エージェントとAIが連携し、より良い成果を実現

F5エコシステム | 2025年2月19日

エージェント型AIは、コードと大規模言語モデル(LLM)を相乗的に組み合わせたものです。

Agentic AIが大きな注目を集めています

2024年、AIエージェントは測定可能なビジネス価値を生み出し始めました。その事例は、小売、医療、製造などの業界だけでなく、営業、カスタマーサービス、サポートなど、業界を横断する業務機能でも容易に見つけることができます。化粧品小売企業のSephoraは、エージェント型AIを活用している企業の1つです。リアルタイムの顧客情報に、実際の使用結果や過去の顧客フィードバックを組み合わせ、より的確な製品を推奨することで、スキンケア体験の水準を高めています。同社は、顧客とのやり取りのたびに、体験全体を自動化し、パーソナライズしています。その結果、製品の返品を30%削減しながら、売上を11%伸ばしました。

AIエージェントの価値は、ソフトウェアとLLMを活用し、人の介在を減らして、あるいは介在なしで複数のタスクを自動化できる点にあります。では、こうしたエージェントとは具体的に何であり、AIをどのように活用しているのでしょうか。

AIエージェントとは?

エージェントとは、特定のタスクを実行するソフトウェアです。特定のトピックについてWeb検索を行ったり、ほかでは入手できないドメイン固有の情報で強化されたLLMに問い合わせたりするなど、1つの処理に特化したエージェントもあります。一方、ユーザーのリクエストを一連のタスクに変換し、それらを完了するようワーカーエージェントをオーケストレーションすることに特化したものもあります。オーケストレーションと実行のどちらを担う場合でも、エージェントは明確な指示に従い、決定論的に動作します。ここにAIは関与しません。各エージェントには、実行に必要なすべての情報と実行のタイミングがあらかじめ定義されています。ソフトウェアは魔法のようですが、AIの魔法ではありません。

エージェントの活用例として、複数のステップを連携させ、リピーター顧客にパーソナライズしたタイムリーな見込み客開拓メールを送信するといった、より大きなタスクを完了するケースがあります。このプロセスは、より小さな個別のアクションに分割できます。各アクションは、その目的に合わせて事前にコーディングされた単一の専用エージェントで容易に実行できます。たとえば、過去7日間の顧客とのやり取りをマーケティングリードデータベースで照会し、過去90日間のやり取りの回数が多い順にCustomer Relationship Management(CRM)システムから上位3件のメールアドレスを抽出し、最新のセールスキャンペーンに基づく定型メールを各アドレスに送信します。これらのアクションにAIが必ずしも必要なわけではありません。

エージェント型AIにおけるAIとは?

LLMが提供するGenAIは、従来の検索よりも多くのコンテキストを踏まえ、より充実した回答につながるパターンをデータソースから見つけ出せます。また、テキストの要約、分析、生成を通じて、情報をより簡潔で有用な形に作成または再構成することも可能です。LLMの出力は決定論的ではないため、LLMの活用はプロセスに魔法を加えるようなものです。これらのモデルは、これまでに発明されたどのコンピューティング手法にもない速さで、求めるパターンを見つけ出します。その結果は、人間には一種の推論のように見えます。過去2年間で、LLMの出力品質は「まあまあ」から「目を見張るレベル」へと向上しました。では、エージェント型ソリューションでGenAIを採用すべきタイミングは、どのように判断すればよいのでしょうか。

見込み客開拓メールの例を続けると、最小限のパーソナライズを施したメールテンプレートも使用できますが、テキスト生成用に設計された優れたLLMだけでなく、過去の購入履歴やニーズに関連する顧客固有の非公開情報にもアクセスできるAIが生成したメールの方が、明らかに優れています。そのことを示すのが、Epsonに導入されたConversicaソリューションです。 自律的かつ反復的なアクションを実現するこのエージェント型AIソリューションで特に効果的な機能は、1)継続的に双方向のメールでやり取りできること、2)受信者が希望する時間帯にメールを送信できることの2つです。

エージェント型AI――組み合わせによる効果

エージェント型AIは、タスクを実行する極めて具体的な指示コードとAI推論を組み合わせ、豊富なコンテキストに基づく回答を生成または予測します。エージェント型AIは魔法ではありませんが、エージェントや生成AIを単独で運用するよりも強力です。この2つの構成要素をさまざまな比率や組み合わせで構成し、ワークフローを自動化することで、非常に価値の高い成果を生み出せます。以下は、自動化されたエージェント型AIのワークフローを示す簡単な図です。複数の種類の特化型エージェントとAIモデルを使用して、一連のアクションを完了します。許容可能な結果が得られるまで処理を実行し、その結果をユーザーに返します。

エージェント型AIのワークフロー図。

自動化されたエージェント型AIワークフローの例。

LLMの推論能力とエージェント型プラットフォームの開発が引き続き進むなか、2025年も2024年に劣らず刺激的な年になりそうです。少し前まで、LLMは信頼できないという見方が主流でした。今年は、「エージェント型AIが推論によって人間より優れた答えを導き出せるはずがない」といった意見が目に見えて減る年になるかもしれません。エージェントとAIがともに成熟し、進化していく今年、注目すべき点は次の3つです。

  1. エンタープライズサービスバス、オーケストレーション、オブザーバビリティ/トレーシングの各モジュールを含む、新たなエージェント型AI開発プラットフォームの登場。
  2. エージェントとAI間の通信、および公開・非公開データソースへの安全なアクセスに必要なインターフェースを標準化するMCPなどの標準の登場。
  3. LLMの推論能力の進歩。

2025年を通じて、エージェント型AIのイノベーションは、これら3つの方向性のいずれかで急速に進展する可能性があります。これらの観点からエージェント型AIプラットフォームに関する各社の発表を比較することで、新機能がプラットフォームの成熟、統合作業の軽減、AIによる認知能力の実現のうち、どれに寄与するのかが明確になります。

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タグ: 2025, Generative AI

著者について

James Hendergart
James Hendergartテクニカルリサーチ担当シニアディレクター | F5

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