革新的な銀行が規制に準拠したAI導入を実現

この金融機関は、安心してAIを導入するうえで重大な課題に直面していました。F5 Workforce AI Securityを導入したことで、包括的なセキュリティとガバナンスの強化を実現し、課題を競争優位性へと転換しました。

ビジネス上の課題

ある大手金融機関は、銀行、融資、投資に関する包括的なサービスを通じて、個人と法人の両方のお客さまにサービスを提供しています。同行は、個人向け支店、法人向けバンキングセンター、本社に2,500人を超える従業員を擁し、SOX、PCI DSS、各種銀行規制への厳格な準拠が求められる複雑な金融業務を管理しています。

多様な顧客ポートフォリオを支える信頼できる金融パートナーとして、この組織は、機密性の高い顧客の財務データ、独自の投資情報、融資関連書類、機密取引記録を日々取り扱っています。顧客サービスの向上、業務の効率化、リスク管理能力の強化にAIがもたらす変革の可能性を認識していたものの、AIを確信を持って導入するうえで、銀行はいくつかの重大な課題に直面していました。具体的には、次のような課題です。

  • シャドーAIとライセンスの乱立:組織内の複数の部門で、管理されていないAIの導入が大規模に進んでいることが判明しました。
  • コンプライアンス上の死角:IT部門とリスク管理部門は、機密性の高い財務データを処理しているAIサービスを把握できていませんでした。
  • 不明なデータ漏えいリスク:個別に契約したAIサブスクリプションでは、適切なセキュリティレビューを経ずに、顧客の財務情報や機密性の高い取引データが漏えいするおそれがありました。
  • ユースケースに即したAI活用: 金融サービスは多岐にわたるため、各部門のペルソナとユースケースに即した、部門別の専門的なAIガバナンス手法が必要でした。
  • エンタープライズAIインフラストラクチャがもたらす運用負荷:組織の既存のエンタープライズAIサービスでは、基盤となるテクノロジースタックの維持に多大なITリソースが必要でした。複数の基盤サービス、アップデート、エンドポイントのセキュリティパッチの管理によって、重要なテクノロジー施策に充てる貴重な時間が奪われ、継続的な運用負荷も生じていました。

ソリューション

この金融機関は、こうした課題を競争優位性へと転換するため、F5と提携しました。包括的なAIセキュリティとガバナンスを実現するため、F5 Workforce AI Securityを導入しました。

成果

Workforce AI Securityにより、この金融機関は全従業員によるAIの利用状況を完全に可視化できました。このソリューションは、パブリックAIサービスと銀行のプライベートな金融AIアプリケーションの両方について、部門ごとの利用状況を明らかにし、監視しました。新たに得られた可観測性には、リテールバンキング、法人向けバンキング、バックオフィスの各チームがAIツールをどのように利用しているかについての詳細なインサイトが含まれていました。さらに、機密データが未承認のシステムにさらされる可能性のある高リスクなアクティビティを特定し、そのパターンを分析できるようになりました。

シャドーAIとライセンスの乱立に対処

Workforce AI Securityによる包括的な可視化により、この組織はAIライセンスの乱立に体系的に対処できるようになりました。まず、このソリューションによって、リテールバンキング、法人向け銀行業務、バックオフィス業務における、管理されていないAI導入の全容が明らかになりました。全社的なAI監査を実施した結果、財務分析ツール、カスタマーサービスAI、文書処理プラットフォームの未承認サブスクリプションが判明しました。

組織は、自発的なAI導入を制限するのではなく、Workforce AI Securityのセキュアなプライベートポータルを活用して部門ごとの統合を実現しました。これにより、各事業部門の機能を維持しながら、分散していた金融AIのサブスクリプションを合理化する、一元管理された規制準拠の代替手段を提供しました。

規制遵守に向けたセキュリティの強化

包括的な利用状況データを活用し、この金融機関は、遵守すべき多くの規制に準拠した堅牢なAIガバナンスを導入しました。まず、ユーザーを推奨AIサービスにリダイレクトすることで、Workforce AI Securityは、顧客の金融データがパブリックAIサービスにさらされるリスクを排除しながら、エンタープライズサブスクリプションとの整合性と組織全体での導入率の向上に貢献しました。

次に、高度な秘匿化機能により、顧客の口座番号、社会保障番号、取引データなどの機密性の高い金融情報をAIで処理する前に自動的に特定して保護しました。これにより、AIを活用したインサイトの獲得を可能にしながら、顧客のプライバシーを維持しました。

第3に、包括的な監査証跡とコンプライアンスレポートにより、すべてのAI活動が銀行規制に準拠していることを確認し、コンプライアンス管理の効率化に必要な文書を提供しました。

さまざまなユースケースに合わせたAIガバナンス

Workforce AI Securityにより、企業全体のセキュリティを維持しながら、部門ごとにAIガバナンスを適用できるようになりました。リテールバンキングでは、顧客対応向けに調整されたポリシーとインテントによって、顧客のプライバシーを保護し、規制遵守を維持しながら、AI支援によるサービス品質の向上を実現します。

法人向け銀行業務では、法人顧客との取引関係に特化した制御により、機密性の高い独自の財務データを保護しながら、市場動向や信用リスクをAIで高度に分析できます。

バックオフィスでは、業務におけるAI利用を厳格に監督することで、コンプライアンスを確保し、社内のデータとコンテンツを管理するとともに、AIによる支援を通じて効率向上を実現できます。

AI運用の負担を軽減

Workforce AI Securityにより、銀行のAIインフラの維持に伴う運用上の負担が軽減されました。クラウドベースのSaaSソリューションであるWorkforce AI Securityは、社内でのサーバー管理を不要にし、IT運用の負担を軽減するとともに、中核的なテクノロジー施策にリソースを振り向けられるようにしました。プラットフォームの更新とインフラ管理は自動化されており、ハードウェアへの追加投資や専門的な技術知識を必要とせず、組織のニーズに応じてシームレスに拡張できます。

さらに、このソリューションは、部門ごとに重複していたAIサブスクリプションを、コンプライアンスに準拠した統合プラットフォームに置き換えることで、AIライセンスコストを集約しました。これにより、部門横断でAIライセンスを統合するとともに、エンタープライズAIテクノロジースタックに追加するソフトウェアコンポーネントのライセンス費用と運用費用を削減し、銀行全体の総所有コストを低減しました。

Workforce AI Securityの導入により、同行はAIを規制上の潜在的なリスク要因から、競争力を高める戦略的資産へと転換することに成功しました。その過程で、顧客サービスの効率、リスク分析能力、業務生産性を測定可能な形で向上させました。

革新的な銀行が規制に準拠したAI導入を実現のロゴ

メリット

  • 包括的な可視性を確保
  • シャドーAIとライセンスの乱立に対処
  • 規制遵守に向けたセキュリティの強化
  • AI運用の負担を軽減

課題

  • シャドーAIとライセンスの乱立
  • コンプライアンス上の見落とし
  • 不明なデータ漏えい
  • 時間のかかるAIインフラストラクチャ管理