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開催レポート:フロンティアAI時代のNGINX

OSS生存戦略を語る会

2026年7月9日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて、「『ポストMythos』のパッチ適用地獄にどう立ち向かう?フロンティアAI時代のNGINX OSS生存戦略を語る会」を開催しました。

本イベントでは、生成AI・Agentic AIの急速な普及によって変化するWebアプリケーション基盤やAPIインフラをテーマに、「AI時代にOSS運用は持続可能なのか」という問いを軸に、NGINX OSSの役割や今後の運用戦略について議論しました。

当日は、NGINX OSSを日々運用するエンジニアやインフラアーキテクトを中心に、多くの方にご参加いただきました。

AIが変えるインフラ運用の前提

オープニングセッションでは、生成AIやAgentic AIの普及によってこれまでのWebインフラに求められてきた役割が大きく変化していることを紹介しました。

AI GatewayやMCPといった新しいアーキテクチャの登場により、ロードバランサーやリバースプロキシには、単なるトラフィック制御だけではなく、APIガバナンスやObservability、セキュリティを担う基盤としての役割が求められ始めています。

また、AIがソフトウェア開発や脆弱性解析を高速化することで、従来の運用モデルにも大きな影響が及び始めていることを共有しました。

appworld nginx user event

パネルディスカッション:「AI時代にOSS運用は持続可能か?」

イベントの中心となったのは、「AI時代にOSS運用は持続可能か?」をテーマとしたパネルディスカッションです。

ファシリテーターをF5ネットワークスジャパンの松中栄貴が務め、NGINXチーフアーキテクトのElijah Zupancic氏、株式会社インターネットイニシアティブ 友岡将紘様を迎え、それぞれの立場から率直な意見が交わされました。

議論では、

  • AIによって脆弱性の発見・悪用スピードが加速する中、OSS運用はどのように変わるのか
  • パッチ適用やセキュリティ対応を人手だけで継続できるのか
  • OSSと商用製品をどのように組み合わせることが現実的なのか
  • ObservabilityやSLAをどのように担保していくべきか

といったテーマについて、現場目線で活発な議論が行われました。

以下の3つのポイントで会場からも多くの質問が寄せられ、参加者それぞれが自身の環境に置き換えながら考えるセッションとなりました。

  • AI時代になってNGINXに求められる役割は変わるか?
  • OSSだけでAIシステムの本番運用は可能か?
  • OpenTelemetryは標準になるか?

OSSだけでAIシステムの本番運用は可能か?という問いに対しては、技術的には可能である一方、AI時代は脆弱性の発見・悪用が高速化し、セキュリティパッチ適用を継続的に回し続ける運用がこれまで以上にボトルネックになり得るという意見が挙がりました。その現実的な打ち手として、OSSを軸にしつつも、商用サポートによる支援、SLAの担保、セキュリティアップデートへの追従、運用負荷の軽減を目的にNGINX Plusを併用する、といった“ハイブリッド”な考え方も共有されました。

また、OpenTelemetry標準化に関しては、「採用するかどうか」よりもどう使いこなすかに議論の重心が移っている印象でした。分散化・複雑化が進むAIシステムでは、ログだけ/メトリクスだけでは追い切れない場面が増え、トレースを軸に全体をつなぐ共通言語としてOpenTelemetryが標準候補として存在感を増している、という見方に共感する声が多く聞かれました。一方で、導入すれば自動的に可観測性が上がるわけではなく、属性設計、サンプリング、コスト管理、機密情報の扱いなど運用設計が成否を分ける点も重要な論点として挙がりました。標準化が進むほど「集める」ことは簡単になる一方で、「必要な形で使える状態に整える」ことが次の差別化ポイントになる。そんな示唆のあるやり取りが印象的でした。

株式会社インターネットイニシアティブ 友岡将紘様
株式会社インターネットイニシアティブ 友岡将紘様
F5 NGINX チーフアーキテクト Elijah Zupancic氏
F5 NGINX チーフアーキテクト Elijah Zupancic氏

AI時代に求められる現実的なアーキテクチャ

後半のセッションでは、NGINX OSS、NGINX Plus、OpenTelemetryを組み合わせた現実的な運用アーキテクチャについて紹介しました。

AIアプリケーションでは、APIトラフィックの増加だけでなく、可観測性、セキュリティ、SLAを総合的に考慮する必要があります。

OSSだけで実現できる部分と、商用製品を活用することで運用負荷を軽減できる部分を整理し、それぞれの特徴や使い分けについて解説しました。

本セッションで使用した資料は、以下よりダウンロード可能です。

資料ダウンロード

appworld nginx user event speaker

コミュニティだからこそ議論できるテーマ

今回のイベントでは、「OSSか商用か」という二項対立ではなく、AI時代に持続可能なインフラ運用とは何かを参加者全員で考える場となりました。

NGINXコミュニティでは、今後もAI時代のインフラ、API、セキュリティ、Observabilityなどをテーマに、現場の知見を共有できるイベントを開催していきます。

次回以降の開催案内は connpass(https://f5-nginx.connpass.com)でお知らせしますので、ぜひ事前にフォロー/参加登録をお願いいたします。

ご参加いただいた皆様、そしてパネルディスカッションにご登壇いただいたElijah Zupancic氏、株式会社インターネットイニシアティブの友岡将紘様に心より感謝申し上げます。

次回のコミュニティイベントでも、皆様とお会いできることを楽しみにしております。

本件及びご質問のある方は直接 Japan NGINX チーム までお問合せください。

F5ネットワークスジャパン合同会社が提供する製品の詳細は下記ページをご覧ください。

https://www.f5.com/ja_jp

https://www.f5.com/ja_jp/products/nginx