グローバル銀行、F5で全社規模のAIを保護
グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIB)は、企業のAIプラットフォームを保護するためにF5 AI GuardrailsとF5 AI Red Teamを採用しました。
世界最大級のグローバル金融機関の1社は、F5のセキュアなインフラストラクチャを活用し、人事、調達、サイバーセキュリティ、主要事業部門の業務にわたる社内向けおよび社外向けのユースケースに対応するAIサービスを構築しました。
ビジネス上の課題
グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIB)は世界に24行以上あり、その規模、相互連関性、複雑性から、経営破綻すれば世界的な金融危機を引き起こす可能性があります。そのため、サイバーセキュリティが極めて重要です。世界最大級のG-SIBの1行は最近、社内業務と外部向けサービスの両方にエンタープライズAIプラットフォームを導入する準備を進めていました。人事、調達、サイバーセキュリティ、主要事業部門でのユースケースが計画されていました。
この銀行には、AI導入のペースを落とすことなく、機密データを保護し、アクセス制御を適用するとともに、EU AI ActやISO/IEC 42001などのグローバルな規制枠組みに準拠することが求められていました。この課題の規模を反映し、銀行のガバナンス体制には、最高情報セキュリティ責任者(CISO)、グローバル最高情報責任者(CIO)、最高プライバシー・責任あるAI責任者が参画しました。プロジェクトの広範さと規模を踏まえ、複数のステークホルダーから賛同を得るには、包括的な展開戦略が不可欠でした。
同行では50件を超えるユースケースの導入準備が整っていましたが、社内監査担当者には、システムを安全に導入できることを検証する手段がありませんでした。導入を進めるには、データ主権と内部統制の要件を満たすAIセキュリティプラットフォームが必要でした。
ソリューション
同行は、複数の大手AIセキュリティベンダーを対象に比較評価を実施しました。F5はすべての評価基準を満たし、最高水準のセキュリティ、コンプライアンス、パフォーマンスを実証しました。
対応の速さは、選定における重要な要素でした。銀行からEU AI Actに準拠したGuardrailsを求められた際、F5は迅速に対応し、進化する攻撃に対する検証済みの保護機能と98%を超える精度を備えたF5 AI Guardrailsを紹介しました。その後、銀行は、この迅速な対応とセキュリティの有効性を、F5との真のパートナーシップを示す証しとして挙げました。
F5 AI Red Teamは、銀行のセキュリティチームに対し、AIシステムが実際にどのように動作するかを示す具体的な証拠に加え、データ漏えいが発生し得る箇所、プロンプトが操作され得る方法、固有の環境で制御が機能しなくなる箇所を特定するために必要な可視性を提供し、F5の優位性をさらに高めました。
評価で選ばれることは、課題の半分にすぎませんでした。銀行のAIインフラが日常業務の中核を担うようになる中、アーキテクトは、F5ソリューションがインラインで稼働し、必要に応じて障害発生時にフェイルクローズでき、しかもリスクを増大させないことを実証する必要がありました。そのためには、大容量データの保持、構造化ストレージの制限、オートスケーリングなど、実際のエンタープライズ規模の制約下でソリューションを検証する必要がありました。また、各チームに回避策を求めるのではなく、銀行の既存のSIEMおよびアイデンティティインフラと直接統合することも必要でした。
同行はAI GuardrailsとAI Red Teamの導入を決定し、同行が完全に所有・管理する専用のオンプレミスインフラストラクチャ上のベアメタル環境で、これらのソリューションをセルフホスティングすることにしました。
成果
データとAIプラットフォームをサイバー攻撃から保護
F5ソリューションは、データ主権と内部統制の機能を統合できるよう設計されています。具体的には、
- AI Guardrailsは、銀行の一元化されたAIチームとセキュリティチームが定めた要件に基づき、標準およびカスタムのGuardrailsを提供し、実行時にデータ漏えい、プロンプトインジェクション、ジェイルブレイク、ポリシー違反を検出してブロックします。
- AI Red Teamは、広範なシグネチャ攻撃ライブラリに加え、カスタムインテントに基づくエージェント型攻撃機能を提供し、実環境で用いられる敵対的手法に対するプラットフォームの耐性を継続的に検証します。
テストでは、測定可能なセキュリティ効果が早期に確認され、その中核となったのは、PIIの漏えい、プロンプトインジェクション、ジェイルブレイク、悪意のあるコンテンツに対する90%以上の保護率でした。これらはすべてAI Red Teamのテストで検証され、AI Guardrailsによって適用されています。
安全なAI導入への道筋を確立
この保護率は、具体的な進展につながりました。AIレッドチーミングと適応型ガードレールに、高度な規制環境向けに設計されたアーキテクチャを組み合わせることで、同行はセキュリティとガバナンスへの確信を持って、事業全体でAIの活用を拡大できます。
セキュリティアーキテクチャの検証が完了したことで、同行は、これまで実現できなかった、部門、専門分野、主要事業部門を横断するセキュアで学際的なAIユースケースを推進できる体制を整えました。
規制対応とガバナンスの準備態勢を強化
AI GuardrailsとAI Red Teamは、単一のポリシーおよびレポートレイヤーに統合されています。そのため、攻撃的テストで得られた知見は、個別のレポートにとどまることなく、実行時の保護に直接反映されます。このクローズドループ型セキュリティアーキテクチャでは、セキュリティ部門向けの統合された単一のビューから、監査に対応できる証拠が銀行のガバナンスプロセスに提供されます。EU AI ActおよびISO/IEC 42001の要件に準拠した一元的なレポートにより、これまで不足していたセキュリティの証拠を銀行の監査担当者に提示できます。
パフォーマンスと運用レジリエンスを確保
レイテンシー監視、モデルのフェイルオーバー、スケーラビリティ検証が設計に組み込まれているため、稼働開始後も重要な業務を中断することなく、高負荷時の可用性と応答性を維持できるよう、銀行のAIプラットフォームが構成されています。
セキュリティアーキテクチャの検証を終えた同行は、すでに初期のAI GuardrailsおよびAI Red Teamの導入後を見据えています。ユースケースが拡大し、自律性が高まり、ワークフロー全体への組み込みが進む中、自動修復やエージェント型セキュリティ機能など、F5 AI Security Platformの追加ソリューションを検討しています。
メリット
- データとAIインフラをサイバー攻撃から保護
- AIを安全に導入するための道筋を確立
- 規制対応とガバナンスの準備態勢を強化
- パフォーマンスと運用レジリエンスを確保
課題
- 大規模なAI導入計画
- 機密データのセキュリティ維持
- 複数の厳格な規制への準拠
- 多数のガバナンス関係者の要件を満たす必要性