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ソリューションの概要

API管理のベスト プラクティスとソリューション

F5が提供する高速、安全、スケーラブルなAPIゲートウェイと管理ソリューションにより、常に開発者が主導権を握ることができます。

API管理ソリューションの図

APIは、クラウドネイティブのコンテナ化されたアプリケーションを開発する際の基本的な構成要素です。APIにより、運用チームが連携して作業できるようになることで、アプリケーション開発における市場投入までの期間が短縮され、競合他社よりも優れたユーザー エクスペリエンスを提供できます。その反面、APIを使用すると、アプリケーションの構造が分散化され、APIの設計、公開、管理が難しくなり、複雑でリスクにつながりやすい管理上の課題が生じます。トラフィックとポリシーを高性能で自動制御できなければ、APIの増加と複雑化により、開発の俊敏性は低下するでしょう。

F5は、シンプル、高速、かつスケーラブルなアーキテクチャを使用して、あらゆるデータ センターやクラウドでAPIを安全に管理する包括的なソリューションを提供します。これにより、APIの導入と管理を自動化し、市場投入までの期間を短縮するとともに、API固有の脅威から保護することができます。F5は、クラウドネイティブのAPI管理、高性能のAPIゲートウェイ、セキュリティ管理のすべてを1つのソリューションで提供し、ツールの乱立とアーキテクチャの複雑化を抑制します。

主なメリット

API中心のセキュリティ

APIゲートウェイでは実現できない、一般的かつ高度なAPIに固有の脆弱性から保護

クラウドネイティブのマイクロサービスAPIアーキテクチャ

エッジ プロキシ、Kubernetes、イングレス ゲートウェイ、サーバーレスなど、あらゆる導入設計やアーキテクチャにシームレスに統合

統合されたAPIデリバリ ソリューション

セキュリティとゲートウェイの統合により業務効率を向上

DevOps/AppDevで使いやすい

DevOpsチームの俊敏性を損なわずにセキュリティ確保、自動化、構成管理を実現し、低コストで市場投入までの期間を短縮

エンタープライズAPI管理の課題を理解する

アプリケーション開発は急速に進み、イノベーションが私たちの交流の在り方を変え続けています。分散型コンテナは複雑であるため、スピードを重視することで、時として、セキュリティとインフラストラクチャの制御におけるAPIの管理と強化が疎かになります。マイクロサービス間のデータ交換にAPIが使用されることが増えているため、残念なことに、APIが、機密データの漏洩につながる潜在的な脆弱性となりつつあります。これは、すべてのAPIエンドポイントに、少なくとも最低限の標準化されたリスク対策、構成、ポリシーの実施が必要であることを意味します。しかし、API公開の自動化により、ユーザーとの対話や監視といった従来の要素が排除されるため、APIの価値を高めるための動きが、同時にAPIをより脆弱にしているのです。

ほとんどのAPIゲートウェイには、大規模管理のための適切な制御機能が欠如しています。

APIゲートウェイは通常、プラットフォームやマイクロサービス クラスタへのAPIの公開を管理するために設計されています。使いやすさと自動化が採用の主な理由ですが、それはアプリケーション ポートフォリオの成長に合わせて、プラットフォームに依存せずに、API相互接続を拡張して顧客のトラフィック要求に応えることが難しいためです。このことが、特に注目を集めたAPIデータ流出の原因がAPIの設定ミスとセキュリティの不備にあった理由も説明しています。

DevOpsによって自動化パイプラインの数が増え、開発者やアプリケーションの要件を満たすために、それぞれ異なるツールが必要となります。こうしたシナリオでは、APIのトラフィック パターンと管理インスタンスが連携せず、可観測性ソリューションも連携していないため、さらに複雑になります。残念ながら、開発チームやDevOpsチームがリリース頻度を評価されることはあっても、リリースのセキュリティを評価されることはあまりありません。

その結果、企業はAPIの増加を管理することに大規模に失敗し、未承認のAPIが使用されることで意図しない新たなリスクと漏洩が発生します。APIのセキュリティに関するOWASP Top 10では、これらが頻繁に発生している脅威に挙げられています。

また、APIは大規模なトラフィックを管理する際にパフォーマンスの問題に直面します。トランザクションの50~100ミリ秒の遅延は、アプリケーションの最初のロールアウト時には許容されるかもしれませんが、顧客の需要に応じてスケーリングする何百、何千ものマイクロサービスでは、これらの遅延が積み重なってアプリケーション チェーン全体が遅くなります。その結果、パフォーマンスが低下し、顧客の期待が裏切られることになります。

初期開発から本番導入まで、エンタープライズ アプリケーション ポートフォリオ全体でAPIエンドポイントへのアクセス、設定、セキュリティを自動化することで、DevOpsはパフォーマンスと潜在的な脆弱性に大規模に対処できるようになり、他の自動化パイプラインの問題に専念できます。

マイクロサービスAPI環境における制御の一貫性の欠如

クラウドネイティブなアプリケーションは、設計上、分散化と非集中化がますます進み、数千とは言わないまでも数百のAPIベースのエンドポイントに依存し、主要なトラフィック ソースとなるトランザクションは数百万に及びます。F5 Labsの最近の調査によると、APIセキュリティ インシデントの数は年々増加しており、過去2年間で最も頻繁に発生したAPIインシデントは、その原因がセキュリティ成熟度の低さに関係し、多くの場合、ツールの乱立が原因だったことがわかっています。

複数の開発チームが複数のプラットフォームで分散型アプリケーションの異なる部分を担当する場合、API管理が複雑になり、結果としてアプリケーションの安全性とパフォーマンスが低下します。導入の失敗、パフォーマンスの低下、機密性の高いトラフィックへの悪意のあるアクセスなどが問題となり、その場合、原因を特定することはおろか、修正することも困難です。この複雑さを大幅に抑えることで、リスクを減らし、ビジネス目標に合わせて最適化された設定、パフォーマンス、セキュリティの一貫した一連のポリシーを提供することができます。APIの開発と管理プロセスの適切な制御を自動化するための標準的なツールセットをDevOpsが持つことで、アプリケーションをビジネスとともに成長させることが可能になります。

ソリューション

企業は、従来のAPIを維持/進化させながら、クラウドネイティブのマイクロサービス アーキテクチャを使用して新しいAPIを開発しなければなりません。これらは、ベア メタルのプライベート システム、クラウド、またはマルチクラウド トランジット ソリューションから提供することができます。APIは、さまざまなユーザー エクスペリエンスの提供に使用され、それぞれが開発、公開、セキュリティ管理の異なるセットを必要としかねないため、分類することは困難です。F5 NGINXソリューションは優れた柔軟性を備え、さまざまな使用事例やアーキテクチャ パターンに対応し、あらゆる開発チームの要件に応えることができます。

Futuriomは、クラウド市場動向レポートの中で、「APIはデータ センターやSD-WANの仮想化において重要な要素であり、複数のマルチクラウド ネットワークをつなぐためにますます重要になる」と報告しています。

API管理/公開の一般的な使用事例

以下のすべてのソリューションにおいて、F5 NGINX ControllerはAPI管理機能に使用されています。こうした機能には、APIの公開、認証と承認の設定、F5 NGINX Plusで提供されるAPIゲートウェイを使用したデータ パスの構築などがあります。セキュリティ管理は、データおよびAPIデリバリ プラットフォームのセキュリティ要件に基づいて行われます。

1. 規制の厳しいビジネスのためのAPI

機密情報や規制情報の交換を伴うビジネスAPIでは、追加の規制や業界の義務に準拠するための管理、報告、セキュリティ管理が必要になる場合があります。例えば、保護対象の医療情報や機密性の高い金融情報を提供するアプリケーションは、業界固有の基準を満たす必要があります。ポリシーの実施、監査可能なロールベースのアクセス制御、分析、大規模なペイロード検査は、こうしたAPIを管理し、保護するための重要なメカニズムになります。

アプリケーション インターフェースのための業界をリードするAdvanced Web Application Firewall(WAF)技術と、F5 NGINX Plus APIゲートウェイおよびF5 NGINX App Protectを組み合わせることにより、境界、API、マイクロサービスの保護を強化し、ミッション クリティカルな可用性とパフォーマンスを実現します。

2. マルチクラウド分散型API

世界中のユーザーにサービスを提供するモバイル アプリケーションでは、低レイテンシのAPIレスポンスを提供するために地理的に分散されたバックエンドが必要です。その他のアプリケーション サービスも分散させて、大量のトランザクション ワークロードをコンシューマやデータの近くに移動してパフォーマンスを向上させる必要がある場合があります。レスポンス タイムを最適化するには、ユーザー ベースにサービスを提供するために、複数の場所からAPIエンドポイントのデリバリをオーケストレーションする分散型プラットフォームが必要です。

F5 NGINX Plusは、プラットフォームに依存しないAPIゲートウェイ、ロードバランシング、セキュリティ機能を提供します。F5 NGINX Controller API管理モジュールと一緒に導入することで、DevOpsチームとAppDevチームは、高性能、安全、かつ大規模にAPIを自動公開できます。

F5 Distributed Cloudマルチクラウド ネットワーキング ソリューションは、分散環境に高度なマルチクラウド接続を提供するために、NetOpsをターゲットとしたネットワーク インフラストラクチャの課題をアプリケーションの導入から切り離します。DevOpsは、IPアドレスの重複や複雑なルーティングの設定から解放され、開発準備の整ったインフラストラクチャを瞬時に提供することに集中できます。マルチクラウドの課題を解決するために、F5のDistributed Cloud ServicesNGINXの導入の使用事例をお試しください。

3. KubernetesにおけるAPIワークロード

F5 NGINX Ingress Controllerは、Kubernetesのマイクロサービス向けのロードバランサー、キャッシュ、APIゲートウェイ、WAFをオールインワンで提供する製品です。常に無料のF5 NGINX Service Meshと組み合わせることで、DevOpsはAPIの開発と導入を管理できます。NGINX Ingress Controller for NGINX Plusは、導入しやすい単一構成でNGINX App Protectとと完全に統合されており、本番グレードのアプリケーションのコストと複雑さを軽減します。NGINX Service Meshは、ワークロードの東西の可視性とmTLSベースのセキュリティを提供するために使用されます。

NGINX Ingress Controller for NGINX Plusは、NGINX Service Meshと統合され、本番グレードのセキュリティ、機能性、規模を備えた統合データ プレーンを実現します。NGINX Service Meshは軽量で、クラスタ内のレイヤ7のアプリケーション トラフィック管理に特化しており、ユーザーの負担にならず、その他の技術スタックが複雑になることなく、そのまま実行することができます。

まとめ

F5のソリューションは、プラットフォームや自動化アーキテクチャに関係なく、APIとそれをホストするためのインフラストラクチャを提供、管理、保護します。F5は、DevOps統合によりAPIを公開し、そのパフォーマンスを可視化することで、ボットや頻発するAPIの高度な悪用に対する強力な防御策を提供します。これらのソリューションを組み合わせることで、導入する場所を問わずアプリケーションの移植性を確保するという目標を達成し、ワークロードを顧客の近くに移すことができます。

クラウドホスティングかオンプレミスかにかかわらず、開発チームと運用チームが業務に適した環境を自由に利用できるようにすることで、現在のビジネスをサポートするために必要な俊敏性を確保し、さらには移動が必要になったら移動できる移植性をアーキテクチャに備えることで、将来のビジネスをサポートするための汎用性を実現します。

詳細は、『F5 NGINXリアルタイムAPIハンドブック』をご覧ください

主な特長

APIの定義と公開:直感的なインターフェースでAPIを定義
  • ベース パスとバックエンド サービスを定義
  • APIを適切なバックエンド サービスにルーティング
  • APIのバージョン管理
  • OpenAPI規格に準拠したAPIのインポート
  • 本番環境やステージング環境など、1つまたは複数の環境にAPIを公開可能
  • APIゲートウェイの構成
  • セキュリティ ポリシーの構成
  • マイクロサービス アーキテクチャでの導入と実行
レート制限:レート制限を設定することにより、DDoS攻撃を緩和し、アプリケーションを保護
  • クライアント、コンシューマ、リソースごとに最大リクエスト レートを指定
  • APIエンドポイントを保護し、APIコンシューマのSLAを確保
  • 複数のレート制限ポリシーを定義
リアルタイムの監視とアラート:APIパフォーマンスに関する重要なインサイトを収集
  • レイテンシやレスポンス時間などの主要指標をグラフ化
  • 1秒あたりのリクエスト数、アクティブな接続数、帯域幅使用量など、ゲートウェイ固有の指標を活用
  • CPU使用率、4xx/5xxエラー、ヘルス チェックでの障害など、100以上の指標について、あらかじめ設定したしきい値に基づいてアラートを表示
  • REST APIを使用して、任意の監視ツールと容易に統合可能
認証と承認
  • JSON Web Token(JWT)の検証
  • コンシューマ向けAPIキーの作成と管理
  • 外部システムからAPIキーをインポート
  • APIコンシューマとの共有
  • APIクライアントのグループにポリシーを適用
ダッシュボード:APIゲートウェイの監視とトラブルシューティングを速やかに実施
  • APIゲートウェイ全体の指標を集約した概要ダッシュボード
  • 成功したリクエストとタイムリーなレスポンスを測定するアプリケーション ヘルス スコア
  • お客様の環境に特化した指標を監視できるカスタマイズ可能なダッシュボード

次のステップ

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