ハイブリッド・マルチクラウド環境のセキュリティ確保における課題
ハイブリッドマルチクラウドアーキテクチャは、今や最新のIT戦略の基盤となっています。2025 F5 State of Application Strategyレポートによると、94%の組織が複数の環境にアプリケーションを展開し、パブリッククラウド、プライベートクラウド、エッジコンピューティングの各ソリューションを組み合わせて、拡張性とパフォーマンスのバランスを取っています。オンプレミスシステムとプライベートクラウドおよびパブリッククラウド環境を組み合わせることで、固有の要件に適したリソースを活用し、ワークロードを最適化して、アプリケーション固有のニーズに対応しながら、ベンダーロックインを回避できます。
アプリケーションを確実に保護するには、複数のセキュリティツールを1つのソリューションに統合するプラットフォームアプローチが、現代の組織にとって最適な選択肢です。
ハイブリッドマルチクラウド環境のセキュリティ確保における課題
現代のアプリケーションはAPIを基盤として動作しているため、今日の組織は、ハイブリッドマルチクラウドの導入戦略に伴うAPIの急増に直面しています。残念ながら、APIの無秩序な増加はサイバーセキュリティ上の攻撃対象領域を拡大し、潜在的な脆弱性をもたらします。現在、平均的なアプリケーションポートフォリオの53%をAPIベースのモダンアプリケーションが占めており、今後10年以内にその割合は85%まで増加すると予想されます。AIアプリケーションによってセキュリティ要件が高まる一方で、APIは今後も増え続けると考えられます。
組織がハイブリッドマルチクラウド環境を導入し、拡張するにつれて、3つの現実が明らかになります。
- 最新のワークロードを導入するすべての組織にとって、サイバーセキュリティは最優先事項です。
- 従来のセキュリティアプローチでは、ハイブリッドマルチクラウド環境の動的かつ分散型の特性への対応が困難です。
- セキュリティを一元化し、クラウド、エッジ、オンプレミスの各システムを一貫して制御できるプラットフォームが不可欠です。
複数の導入環境にまたがるAPIベースのアプリケーションという新たな領域のセキュリティを確保することは、大きな課題です。従来のネットワークおよびアプリケーションセキュリティのアプローチやツールでは、ハイブリッドマルチクラウド環境に伴う複雑さとリスクに対応しきれないことが少なくありません。一方、セキュリティに対するプラットフォーム中心のアプローチは、統合された可視性、プロアクティブな保護、測定可能な効率向上を、デジタル主導の今日の組織にもたらします。プラットフォームアプローチにより、次のような重要な課題に対処できます。
統合されたオブザーバビリティの欠如
ハイブリッドマルチクラウド環境でオブザーバビリティを維持することは容易ではありません。アプリケーション、リソース、APIが、セキュリティ制御の一貫していない複数の環境にまたがることで、攻撃者に悪用される隙が生じます。エンドツーエンドのオブザーバビリティがなければ、すべてのエンドポイントを確実に監視し、脅威に迅速に対応することはできません。
拡大し、高度化する攻撃対象領域
ハイブリッドマルチクラウド環境では、セキュリティが不十分なAPI、設定に不備のあるクラウドストレージ、外部に露出したサーバー、脆弱なエッジシステムなど、攻撃ベクトルが増加します。AIアプリケーションがエッジへ移行し、一元化されたデータセンターからさらに離れるにつれて、サイバー攻撃のリスクは急増します。攻撃者は、自動化されたボットやAIを活用したエクスプロイトを利用して、こうした環境を探索し、攻撃を急速に拡大できます。
ツールの断片化
API保護とAPIゲートウェイ、ネットワークファイアウォール、ボット対策、Webアプリケーションファイアウォールにそれぞれ異なるツールを使用すると、環境全体で非効率や運用のサイロ化が生じます。組織は、一貫性のないセキュリティポリシーや重複する管理プロセスに悩まされることが多く、整合性のあるアプリケーションセキュリティ戦略を維持することが困難になります。
運用負担の増大
複数のクラウド、オンプレミスのデータセンター、エッジ環境にわたってセキュリティを導入、管理、監査するには、時間と専門知識が必要です。自動化と一元化がなければ、チームはスケーリングのボトルネックに直面し、セキュリティ制御を維持するために不要なリソースを費やさざるを得ない場合があります。
“プラットフォーム中心のアプローチにより、複雑さと非効率性を軽減しながら、包括的な保護を実現できます。環境ごとに個別のセキュリティツールを使用するのではなく、進化する脅威に適応できる統合ソリューションを提供します。”
プラットフォーム中心のアプローチでサイバーセキュリティ体制を強化
さまざまな環境やフォームファクターに展開できる、アプリケーションデリバリおよびセキュリティサービスの包括的なスイートを提供可能なプラットフォームを活用することが、場所を問わずアプリケーションを保護するうえで最も効果的な方法です。プラットフォーム中心のアプローチを採用することで、複雑さと非効率性を軽減しながら、包括的な保護を実現できます。環境ごとに個別のセキュリティツールに依存するのではなく、進化する脅威に適応できる統合ソリューションを提供します。
セキュリティプラットフォームは、さまざまな環境を一元的に制御し、オンプレミスのデータセンター、パブリッククラウド、プライベートクラウド、エッジシステムのセキュリティポリシーを統合できます。可視性を一元化することで、ITチームは単一のインターフェースから脅威を監視、特定、緩和できるため、アプリケーションを改修することなく、分散環境全体でセキュリティポリシーを一貫して適用できます。
さらに、AIと機械学習のワークロードが増大するにつれ、APIやデータパイプラインを標的とする脅威も深刻化します。堅牢なAPI保護とボット対策を統合したプラットフォームは、新たに出現するAIを悪用したエクスプロイトから保護できます。高度なAIインサイトを活用することで、高機能なセキュリティプラットフォームは、API攻撃やボットに起因する脆弱性が本番環境に入り込む前に阻止できます。
ハイブリッドマルチクラウド環境を運用する組織には、アプリケーションの要件に応じてセキュリティ対策を適応させ、機密データを扱うアプリのコンプライアンスを確保しながら、外部向けワークロードの拡張性を最適化できるプラットフォームが必要です。この多層型の適応型セキュリティアプローチでは、公開アプリ、社内アプリ、パートナーと共有するアプリのそれぞれに適した保護を適用します。さらに、運用の簡素化と自動化により、ポリシーの導入と適用を一元化して複雑さを軽減し、運用負荷を抑えながら、セキュリティを損なうことなくチームが規模を拡大できるようにします。
最後に、プラットフォーム型のアプローチでは、新たな脅威や変化するアプリケーション要件に対応するためのポリシー調整を自動化することで、総所有コストの削減を支援できます。分散したツールの管理は、ライセンス、運用、管理のコスト増加につながります。一方、一元化されたプラットフォームはセキュリティツールを統合し、全体的な支出の削減に加え、運用コストとインフラストラクチャコストの節減にも役立ちます。

F5 Application Delivery and Security Platform:現在と未来のためのセキュリティ
ハイブリッドマルチクラウド環境は、AI、エッジコンピューティング、コンテナ化されたエコシステムなどの技術進歩に伴い、絶えず進化しています。攻撃対象領域の拡大、ツールの分断、コンプライアンス上の障壁、運用のサイロ化により、従来のアプローチを持続することは困難です。組織にとって、セキュリティを後回しにしたり、場当たり的なアプローチに頼ったりする余裕はありません。適応力とイノベーションが不可欠なデジタルファースト時代において、統合セキュリティプラットフォームは、もはや単にあれば便利なものではなく、ビジネスに不可欠です。そこで役立つのが、F5 Application Delivery and Security Platform (https://www.f5.com/products/f5-application-delivery-and-security-platform) です。
F5 Application Delivery and Security Platform (ADSP)により、以下が可能になります。
- あらゆる環境に合わせた堅牢なセキュリティにより、安心してアプリケーションを拡張できます。
- 可視性を一元化し、脆弱性やコンプライアンス違反のリスクを軽減します。
- 組織のロードマップに合わせて進化する、適応型のAI搭載ツールにより、将来の変化に対応できる運用を支援します。
F5 App Delivery and Security Platformは、ハイブリッドマルチクラウドへの移行のどの段階にも対応します。現在も将来も、アプリケーションに必要な保護を、導入先を問わず柔軟に提供できます。
進化する脅威に容易に対処
F5 App Delivery and Security Platformは、すべてのアプリケーションとAPIに一貫した包括的なセキュリティを提供するために必要な重要なセキュリティツールを、単一の統合プラットフォームに集約します。必要な場所を問わず、エンドツーエンドのオブザーバビリティと、一貫したセキュリティポリシーの管理および適用を実現します。
F5 ADSPは、ハイブリッドマルチクラウドの導入によって拡大した攻撃対象領域に対応するため、あらゆる環境に拡張できます。複数環境の管理を簡素化し、セキュリティチームの負担を軽減します。また、統合された分析により、脅威の進化に応じて保護を強化し、パフォーマンスを確保するために必要な情報を得られます。
F5 ADSPプラットフォームは、あらゆる環境で、組織のニーズに応じたあらゆるフォームファクターのアプリケーションを保護できます。あらゆる段階でセキュリティを確保するF5にお任せください。


