ビジネス価値を最大化するF5 Application Deliveryの設計

はじめに

今日のビジネス課題は、インターネットの普及やモバイルデバイスの急増以前とは根本的に異なります。Z世代が徐々に労働市場へ参入して人材構成が変化するなか、IT部門は新たな課題に直面しています。この新しい世代の従業員は、私物のデバイスを企業に持ち込み、ソーシャルメディアを活用してビジネス上のメリットを得るとともに、いつでも、どこからでも、あらゆるデバイスにアクセスすることを望んでいます。IT部門には、この新たな環境と高度なセキュリティの必要性を両立させることが求められます。こうしたユーザーのニーズに柔軟に対応する一方で、予算上の制約があるため、従業員の高い生産性を維持しながらコストを削減する革新的な方法も見つけなければなりません。アプリケーションをクラウドに移行して展開することで、アウトソーシングに適した共通基盤を確保し、ビジネスの成長に応じて拡張できるようになるため、こうした課題の一部に対処できると期待されています。

ビジネスアプリケーションは、企業と従業員をつなぐうえで極めて重要な役割を果たします。ほぼすべての企業が、日々の業務を円滑に進めるためにアプリケーションを利用しています。次のビジネス上の優先事項に対応するには、アプリケーションを常にセキュアかつ高速に、利用可能な状態で提供することが、あらゆる企業にとって極めて重要です。

  • 顧客体験の質の向上
  • コストを増やさずにビジネスを拡大
  • ビジネスリスク管理の強化

企業がこうしたビジネス上の優先事項を支えるさまざまな取り組みを展開する際には、アプリケーションパフォーマンス、インフラストラクチャの拡張性、データセンターのセキュリティなどに関する課題に直面します。F5は、企業によるこれらの課題への対応を支援するうえで、独自の役割を果たします。F5はデータセンター内の戦略的な位置でユーザーアクセスを捕捉し、そのコンテキストを把握できるため、データセンターに出入りするすべてのトラフィックに必要な制御を適用できます。F5ソリューションは、個別に導入されたポイントソリューションを1つの統合プラットフォームに集約することで、コスト削減を支援します。これにより、企業はアーキテクチャの柔軟性を確保できるだけでなく、初期投資と運用コストを削減し、ITインフラストラクチャを管理しやすくなります。

図1:F5のアプリケーションデリバリーフレームワーク

カスタマーエクスペリエンス:アプリケーションデリバリーの成果を最大化

アプリケーションデリバリーアーキテクチャを設計する際、企業はまず、最も重要なステークホルダーである社内外のお客さまを考慮する必要があります。企業のオンラインストアへのアクセス、取引状況の確認、企業Webサイトでのカスタマーサポートの利用など、どのような場合でも、カスタマーエクスペリエンスを常に最適な状態に保つことが重要です。お客さまに満足いただけるエクスペリエンスを提供するには、あらゆるデバイスで最適化されたパフォーマンス、一貫性、そしてバックグラウンドで確実に機能するセキュリティという3つの主要要件を満たす必要があります。

“調査対象のお客さまの56%が、アプリケーションの高速化と最適化を理由に、競合他社のソリューションではなくF5ソリューションを選択しました。”

出典:F5 BIG-IPユーザー107名を対象としたTechValidateの調査、TVID:467-850-1E5

アプリケーションやデバイスを問わずクライアントパフォーマンスを最適化

消費者と企業の双方でスマートフォンなどのモバイルデバイスが普及するにつれ、個人所有デバイスの業務利用(BYOD)が一般化しつつあります。こうした環境では、アプリケーションおよびネットワークの管理者は、ユーザーエクスペリエンスを損なうことなく、エンドユーザーのデバイスに最適化されたコンテンツを配信するという課題に直面しています。

アプリケーションサーバー側では、F5の高度なキャッシュおよび圧縮テクノロジーにより、サーバーから配信されるアプリケーションコンテンツを非対称に高速化し、この課題の解決を支援できます。

F5はクライアントベースの高速化機能も提供しており、ユーザーアクセスを改善し、アプリケーションのパフォーマンスを最大8倍に高めることで、より高速な通信を実現できます。動的データ圧縮とクライアント側キャッシュによってトラフィック量を削減し、ネットワーク遅延やクライアント接続のボトルネックがアプリケーションのパフォーマンスに及ぼす影響を最小限に抑えます。エンドユーザーデバイス向けのクライアント側のサービス品質(QoS)とアプリケーショントラフィックシェーピングにより、リモートアプリケーションの遅延とパケット損失を低減します。トラフィックに優先順位を設定し、VoIPなどの特定のアプリケーションを他のアプリケーションより先に送信できます。

図2:F5は、初回ユーザーがSharePoint経由で4 MBのファイルに、SAP経由で27 MBのファイルにアクセスする場合をテストし、F5テクノロジーによってパフォーマンスが大幅に向上することを確認しました。

F5により、お客さまは最大8倍のパフォーマンス向上を実現しています。Optimization Calculatorを使用して、F5のキャッシュと圧縮をテストしてください。

企業全体で一貫した顧客アクセス

お客さまは複数のサービスを同時に利用する可能性があるため、企業は、利用されるサービスにかかわらず、一貫性のある統合されたエクスペリエンスを提供する必要があります。F5独自のアプリケーションアクセス管理・制御ソリューションは、アプリケーション所有者にアクセスサービスを提供することで、これを支援します。

F5は、複数のドメインにわたるシングルサインオン(SSO)のオフロードを提供します。これにより、ユーザーは1つの認証情報で、Microsoft SharePointやOutlook Web Accessのほか、Oracle、IIS、Apache、WebSphere、SAP上で稼働するWebアプリケーションなど、複数のアプリケーションやサービスにアクセスできます。Oracle Access Manager(OAM)やIBM Tivoliなど、主要なエンタープライズSSOソリューションプロバイダーと統合できるF5の認証プロキシソリューションは、アプリケーション導入の簡素化に加え、総所有コスト(TCO)の大幅な削減と、ユーザーがアプリケーションサービスにアクセスする際のエクスペリエンスの簡素化に役立ちます。

F5ソリューションには事前構成済みの認証ポリシーが用意されており、導入の複雑さとサービス提供開始までの時間を大幅に削減します。F5の統合ソリューションは、一元的なポリシー適用ポイントを提供することで監査を簡素化し、IT部門がアプリケーションのアクセス制御設定の変更を管理できるようにします。これにより、優れたユーザーエクスペリエンスを提供し、生産性を向上させます。

F5ソリューションは、iOS、Windows、Linux、Androidなど、幅広いモバイルオペレーティングシステムをサポートしています。これにより、従業員やお客さまは移動中でもエンタープライズアプリケーションやビジネスサービスに安全にアクセスでき、オフィス外でも生産性を維持できます。

業務を妨げないセキュリティ

アプリケーションを横断したシームレスなユーザー体験は重要ですが、組織は、顧客が使用するデバイスやアクセス方法を問わず、自社サービスへのアクセスが保護されているという安心感も求めています。

F5独自のセキュアアクセスソリューションは、あらゆるサービスへのアクセス時にエンドツーエンドのセキュリティを必要とするリモートユーザーとイントラネットユーザーの双方に適しています。OS、ウイルス対策ソフトウェア、ファイアウォール、ファイル、プロセス、レジストリに加え、デバイスのMACアドレス、CPU ID、HDD IDなど、統合されたエンドポイント検査項目が12種類以上あらかじめ設定されています。ユーザーセッションの終了時には、ブラウザーキャッシュクリーナーが機密データを自動的に削除します。

直感的に操作できるグラフィカルなビジュアルポリシー編集ツールを使用して、完全な監査証跡を確保しながら、きめ細かくアクセスを許可できます。アクセスポリシーの判断要素を増やすため、アクセス元デバイスのハードウェア情報をユーザーの役割に関連付けることも可能です。また、F5のセキュアアクセスソリューションは、主要なモバイルデバイス管理(MDM)および2要素認証(2FA)ソリューションプロバイダーと連携できるよう設計されており、市場でも特に汎用性の高いソリューションの1つです。

F5は、クライアントレベルでアクセスを保護するだけでなく、SQLインジェクション、クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)、クロスサイトスクリプティング(XSS)などのアプリケーション層攻撃を防御し、アプリケーションレベルで最大限の保護を確保できるよう支援します。多層化する脅威が増え続ける現在、F5のセキュリティソリューションは、分散型サービス拒否(DDoS)攻撃に対しても効果的な防御を提供します。

プロアクティブなカスタマーケアと働きかけ

快適なカスタマーエクスペリエンスは、既存顧客の維持と新規顧客の獲得に不可欠です。そのため、カスタマーエクスペリエンスの品質を測定し、サービスを利用する顧客の属性や利用状況を把握できることが重要です。これにより、企業はカスタマーケアやマーケティング活動に先回りして取り組めます。

カスタマーエクスペリエンスの可視化

F5のカスタマーエクスペリエンスレポートでは、顧客全体のサービス応答時間をグラフィカルに可視化し、サービス利用状況、クライアント応答時間、サーバー応答など、さまざまなパラメーターに関する情報を提供します。これにより、IT管理者は顧客満足度を損なうことなく、サービス実装の規模を適切に設定できます。F5 Analyticsは、カスタマーエクスペリエンス指標に関する詳細なレポートに加え、サーバーのキャパシティプランニングを支援する多彩で充実したレポートを提供します。また、新規サービスの利用状況を追跡することで、その展開に伴うROIの妥当性を示します。

図3:F5 Centralized Analytics Moduleで生成されたレポートの例

お客さまの状況

先を見越した差別化されたカスタマーサービスや働きかけを実現するには、顧客がアクセスしている状況を把握することが重要です。F5のテクノロジーは、顧客のプロファイルに加え、所在地、使用デバイス、アクセスしようとしているサービスなどの環境や条件を考慮し、顧客に合わせたサービスの提供を可能にします。たとえば、中国の富裕層顧客がiPadから高級品ポータルにアクセスした場合、F5ソリューションは、その顧客をiPad向けに最適化されたページを配信できるプレミアムコンテンツサーバーへ誘導します。

F5ソリューションには、コンテンツスイッチングやコンテキスト認識型アクセスポリシーなどのテクノロジーが含まれています。F5独自の組み込み型位置情報サービスと業界をリードするiRules®スクリプト言語により、ネットワーク管理者は、顧客またはアプリケーションに固有のポリシーを容易に設定し、差別化されたエクスペリエンスを提供できます。さらに、F5 iControl® APIを使用すると、サードパーティーのソフトウェアプロバイダーがF5ソリューションと連携し、外部イベントに基づいてサービスを有効化できます。

新規サービスの導入

グローバル化した環境では、企業は従業員の生産性を最大限に高め、新しいサービスから収益を得るまでの期間を最小限に抑えるため、そのサービスを迅速に導入できなければなりません。

F5は、以下の機能により、組織の導入時間短縮を支援します。

  • 主要なアプリケーションを網羅したアプリケーション導入ガイド。f5.comでは、導入手順を段階的に説明する175件以上のガイドをご利用いただけます。
  • アプリケーションテンプレート。F5は、Oracle Database、Microsoft Exchange、Microsoft SharePoint、SAPなど、主要なアプリケーション向けのテンプレートと導入ウィザードを提供しており、管理者は新しいサービスを数分で導入できます。
  • 組み込みのF5 iApps™ Templatesを使用することで、組織はアプリケーションのデプロイをカスタマイズし、アプリケーションのライフサイクル全体にわたって構成変更を管理できます。iApps Templatesは25を超えるアプリケーションに対応しており、現在もさらに多くのテンプレートを開発中です。
  • F5 DevCentral™は、10万人を超えるアクティブメンバーが参加するオンラインコミュニティです。あらゆるソリューションと導入に関する豊富な情報に加え、世界最高峰のApplication Delivery Networking(ADN)エキスパートがお客さまの質問に回答するディスカッションフォーラムを提供しています。

これらのツールを使用することで、組織はアプリケーションの導入時間を最大84%短縮でき、約2か月の時間を節約できます。

F5ユーザーは変化に対応できると実感

次の記述に同意しますか。「F5 BIG-IPの導入後、変化するビジネスニーズにより迅速に対応できるようになった。」

出典:BIG-IPユーザー159名を対象とした調査、TVID: 27C-967-9A8

コストを増やさずにビジネスを拡大

企業がコスト効率に優れたアプリケーションデリバリープラットフォームとしてクラウドを採用する動きが加速する中、CIOにはこれまで以上に、内製と外部委託の効果的なバランスを取ることが求められています。クラウドを導入すれば、需要に応じてリソースを拡張できますが、管理性とセキュリティに関する課題も生じます。

IT投資の統合:仮想化への投資をさらに有効活用

企業のグローバル化が進み、IT投資を最大限に活用することが求められる中、データセンターの統合は不可欠になっています。仮想化が主流のテクノロジーとなるにつれ、企業は統合によって従来以上のコスト削減を実現できるほか、データセンターだけでなく、アプリケーションワークロード、ネットワークデバイス、サーバーのキャパシティも拡大できます。F5は、オンデマンドで拡張できる機能とサービスのレジリエンスを提供し、組織が仮想化への投資をさらに有効活用できるよう支援する包括的なソリューションを提供します。

リソースのオフロード

F5は、SSL終端、キャッシュ、圧縮などCPU負荷の高い処理をサーバーからF5ソリューションにオフロードできるようにすることで、組織による仮想環境のさらなる有効活用を可能にします。たとえば、Microsoft Exchangeでは、F5によってCPU負荷の40%をオフロードしました。その結果、同じ物理x86サーバー上で、サーバーが処理できる仮想マシンの容量が約60%増加しました。SAPインフラストラクチャでは、F5によってCPU負荷が30%低減し、サーバーあたりのVM密度が最大40%向上したことで、コスト削減効果とROIが改善しました。

F5ソリューションは仮想環境を最適化します。圧縮分析を実行するには、F5 Optimization Calculatorをご利用ください。

デバイスの統合

オフロードはサーバー上のVM密度を高めるうえで不可欠ですが、共通プラットフォームを基盤とするF5の統合アプリケーションデリバリーソリューションを利用すれば、ネットワークのポイントデバイスやAAA/SSOなどの特定機能を1台のデバイスに統合できます。F5ソリューションでは、Webアクセラレーション、WAN最適化、グローバルサーバーロードバランシング、アプリケーションファイアウォール、アプリケーションアクセス制御などの高度なADC機能を、同一のソフトウェアプラットフォームに統合できます。F5ソリューションは、市場の他の同種プロバイダーとは異なり、すべてのモジュールを同時に実行している場合でも、通信事業者向けレベルのパフォーマンスを提供できるよう設計されています(詳細については、「2010 Application Delivery Controller Performance Report」をご覧ください)。共通プラットフォームで複数の機能を利用できるため、完全統合か部分統合かを問わず、ビジネス目標に最適なアーキテクチャを選択できます。これにより、ITインフラストラクチャ全体の管理も容易になります。

“IT組織の88%が、F5を使用することで、一般的なサーバー上のVM密度を10%~40%向上させました。”

出典:F5 BIG-IPユーザー105名を対象としたTechValidateの調査、TVID:975-FFD-F8D

ビジネスの成長に合わせたITインフラストラクチャの拡張

今日のIT管理者は、特に仮想化環境において、データセンター内のキャパシティを必要に応じて拡張できることを求めています。F5ソリューションは、サードパーティ製のトラフィック監視アプリケーションと連携し、トラフィック量の変化に応じてVMを自動的に起動または停止できます。F5のオープンAPIであるiControlは、VMware vCenterやその他のサードパーティ製管理ソフトウェアと統合し、サーバープールへのノードの追加と削除を自動化できます。

データセンター内の仮想マシン容量を自動的に調整できることに加え、F5はVIPRION®シャーシを通じて、真の「オンデマンドスケーリング」ソリューションも提供します。

このスケールオンデマンドソリューションでは、組織が初期に支払うのは現時点で必要なキャパシティ分のみとなるため、初期費用を抑えられます。また、既存のシャーシにブレードを追加するだけで、キャパシティの拡張に合わせてアプリケーションデリバリーソリューションを拡張できます。これにより、既存のキャパシティを最大限に活用できるほか、初日から過剰にプロビジョニングした機器を維持する必要が減り、運用コスト全体を削減できます。F5のソリューションでは、4年間で総所有コストを最大30%削減できます。1

F5のオンデマンド拡張ソリューションにより、企業は40 Gbpsポート、高速なCPUやRAMなどの新しいテクノロジーが利用可能になった時点で活用できます。ソフトウェアによるスループットのアップグレードを前提とした旧式のソリューションを全面的に入れ替えるのではなく、シャーシベースのアプローチで拡張し、新しいテクノロジーのメリットを最大限に活用できます。

“IT組織の55%が、クラウドプロバイダーを選定する際、複数のデータセンター間でアプリケーショントラフィックをリダイレクト、分割、またはレートシェーピングできることに価値があると回答しました。”

出典:F5 BIG-IPユーザー109名を対象としたTechValidateの調査、TVID:3D4-C64-27A

F5のVirtual Clustered Multiprocessing(vCMP®)テクノロジーは、オンデマンドのスケールアプローチを補完し、物理的な専用リソースを同一デバイス上の複数の仮想エンティティに統合できます。各インスタンスにはCPU、メモリ、ディスクストレージが専用に割り当てられ、他のインスタンスから完全に分離されます。これにより、人事、財務、営業などの複数の部門が、それぞれのカスタムアプリケーション向けに独自のアプリケーションデリバリーソリューションを実装できます。各インスタンスにはブレード間またはシャーシ間の冗長性が提供され、複数部門のアプリケーションに完全な可用性と分離をもたらします。インスタンスは相互に分離されているため、各部門は組織全体に影響を与えることなく、アップグレードや構成変更を実施できます。

オンデマンドのキャパシティ:クラウドバースティング

F5は、社内外のすべてのアプリケーションリソースをシームレスに仮想化し、単一のリソースとして提供することで、データセンターのキャパシティとリソースの可用性を拡張します。アプリケーションのスケーリングに必要なキャパシティを提供するリソースプールは、仮想または物理、ローカルまたはリモートのいずれでも構成できます。F5は、オンデマンドでキャパシティを提供する追加リソースにユーザーをリダイレクトできます。需要が減少するとリソースが解放されるため、従量課金モデルを採用しているお客さまのコスト削減に役立ちます。F5ソリューションは、ネットワークとアプリケーションのコンテキストをリアルタイムで把握し、リクエストの処理に最適なリソースを判断できるため、クラウドから提供されるアプリケーションの高可用性を確保します。

図4:F5のクラウドバースティング対応アーキテクチャ

可用性に基づくスケーリング:N+1クラスタリングとScaleN

F5のN+1クラスタリングソリューションであるScaleN™は、デバイス間の多方向クラスタリングを可能にし、柔軟に拡張でき、高いレジリエンスを備えたアプリケーションデリバリサービスのプールを構築します。複数のアクティブデバイスを1つのソリューションとして機能させ、アプリケーション単位でApplication Delivery Controller間に負荷を分散できます。

これにより、アプリケーションサービスを物理ADCと仮想ADCの間でフェイルオーバーできるようになり、組織は最大限の可用性を確保しながら投資効果を最大化できます。これは、アプリケーションデリバリ業界に新たなレベルのイノベーションをもたらします。ScaleNが提供する機能は次のとおりです。

  • 複数デバイス間の冗長性—最大8台のデバイスをクラスタ化し、N+1冗長性を確保できます。
  • すべてのデバイスを常時アクティブにできるため、障害に備えてアイドル状態で待機するパッシブスタンバイユニットが不要になり、所定のワークロードをサポートするために必要なデバイス数を削減できます。これにより、初期設備投資と継続的な保守コストを少なくとも25%削減できます。
図5:F5ソリューションは、必要に応じてスケールアップ、仮想化、スケールアウトできる柔軟性を提供します。

単一のセキュアなインフラストラクチャの管理

アプリケーションが企業のデータセンター内にある場合でも、クラウドサービスプロバイダーによってホストされている場合でも、ユーザーは透過的かつセキュアにアクセスできる必要があります。F5のセキュアアクセスソリューションは、企業のデータセンター内にユーザーアクセスを管理するための一元的な制御ポイントを提供します。すべてのユーザーアクセスは、企業内のF5セキュアゲートウェイを介して認証できます。認証に成功すると、データセンターまたはプライベート/パブリッククラウド環境から、任意のアプリケーションサービスへのアクセスをユーザーに許可できます。Active Directory、LDAP、RADIUS、ネイティブRSA SecurIDなど、幅広い認証サービスにより、アクセスポリシーを厳格に適用できます。

F5ソリューションは、企業内リソースとクラウドリソースの認証を1か所に集約することで、ユーザーアクセスを簡素化し、強固なセキュリティを実現します。これにより、セキュリティとアクセス制御のために複数のポイントソリューションを管理する必要がなくなり、大幅なコスト削減と管理の簡素化につながります。

図6:クラウド認証をオンプレミスで管理

ビジネスリスク管理

事業継続と災害復旧の実現

IT管理者は、予期せぬ事態に備える必要があります。特に、データ保護と災害復旧に関する業界および政府の新たな規則が数多く制定されている状況では、十分な備えが欠かせません。F5の包括的なソリューション群は、組織が事業継続、災害復旧、統合の目標を達成できるよう支援します。動的なデータセンターの可用性、復旧、継続性を確保し、インフラストラクチャコストを抑えながらSLAを満たすには、ADNの設計および導入段階で多くの要件を考慮する必要があります。

24時間365日の可用性と災害復旧

F5の可用性および災害復旧ソリューションは、ネットワークの柔軟性、適応性、セキュリティを高めます。自然災害、システム停止、DNS DDoS攻撃によってプライマリデータセンターのサービスが中断した場合でも、ユーザーはアプリケーションやデータに常時アクセスできます。F5ソリューションは、利用可能なデータセンターのうち、最も近い、または最もパフォーマンスの高いデータセンターへユーザーを透過的に誘導し、ビジネスアプリケーションの利用時に可能な限り優れたユーザー体験を提供します。

地理的トラフィック管理

複数の言語でコンテンツを提供するサイトでは、地理的負荷分散により、世界中のユーザーが必要な情報を自分の言語で入手できるようにします。アプリケーションレベルの高度な監視により、各ユーザーに最適な形でアプリケーションを配信できるデータセンターへ誘導できます。

アクティブ/アクティブ構成のデータセンターで設備投資と運用コストを削減

F5のグローバルトラフィック管理ソリューションにより、組織は利用効率を最大化するアクティブ/アクティブ型のデータセンターアーキテクチャを構築できます。プライマリデータセンターに障害が発生した場合は、セカンダリデータセンターへ自動的にフェイルオーバーします。これにより、通常はアイドル状態にあるセカンダリデータセンターを最大限に活用できるだけでなく、手動でのフェイルオーバー作業も不要になり、OpExとCapExの両方を削減できます。

今日では、ITインフラストラクチャに対するリスク管理は、あらゆる事業運営に欠かせません。業種を問わず、ITリスクを把握して管理することは、ネットワークインフラストラクチャとアプリケーションのセキュリティ強化、管理コストの削減、コンプライアンス体制の向上に役立ちます。ITリスクの特定、評価、軽減を怠ると、将来的に深刻なセキュリティ侵害や経済的損失を招くおそれがあります。規制は増え続けており、組織にはさらなるコスト負担が生じています。さらに、自然災害や物理的攻撃によって、データセンターが数日間停止するリスクもあります。ITリスクを管理・軽減するうえで、考慮すべき主な領域は次の3つです。

  • 政府および規制当局の要件への準拠。
  • 重要なシステム、ビジネスプロセス、データに対するリスクを軽減するため、効果的な防御策を導入する。
  • 24時間365日のビジネス可用性を確保し、サービスレベル契約(SLA)を達成する。

規制遵守

F5は、組み込みのセキュリティ機能を備えた幅広いソリューションを提供し、以下のような規制要件への準拠を支援します。

  • 政府規制への準拠(HIPAA、FIPS)
  • 金融規制(PCI DSS v2.0)
  • 業界規制(CC-EAL2/42、ICSA、IPv6、DNSSEC)

F5は、アプリケーション環境をコンプライアンスに準拠させるための要件と推奨事項を詳述したPCIコンプライアンスレポートを提供します。このレポートには、PCI DSS v2.0への準拠に必要な各セキュリティ対策が記載され、レポート内の各項目とPCIセキュリティ基準との対応を一目で確認できます。

FIPS準拠もF5の規制コンプライアンスフレームワークの主要な特長であり、機密性が極めて高い政府機関の環境にもF5ソリューションを導入できます。またF5は、組織が各種規制に準拠し、PCI、ICSA、FIPS、HIPAAなどの業界標準に適合するために役立つさまざまなソリューションを提供しています。F5 BIG-IP®デバイスには、すぐに保護とコンプライアンス対応を実現できる、事前構築済みのアプリケーションセキュリティポリシー一式が用意されています。検証済みのポリシーは設定に時間を要さず、より高度なポリシーを作成する際の出発点として利用できます。

サイバー攻撃リスクの軽減

絶えず進化するサイバー脅威により、セキュリティを取り巻く環境は劇的に変化しています。F5の包括的なデータセンターセキュリティソリューションは、物理、仮想、クラウドの各環境において、ネットワーク、アプリケーション、アクセス制御を組み合わせてこうした攻撃に対処し、負担の軽減に貢献します。ネットワーク、アプリケーション、アクセス制御を1つのパッケージに統合したソリューションを設計、導入することで、多くのメリットが得られます。

コストと複雑さを軽減

F5のTMOS®オペレーティングシステムを基盤とするF5ソリューションは、ネットワークインフラストラクチャ、DNS、Webアプリケーションへのアクセス、ユーザー単位のセキュリティポリシー、さらにはデータセンターファイアウォール機能など、ユーザーへのアプリケーション配信に必要なすべての機能を統合します。

画期的なパフォーマンスと拡張性

F5は、業界最速のアプリケーションファイアウォールソリューションに加え、最大1億9,200万の同時接続と最大320 Gbpsのスループットに対応できるスケーラブルなセキュリティプラットフォーム上で、ICSA Labs認定のデータセンターネットワークファイアウォールを提供する唯一の統合型ADCを開発しています。そのパフォーマンスは、他のソリューションを10倍上回ります。さらに、F5のリモートユーザーアクセスソリューションは、単一のプラットフォームで最大60,000人のユーザーによる同時アクセスに対応できます。

セキュアでスケーラブルなDNSインフラストラクチャ

DNSキャッシュポイズニングなどのDNS攻撃により、DNSインフラストラクチャが侵害され、企業のWebサービスが停止する可能性があります。F5はDNSセキュリティに包括的に取り組み、既存のマルチサイト環境へDNSSECを迅速かつ容易に導入できるようにします。さらに、独自の高速クエリ処理機能(1秒あたり1,000万件超)を組み合わせることで、プライマリDNSサーバーをDNS DDoS攻撃から保護します。今後提供予定のDNSキャッシュテクノロジーにより、F5はWebプレゼンスの保護を求めるあらゆる企業に、業界で最も包括的なDNS保護を提供します。

サードパーティ製脆弱性スキャンとの統合

F5は、位置情報に基づく簡単なブロック機能によってWeb上の脅威を迅速に低減し、組織の重要インフラのセキュリティ態勢を大幅に強化できる、包括的な脆弱性評価とアプリケーション保護を提供します。これらの評価ソリューションは、IBM Rational AppScan、Cenzic Hailstorm、QualysGuard Web Application Scanning、WhiteHat Sentinelと統合でき、ポリシーのライフサイクル全体の整合性を高め、市場で最も高度な脆弱性評価とアプリケーション保護を実現します。

F5のセキュリティソリューションは、ネットワーク、アプリケーション、データ、ユーザーを単一のセキュリティ戦略のもとに統合し、急速に進化する脅威から保護します。絶えず変化し、脅威が増大する環境でセキュリティを維持するために必要なインテリジェンスと柔軟性を提供します。

テクノロジーの先を見据える

テクノロジーベンダーを選定する際には、技術力と、そのソリューションがもたらす短期的および長期的なメリットが重要な判断材料となります。しかし、それだけでなく、ベンダーが信頼性の高い強固なサポート体制を整えていることも重要です。

“F5 BIG-IPのお客さまの74%が、高度なローカル負荷分散方式を仮想化インフラストラクチャの重要な機能と考えています。”

出典:F5 BIG-IPユーザー277名を対象としたTechValidateの調査、TVID:4DA-319-804

サポートインフラストラクチャ

ミッションクリティカルなビジネスアプリケーションを提供するソリューションには、グローバルおよび地域のサポート体制に加え、ベンダーによるリモート技術サポートが不可欠です。

F5は、グローバルで包括的なサポート体制を整えています。

  • F5は、英語に加え、フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、日本語、韓国語、タイ語などの現地言語に精通したエンジニアによる、24時間365日の多言語テクニカルサポート体制を提供しています。エンジニアは世界8か所のサポートセンターに配置され、「フォロー・ザ・サン」モデルでサポートを提供しています。F5のテクニカルサポートプロセスはISO 9001:2008認証を取得しているだけでなく、顧客満足度でも一貫して平均9.3を達成しています。テクニカルサポートセンターには、経験豊富な認定エンジニア約250名が在籍し、24時間体制でレベル1~3のサポートを提供しています。
  • F5は、ミッションクリティカルなビジネスアプリケーションを運用するお客さまに迅速なRMAサポートを提供するため、世界各地に150か所を超えるRMA拠点を設けています。障害発生から4時間以内に交換用ユニットをお客さまの施設へ発送できるほか、技術者が同行し、到着時にユニットを稼働させるオプションも用意しています。
  • F5サービスパッケージには、オンラインの自己診断ポータルiHealth®が含まれています。iHealth®では、システムの健全性を包括的に把握し、F5ソリューションの診断を実行できます。これらのツールにより、トラブルシューティングに要する時間を大幅に短縮できます。また、F5 Professional Servicesチームは、導入サービスから、IPv6移行、セキュリティ評価、プロアクティブなシステムチェックなど、お客さまのニーズに合わせたコンサルティングサービスまで、包括的なサービスとコンサルティングを提供します。F5のソリューションと製品に関する基礎および上級トレーニングも、世界各地の認定トレーニングセンターで受講できます。

コミュニティとパートナーエコシステム

ベンダーのソリューションに対する認知度と実力を如実に示すのが、コミュニティとパートナーエコシステムの充実度です。F5 DevCentralコミュニティポータルには、お客さまや開発者を含む100,000人を超えるメンバーが参加しており、業界最大規模を誇ります。また、iRules、iApps、導入ガイド、ソリューションガイドを共有し、F5ソリューションについて意見を交わす場としても機能しています。ポータルに集うこの大規模なコミュニティを補完するため、F5は強固なテクノロジーパートナーエコシステムを構築しています。これには、VMware、Oracle、Microsoft、SAPなどの多様なISVや、HP、IBM、Dimension Data、DellなどのグローバルSIが含まれます。このエコシステムを支えるため、F5は、F5とリセラーエコシステムをつなぐ付加価値パートナーとして機能するディストリビューターのグローバルネットワークを確立しています(F5 Partnerを検索)。

市場でのリーダーシップ

最後に、ベンダーが市場に受け入れられていることを最も明確に示すのは、市場シェアにつながる強固な導入実績とビジョン、そして主要な業界アナリストからの評価です。GartnerとIDCによると、F5はADC市場におけるベンダー別シェアで首位に立っています。

まとめ

アプリケーションはあらゆるビジネスの中核を担うため、企業の従業員やサプライヤーが高速かつ安全に、いつでも利用できる状態を確保することが極めて重要です。こうした厳しい要件を満たすには、堅牢で信頼性と柔軟性に優れたアプリケーションデリバリソリューションの導入が不可欠です。F5のアプリケーションデリバリ、最適化、セキュリティソリューションは、専用のハードウェアとソフトウェアを採用し、アプリケーションデリバリのために一から設計されています。オンプレミスかオフプレミスかを問わず、あらゆるデータセンターで包括的なアプリケーション管理を実現します。

本番アプリケーションのクリティカルパスを担うアプリケーションデリバリーベンダーを選定する際は、マーケティング上の誇張に惑わされず、現在および将来のビジネス要件を満たす、信頼性の高い革新的なソリューションを提供できるかどうかを慎重に見極めることが重要です。ソリューションには、インフラストラクチャ部門や事業部門を支援する部門が抱える主な課題や懸念に対応できることが求められます。完全で拡張性の高いアプリケーションデリバリーソリューションを構築するには、テクノロジー、ソリューション、サポート、コミュニティ、市場でのリーダーシップを示す実績など、複数の観点からベンダーの能力を評価することが不可欠です。

脚注

1 F5 VIPRIONと、競合他社が提供する最も類似した従量拡張型ソリューションを4年間にわたって比較した分析に基づきます。

2 F5は現在、EAL4+認証の申請手続きを進めています。

公開日:2012年8月27日