制約のないアプリケーション:IT予算の最適化

F5エコシステム | 2016年1月25日

年末を迎え、業界誌や識者、アナリストから恒例の予測や見通しが相次いで発表されました。その中には、数値をふんだんに盛り込んだ2016年のIT予算予測もありました。

いずれも特に目を見張るような内容ではありませんでした。IT予算は少なくとも増加に向かう兆しを見せ始めているというのが大方の見方のようですが、依然として多くの人が予算上の制約を障壁と捉えています。

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この自明の理が現実のものとなっていることは、F5自身も確認しています。最新の「State of Application Delivery」調査に回答したお客さまの41%が、セキュリティ予算の不足をセキュリティ上の課題の上位5つの1つとして挙げています。また、最新のCSC調査では、CIOの半数以上が、予算上の制約はイノベーション全般を阻む要因であると回答しています。

もちろん、イノベーションを一気に加速させ、IT部門が単に事業を支えるために予算を消費するのではなく、事業に収益をもたらすという目標を実現できるようにするには、この制約を緩和する必要があります。

しかし、昔から言われるように、言うは易く行うは難しです。

これを実現するには、CIOは、運用、セキュリティ、アプリのデプロイなど、予算の中核領域を最適化できる環境を整備し、そのような文化を醸成する必要があります。こうした最適化によってコストを削減できれば、その分を収益につながるイノベーション重視のプロジェクトに振り向けられます。また、支出そのものを増やす必要性を抑えられれば、予算の増額分をイノベーションに集中させることができます。

これは最終的に、あらゆるDev(ここにIT部門のサイロ名を挿入)Opsを含むDevOpsを取り入れることを意味します。

  • 運用の最適化
    DevOpsを象徴するフレーズの1つに「Infrastructure as Code」があります。これには、組織の60%が平均10種類のアプリサービスを利用して、アプリの高速性、セキュリティ、可用性を確保するためのネットワークインフラも含めることができます。いえ、含めるべきです。APIとテンプレートを活用すれば、アプリサービスの自動化と管理が可能になり、コストを削減するとともに安定性を向上させ、損失につながるダウンタイムを減らすことができます。そこで得られたコスト削減分をイノベーションに振り向けられます。
  • セキュリティの最適化
    クラウドとオンプレミスの両方で、セキュリティは引き続き重要な課題です。セキュリティ予算は増加していますが、ハイブリッド化が進む環境のガバナンス維持に懸命に取り組む担当者にとって、依然として悩みの種となっています。セキュリティ制御、ポリシー、サービスの分断が進むにつれ、コストを増大させることなく良好なセキュリティ態勢を維持することが難しくなっています。セキュリティを最適化し、増大するセキュリティコストに対処する方法の1つは、オンプレミスとクラウドの両方で使用できる標準化されたポリシーテンプレートを備えた共通プラットフォームに統合することです。これにより、トレーニングや管理にかかるコストに加え、異なる環境で設計されたポリシーが企業ポリシーに実際に準拠していることを確認するために必要な二重、三重のレビューに伴うコストも削減できます。
  • アプリのデプロイを最適化
    最後に、アプリケーション中心の多くのアプリサービスを利用するメリットの1つは、同じサービスを設計、アーキテクチャ設計、開発する必要性を軽減できることです。スケーラビリティ、アプリセキュリティ、ID管理、さらにはパフォーマンスを向上させる多くのサービスを開発部門から運用部門(ネットワークインフラストラクチャ)に移行することで、開発部門は開発に、運用部門はデリバリーに専念できます。車輪の再発明が必要な場合もありますが、実際にはほとんどありません。既存のプラットフォームで利用可能な既存のサービスを活用すれば、運用コストと開発コストの両方を削減し、その分をイノベーションに振り向けることができます。

イノベーションに対する予算上の制約は、ますます大きな懸念となっています。しかし、現在の予算を最適化する方法を積極的に模索しない限り、日々の「システムを稼働し続ける」ためのコストが下がることはありません。DevOps、共有プラットフォーム、クラウド、標準化は、最適化によるコスト削減に本格的に取り組み、その成果としてイノベーションにより多くの予算を充てるうえで、CIOにとって有効な手段となり得ます。

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タグ: 2016

著者について

Lori Mac Vittie
Lori Mac Vittie特別技術者兼チーフエバンジェリスト | F5

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。

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