイヤーゲートウェイが含まれます。サービスプロバイダーのネットワークにおけるCGNATの大きなメリットの1つは、顧客の「エッジ」ネットワークから、パブリックにルーティング可能なIPv4アドレス空間の大規模なブロックを効果的に「回収」し、ネットワークの他の部分で利用できるようにすることです。また、ネットワークが保有するIPv4割り当ての範囲を超えて事業を拡大することも可能になります。ポートブロック割り当て(PBA)を使用すると、BIG-IP CGNATシステムを通じて、大規模NAT(LSN)プールリソースを最大35対1の比率で活用できる可能性があります。
BIG-IP CGNATは、特定のプライベートIPアドレスをパブリックIPアドレスにマッピングし、ログ記録の要件を軽減する決定論的NAT機能を備えています。BIG-IP Policy Enforcement Manager (PEM)を追加することで、通信事業者は加入者によるネットワークの利用状況をより的確に把握し、宛先を考慮したポリシーによってCGNAT設定をサービスプランに関連付けることができます。
2. モノのインターネット(IoT)に対応する拡張性
GSMAによると、2025年までにIoT接続数は246億件に達し、2019年の120億件から増加する見込みです。IoTをサポートするには、大規模なスケーラビリティが必要です。コネクテッドカー、スマートホーム、スマートメーターなど、ネットワークアドレスを必要とする数百万台のIoTデバイスに対応できるよう、BIG-IP CGNATはサービスプロバイダーの効率的なスケール拡張を支援します。BIG-IP CGNATは、数千万件のIPアドレス変換に対応し、毎秒約100万件の変換セットアップレートと数十ギガビットのパフォーマンスを提供できます。高速ロギング(HSL)機能により、パフォーマンスがさらに向上します。そのため、ネットワーク内のサーバー台数を抑えながら移行ニーズに対応でき、コストを削減できます。
3. キャリアグレードのセキュリティ
CGNATは、セキュリティ戦略の重要な要素として広く導入されています。BIG-IP AFMと組み合わせることで、BIG-IP CGNATは高性能ファイアウォールのあらゆるメリットを提供します。これには、ACL、IPS、DDoS防御を統合した、IDおよび加入者を認識するネットワークファイアウォールが含まれます。さらに、セッション認識機能により、レイヤー4のみのソリューションでは検知できない高度なレイヤー7 DoS攻撃を緩和できます。BIG-IP AFMとBIG-IP CGNATを連携させることで、送信元および宛先アドレスに対するファイアウォールのアドレスリストとポートリストをプロトコルとともに照合し、NATポリシーを選択できます。
加入者とエンドポイントを認識することで、最適化や収益化に向けてネットワークトラフィックを把握し、加入者クラスに基づくセキュリティポリシーやカスタムセキュリティポリシーを適用できます。たとえば、特定の一連のIoTエンドデバイスに専用のポリシーを適用できます。BIG-IP AFMとBIG-IP CGNATの加入者認識機能により、ファイアウォールおよびCGNATのログ(NAPTログとPBAログ)へのsubscriber-IDの付加、加入者の検出、ファイアウォールへの動的なポリシープロビジョニングが可能になります。
効率化がコスト削減と利益率向上の鍵
4. 運用コストの削減とサービスの収益化に向けた機能統合
効率化は、コストを削減し、利益率を高める鍵となります。F5 BIG-IPファミリーを活用することで、サービスプロバイダーの主要機能を単一の高性能ソリューションに効率的に統合できます。たとえば、BIG-IP CGNATは、BIG-IP Local Traffic Manager (LTM)、BIG-IP PEM、BIG-IP DNS(DNSキャッシュ)と組み合わせて戦略的に導入できます。BIG-IP PEMは、加入者プロファイル(サービス階層など)に基づいてトラフィックを検査し、サービスへ振り分けるインテリジェントなトラフィックステアリング機能を提供します。また、包括的なトラフィック分類機能により、加入者がネットワーク上で行っていることを正確に把握できます。その情報に基づいて差別化されたサービスプランを提供することで、最終的に収益の増加とネットワーク利用の適正化につながります。
F5の仮想化、コンテナ化、統合されたN6 LANソリューションは、コスト効率に優れたモデルの構築を支援し、新サービスの市場投入までの時間を短縮するとともに、ネットワークの複雑さを軽減します。F5のCNFとVNFは、効率的な仮想N6 LANの中核コンポーネントであり、N6 LANで利用可能な最も幅広いサービスを提供します。
5. 効率的なログ記録とコンプライアンスの簡素化
BIG-IP CGNATは、多くのサービスプロバイダーにとって規制遵守要件となる高性能なロギングに優れています。IPアドレスや利用状況とユーザーを相互に関連付ける作業は煩雑で、時間とコストがかかる場合があります。BIG-IP CGNATは、プライベートIPアドレスからパブリックIPアドレスへの変換、URL/URIの宛先アドレス、ポート番号、時刻、その他のカスタマイズされたセッション情報などを保存できる、広範かつ柔軟なロギング機能を提供します。CGNATでは、ログにMSISDN/IMSIや宛先URL/URIのフィールドを挿入するなど、効率的でカスタマイズ可能なログを作成できます。
BIG-IP CGNATは、syslogよりも圧縮率の高いNATロギング方式であるInternet Protocol Flow Information Export(IPFIX)をサポートしています。ログエントリあたりのデータ量を削減できるため、コストの削減につながります。IPv6パケットの拡張ヘッダーを検査してフィルタリングできるため、イベント調査や監査におけるIPv6トラフィックの可視性が向上します。また、BIG-IP CGNATはPBAセットを効率的に管理し、除外処理を最適化してワークフローを簡素化します。さらに、MSISDNなどの加入者情報をログに追加できます。
最近の技術革新により、個々のセキュリティイベントのログを高速に生成できるようになり、CGNATのパフォーマンスが向上しています。ファイアウォールポリシー、DDoS、IPインテリジェンス、ポートの不正使用、プロトコル検査、トラフィックインテリジェンス、NATの各機能に加え、ログの送信先とパブリッシャーを、BIG-IPの高速ロギングフレームワークに準拠して個別に制御できます。ファイアウォールとNATのログフィールドをカスタマイズすることで、ログメッセージの生成、転送、解析、保存にかかるコストを削減できます。また、ファイアウォールとNATのログに加入者情報を保持しながら、必要なフィールドのみを記録することで、パフォーマンスが向上します。
BIG-IP CGNATは、数百万件のログレコードの生成に対応できるよう拡張し、システムログサーバーにエクスポートできます。また、ロードバランシングとUDPにも対応できます。柔軟なオプションにより、ログレート制限、UDPおよびTCPトランスポート、ロードバランシングおよびレプリケーションのオプション、Syslog、IPFIX、Splunk、ArcSightの各形式など、幅広いログコレクターをサポートします。
BIG-IP CGNATは、数百万件のログレコードの生成に対応できるようスケールし、それらをシステムログサーバーにエクスポートできます。
6. NFVおよびコンテナに対応
BIG-IP CGNATは、高性能ハードウェアに導入できるほか、VNF(BIG-IP Virtual Edition)、F5のパッケージ化されたNFV S/Gi-LAN、Gi Firewall、CGNATソリューションの一部、またはCNFとしてソフトウェアに導入できます。F5は、高度なアプリケーションサービスとセキュリティサービスを俊敏かつ柔軟、効率的に導入できる仮想アプリケーションデリバリープラットフォームにより、クラウドおよびソフトウェア定義アーキテクチャへの移行を支援します。ソフトウェアに導入することで俊敏性が向上し、クラウドアーキテクチャにおける自動化とオーケストレーションを実現できます。
これらのソリューションをGi Firewall、S/Gi LAN、またはCGNAT向けのF5 NFV Packaged Solutionの一部として使用すると、F5 VNF Managerの支援により、購入、導入、管理が容易になります。パッケージは5、10、または50 Gbps単位で購入でき、サービスのトラフィック量の増加に応じて「Use-Before-Buy」オプションを利用できます。 こちらをクリック してNFV Packaged Solutionsの概要にアクセスし、このオプションの詳細をご確認ください。
BIG-IP VE向けSmartNICオフロード:CGNATのパフォーマンスを向上し、TCOを削減
CGNATを実行する際には、多大なコンピューティング能力を必要とする主な機能が2つあります。1つはIPアドレスを別のIPアドレスに実際に変換する処理、もう1つは米国の通信傍受支援法(CALEA)で義務付けられている、その変換のログ記録です。SmartNICはネットワークインターフェースカード(NIC)ファミリーに新たに加わった製品であり、仮想(VNF)CGNAT環境向けのソリューションとなり得ます。
FPGA、NPU、SoCなどのプログラム可能なコンポーネントを搭載したSmartNICは、接続先のアプリケーションやサーバーに代わってユーザー指定のネットワーク機能を実行できるため、CPUリソースの負荷を軽減し、パフォーマンスを大幅に向上させることができます。CGNAT機能をF5 BIG-IP VEからIntel FPGA PAC N3000 SmartNICにオフロードすることで、システム全体のスループットを約30%向上できます。さらに重要な点として、BIG-IP VEのCPU使用率も約80%削減でき、VEの過負荷防止に役立ちます。詳しくは、BIG-IP VE for SmartNICsの概要をご覧ください。
まとめ
CGNATは、IPv6への移行を支援するうえで不可欠なツールであることが実証されており、ネットワークの拡張とセキュリティ確保に貢献することで、今日のネットワークにおいてもその価値を発揮し続けています。IPv6、IoT、5Gに向けてネットワークの拡張性を最適化したいサービスプロバイダーに対し、BIG-IP CGNATは、統合されたネットワーク機能スイートの一部として、シームレスでセキュアなIPアドレス戦略を提供します。