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F5最新調査:大多数の企業は AI 導入へ準備不足 セキュリティとガバナンスの課題が、全社的な導入を妨げていることが明らかに

Published August 04, 2025

CONTACTS

F5 広報事務局
(共同ピーアール株式会社)大塚、勝呂
F5-pr@kyodo-pr.co.jp

  • 「F5 2025年版 AI アプリケーション戦略状況レポート」によると、平均25%のアプリケーションがAIを活用しているが、AI導入に向けた基盤の構築が整っていると評価される企業はわずか2%。

  • 77%の企業は、AI導入に向けた準備が中程度と評価されているものの、セキュリティとガバナンスの面で大きなハードルに直面している。

  • 71%の企業・組織が、AIをセキュリティ強化に活用するなか、AIファイアウォールの導入率はわずか31%にとどまる。

アプリケーションのデリバリーとセキュリティを担うグローバルリーダーであるF5 (NASDAQ: FFIV) は、「2025年版 AI アプリケーション戦略状況レポート (2025 State of AI Application Strategy Report)」を発表しました。この最新版のレポートでは、組織の運営全体でAIを安全に実装する基盤を整えているグローバル企業が、わずか2%にとどまることが明らかになりました。なお、本レポートは、年間売上高2億米ドル以上の企業・組織を代表する650名のグローバルITリーダーから寄せられたインサイトに加え、150名のAI 推進担当者を対象とした追加調査をまとめたものです。

 

2025年版のレポートは、現在の企業におけるAI導入の対応状況と合わせ、新たなイノベーションに適切なスピードで対応する能力を測る上で、厳しい現実を突きつける内容となっています。最も注目すべきなのは、AI導入に関し、77%の企業が中程度の対応力を示しているものの、大多数はリスクにさらされており、十分なガバナンスや複数クラウドにまたがる横断的なセキュリティ体制を整えていないことです。一方、21%の企業はこうした準備において不十分なカテゴリーに分類され、AIが産業を変革する中で、優位性を発揮できていないことが示されました。

 

調査では、企業におけるAIの活用が急速に拡大している傾向も明らかになりました。全体として、中程度の準備が整った企業・組織のうち、70%が生成AIを実際に活用しており、残りの企業・組織もほぼすべてがAIの利用準備を進めています。さらに、平均で25%のアプリケーションがAIを活用しています。高度に準備が整った企業・組織では、高い割合でAIを活用しており、ポートフォリオ全体への浸透が期待されています。また、準備が不十分な企業・組織では、AIの利用はアプリケーションの25%未満にとどまっており、サイロ化された環境や実験的な設定での利用が中心となっているようです。なお、準備が中程度の組織では、現在アプリケーションの約3分の1にAIが導入されています。

 

また、同レポートでは、AI 導入に取り組む企業における最新動向が概説されています。調査回答者の約3分の2 (65%) が2つ以上の有償モデルと少なくとも1つのオープンソースモデルを利用。平均的な企業・組織は3つのモデルを利用しており、複数モデルの利用は、複数の環境や地域でのデプロイメントと相関しています。現在使用されているモデルの過半数は、GPT-4 などの有償モデルですが、オープンソースを活用するとの回答も一定数確認されています。中でも、上位に挙げられたオープンソースモデルは、Meta Llama バリエーション、Mistral AI バリエーション、およびGoogleの Gemma となりました。

 

F5のチーフ・プロダクト&コーポレート・マーケティング・オフィサーであるジョン・マディソン (John Maddison) は、次のように述べています。「AIがビジネス戦略の中核となるなか、準備を整えるには試行錯誤を超えた取り組みが求められます。つまり、安全性、拡張性、そして整合性が求められるのです。今回のレポートは、企業・組織が自信を持ってAIを運用するための具体的なステップに焦点を当てています。AIは既にセキュリティ運用に変革をもたらしていますが、成熟したガバナンスと専用に設計された保護機能が欠如していると、企業は拡大する脅威に直面するリスクを背負う可能性があります」。

AI導入におけるサイバーセキュリティ上の課題

「2025年版 AI アプリケーション戦略状況レポート」は、AI をスケールする際に発生する重要なサイバーセキュリティ上の懸念を指摘しており、AIワークロードのセキュリティを確保するという複雑な工程において、企業・組織の対応能力に懸念すべき傾向が見られることを浮き彫りにしています。同レポートで指摘されているサイバーセキュリティ上の主な傾向は、以下の通りです:

 

·         企業・組織は、AI を有効なサイバーセキュリティ資産と捉えている:全回答者の71%が既にAIをセキュリティ強化に活用。

·         AIに特化した保護措置が不足:AI 導入への準備が中程度とみなされる企業・組織のうち、AI ファイアウォールをすでに設定しているのはわずか18%で、1年以内の導入を予定しているのは47%。

·         データガバナンスの弱点:正式なデータラベリングを実施している組織はわずか24%にとどまり、透明性の低下と増大する攻撃のリスクに直面している。

·         複数クラウド環境における一貫性の欠落:ハイブリッド環境はガバナンスのギャップを生み、ワークフローとデータが脆弱性にさらされるリスクを高めている。

·         攻撃対象領域の拡大多様なAIモデルの活用は、オープンソースツールに対する適切な制御フレームワークが欠如している場合、リスクを拡大させる。

 

 

AI 導入の準備強化に向けた提言

今回のレポートでは、セキュリティとインフラの整合性など、6つの要因を測定する「AI 準備指数 (AI Readiness Index)」というフレームワークを採用しています。F5では、企業がAIの拡張性とセキュリティを強化するにあたり、主要なアクションを次のようにまとめています:

·         AIモデルの多様化:有償とオープンソースのAIツールを併用し、ガバナンスを強化し、リスクを軽減する。

·         AIの活用をワークフロー全体に拡大:試験プロジェクトを超えて、AIを運用、分析、セキュリティに組み込み、企業全体での変革を実現。

·         AIに特化したセキュリティの統合:AIファイアウォールなどの保護措置を導入し、データラベリングを含むデータガバナンスプロセスを正式化して、ワークフローを保護。

 

AI導入への対応力が高い企業・組織は、効果的な拡張、リスクの軽減、イノベーションの戦略的な活用を実現することが可能です。成熟したフレームワークを持たない企業・組織は、業務のボトルネック、コンプライアンス上の課題に直面し、成長が阻害される可能性があります。「AI 準備指数」は、企業が進捗度合いを確認し、安全かつ拡張性のあるAI導入に向けた具体的なアクションを実行するためのロードマップとなります。

 

関連リソース(いずれも英語)

The State of AI Readiness: Moving from Ambition to Architecture

Accelerate AI: An In-Depth Look at Industry-Leading AI Innovation from F5

Accelerate AI Details

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