HDI Sigorta、F5 ADSPでセキュアな成長に向けて拡張

HDI Sigortaは、ハイブリッド環境と、API主導でモダナイズが進むアーキテクチャ全体にF5のアプリケーションデリバリおよびセキュリティサービスを導入し、成長に向けた基盤を整えています。

HDI Sigortaは、厳格なデータ主権要件を満たす革新的なデジタルサービスを通じて、トルコのお客さまに保険を提供しています。ハイブリッドインフラストラクチャ全体でアプリケーション接続を実現する数百のAPIと約200社のパートナーとの関係を支えるため、同社はF5 ADSPを活用し、可視性と運用効率を向上させながら、お客さまにパフォーマンス、信頼性、セキュリティを提供しています。

ビジネス上の課題

HDI Sigortaは、トルコの個人および法人のお客さまに、財産保険、賠償責任保険、企業保険、運送保険、医療保険など、幅広い保険ソリューションを提供しています。800人を超える従業員が、15の地域拠点と全国数百か所の代理店を通じてお客さまを支援しています。また、現地の規制に準拠するため、政府機関との広範な連携も行っています。1996年に設立された同社は、2006年にHDI Sigortaとして事業を開始し、現在ではトルコの保険会社上位10社に数えられています。グローバルに展開するTalanx Groupの一員として、国際的な保険エコシステムの信頼性とガバナンスを活用しています。

規制の厳しいトルコ市場において、HDIは顧客中心のデジタルサービスに注力しています。イノベーションを加速し、運用のレジリエンスと継続性を確保するため、デジタルトランスフォーメーションへの継続的な投資を行っています。HDIが1日に処理する保険契約トランザクションは50万件に上り、多くの競合他社の50倍に相当するため、規模への対応が重要です。また、同社のアジャイルソフトウェアチームは、新機能やアップグレードを多いときには週2回リリースしており、自動化が不可欠となっています。同社のハイブリッドアーキテクチャは、2つのオンプレミスデータセンター(DC)と、アクティブ/ウォーム構成のDC/DRCトポロジーで運用される災害復旧センター(DRC)を組み合わせています。また、厳格なデータレジデンシー要件やその他のコンプライアンス要件を満たせるコールセンターなど、一部のユースケースではプライベートクラウド環境も選択的に採用しています。

2019年以来、HDIは、アプリケーションの配信とセキュリティ確保を支援するため、F5 BIG-IP Local Traffic Manager (LTM)、BIG-IP DNS、BIG-IP Advanced WAFを活用しています。これらのソリューションは、200を超える稼働中のAPI全体で1日あたり1億件を超えることもあるリクエストを処理しながら、一貫したパフォーマンスを提供します。

“F5のソリューションは、信頼性、拡張性、セキュリティに優れています。”

HDI Sigorta、アーキテクチャおよびインフラストラクチャ担当ディレクター、Kazim Cesur氏

HDI Sigortaのアーキテクチャおよびインフラストラクチャ担当ディレクターであるKazim Cesur氏は、次のように述べています。「APIは、HDIのデジタルエコシステムを支える基盤となっています。サービスや統合が増えるにつれ、APIはスピード、拡張性、接続性を推進する、ビジネスに不可欠なレイヤーへと進化しました」

モノリシックシステムからモジュール型のサービス指向アーキテクチャへの長期的な移行の一環として、HDIは2025年、分散型アプリとAPIのセキュリティを強化しながら、モダナイゼーションのロードマップを次の段階へ進めることを決定しました。

「この規模で運用するようになったことで、新たな優先事項が生じています」とCesur氏は述べています。「管理を維持し、リスクを低減するには、API全体をエンドツーエンドで可視化し、管理対象外のAPIやシャドーAPIを特定できることが不可欠になっています」

ソリューション

選択肢を検討した結果、HDI Sigortaは、クラウド環境への導入を支援し、F5 Application Delivery and Security Platform (ADSP)を拡張するために、F5 Distributed Cloud Servicesを導入しました。この決定では、F5の製品とサポートが備える安定性、信頼性、高いパフォーマンスに加え、HDIの現在のニーズと将来計画の両方に合致していることが判断材料となりました。

「他社のソリューションも評価しましたが、使いにくかったり、機能が異なっていたりしました」とCesur氏は語ります。「一方、当社はすでにF5ソリューションを利用しており、その拡張性と堅牢性を把握していました。また、チームもF5のデバイスとソフトウェアの管理方法をすでに理解していました。Distributed Cloud Servicesの新機能は有用で使いやすいものでした。そのため、F5を引き続き採用することにしました」

“F5の支援により、API環境全体の死角を大幅に減らし、脅威検知能力を向上させるとともに、新たなリスクに対して、より迅速かつ確信を持って対応できるようになりました。”

Altuğ Şahin氏、HDI Sigorta ネットワークおよびサイバーセキュリティ担当マネージャー

SaaSベースのDistributed Cloud Servicesの段階的な導入は、アプリケーションの可用性と事業のレジリエンスを強化するため、Distributed Cloud DNSから始まりました。Cesur氏は次のように述べています。「当社のデジタル保険サービスは極めて重要であり、処理するトランザクション量も多いため、DNSが単一障害点となる可能性を排除したいと考えました」。環境の拡大に伴って運用レジリエンスを向上させるため、セカンダリDNS機能の導入を戦略的に決定しました。

続いてDistributed Cloud API Securityを導入し、可視性を高めるとともに、分散化が進むAPI環境に対する管理を強化しました。このアプローチにより、HDIは管理、コンプライアンス、運用の一貫性を維持しながら、分散サービスのメリットを享受し、F5 ADSPの機能を追加してアーキテクチャを段階的に拡張できます。

成果

アプリの可用性、セキュリティ、信頼性を向上

F5 ADSPの導入により、HDIはダウンタイムをほぼゼロに抑えるよう設計されたアーキテクチャを構築し、お客さまへのデジタルサービスをより安定して継続的に提供できるようになりました。大規模環境での検査と脅威対策の強化に加え、予測可能性とレジリエンスに優れたトラフィック管理により、トラフィックのピーク時でも、運用上のインシデントや潜在的な攻撃によるサービス中断のリスクを軽減できます。

「昨年と比べて、キャパシティを3倍に拡大しました」とCesur氏は述べています。「今回のF5への投資により、パフォーマンスを犠牲にすることなく、安全な成長が可能になりました」

“F5ソリューションにより、HDI Sigortaは、現在の規模と将来の成長の両方に対応できる、高性能でレジリエントかつ将来を見据えたアプリケーションデリバリープラットフォームを構築できました。”

Hakan Şatır、最高情報責任者、HDI Sigorta

政府システムとの広範な連携により、HDIでは制御できない要因が稼働時間に影響する可能性があるものの、同社は通常、99%以上の高可用性でサービスを提供しています。

APIの可視性と制御を強化

Distributed Cloud Servicesの導入により、HDIはトラフィックの可観測性を向上させることができました。特にDistributed Cloud API Securityは、HDIのオープンソースAPIゲートウェイを補完しながら、APIの検出、セキュリティ、ガバナンスの機能を強化するとともに、アプリケーションとAPIそれぞれのトラフィックおよびセキュリティを明確に区別できるよう支援しました。

「F5の支援により、API環境全体の死角を大幅に減らし、脅威検知能力を向上させるとともに、新たなリスクに対して、より迅速かつ確信を持って対応できるようになりました」と、HDI SigortaのネットワークおよびサイバーセキュリティマネージャーであるAltuğ Şahin氏は述べています。「外部に公開されているすべてのサービスを確実に管理し、セキュリティを確保することで、当社のコンプライアンス体制が強化され、安全なデジタル成長を持続するための基盤が整います」

HDIチームはさらに、F5 iRulesを使用して、APIやDNSの設定を含むトラフィックをより高度に制御しています。

データ主権の要件に対応

F5 ADSPにより、HDI Sigortaは政府規制への準拠を維持しながら、俊敏なハイブリッドアーキテクチャを導入できます。データ主権要件の対象外となるアプリケーションとサービスには、Distributed Cloudソリューションが、SaaSベースのWebアプリケーションファイアウォール(WAF)による保護、APIの可視化とセキュリティ、DNSサービスを提供します。ローカル環境およびオンプレミスに保持する必要がある機密データとワークロードには、BIG-IPソリューションが、使い慣れたF5ダッシュボードを通じて、同等の保護、サービス、負荷分散を提供します。

“F5は数日で導入でき、スケールする際も数分でクラスターを追加できます。期待どおりに機能します。”

Kazim Cesur氏、HDI Sigorta アーキテクチャおよびインフラストラクチャ担当ディレクター

このハイブリッド導入モデルにより、HDIは、アプリケーションの配置場所を問わず、一貫したアプリケーションデリバリおよびセキュリティサービスを適用できます。これにより、機能、セキュリティ、運用効率を損なうことなく、要件を満たすことができます。

運用効率の向上

完全に統合されたアプリケーションデリバリおよびセキュリティレイヤーを導入することで、HDIは制御を一元化し、管理を簡素化しました。F5 ADSPは、同社のオンプレミス環境と分散環境全体でシームレスに動作し、運用の柔軟性とサービスの一貫性を高めます。また、変更が必要な場合や新しいデジタルサービスを導入する場合に、抜本的ではなく段階的な変革を支援します。

Cesur氏は次のように述べています。「F5は数日で導入でき、スケールアウトする際も数分でクラスターを追加できます。とにかく問題なく動作します。他社ブランドでは、すべてを再定義して再構成する必要があるため、F5よりも時間がかかるでしょう。中核となる保険システムの極めて重要なプロセスでは、時間の損失は金銭的な損失に直結します」

将来の拡張と戦略を支援

この導入により、HDIはサービスの中断やアーキテクチャの複雑化を招くことなく、大規模なデジタルトランスフォーメーションとインフラ刷新を進め、事業を容易に拡張できるようになりました。HDI Sigortaの最高情報責任者であるHakan Şatır氏は、次のように述べています。「F5ソリューションにより、HDI Sigortaは、現在の事業規模と将来の成長の両方に対応できる、高性能でレジリエントかつ将来を見据えたアプリケーションデリバリープラットフォームを構築できました」

将来を見据え、同社はアクティブ/アクティブアーキテクチャへの移行を進めるとともに、AIの活用を拡大しています。Cesur氏は次のように述べています。「F5は事実上、HDIのアーキテクチャを支える基盤レイヤーとなり、一貫性、パフォーマンス、制御性を確保しながら、重要なサービスを支えています。F5ソリューションは、信頼性、拡張性、セキュリティに優れています」

HDI Sigorta、F5 ADSPでセキュアな成長に向けて拡張のロゴ

メリット

  • アプリの可用性、セキュリティ、信頼性を向上
  • APIの可視性と制御を強化
  • データ主権に関する要件に対応
  • 運用効率の向上

課題

  • トラフィックの急増と200を超えるAPI
  • 進化し続けるサイバーセキュリティの脅威
  • 厳格なデータ主権要件
  • 長期的な拡張性