概要
悪意のある攻撃は規模と複雑さを増しており、世界中の企業で内部リソースの処理能力を超過させ、侵害する脅威となっています。多くの場合、こうした攻撃では、自動化されたボットネットや人間が操作するツールを利用し、大量のトラフィックと、検知を逃れながら低速で継続的にアプリケーションを狙う攻撃手法を組み合わせています。
こうした攻撃の頻度とサービス停止によるコストが増大し続ける中、攻撃を緩和する包括的かつ多層的な防御は、事業継続に不可欠となっています。絶えず変化する脅威に対抗するため、世界中の企業には、技術リソース、インフラストラクチャ、高度な防御ツールを備えた先進的なクラウドベースの緩和対策が必要です。
DDoS攻撃は激化の一途
F5 Labsの記事「2020年のDDoS攻撃の傾向」から、大規模なボリューム型分散サービス拒否(DDoS)攻撃を仕掛けるために必要な能力が、かつてない速さで変化し続けていることが明らかです。F5 Silverlineが長年にわたり観測してきたDDoS攻撃の規模は着実に拡大しており、ピーク時に毎秒約500ギガビット(Gbps)に達した攻撃が複数回記録されています。2020年初頭以降、大規模攻撃の頻度は増加しています。そして2021年6月には、840 Gbpsの攻撃を緩和したという新記録が樹立されました。
F5 Silverlineが収集したデータによると、2021年には、悪意のある攻撃者がDDoS攻撃1件あたり平均2.7種類の攻撃ベクトルを利用しています。主なDDoS攻撃ベクトルは次のとおりです。
- TCP/SYNフラッド
- UDP DNSリフレクション
- UDPフラッド
- IP/UDPフラグメンテーション
- CHARgenリフレクション
大規模なマルチベクトルDDoS攻撃を容易に仕掛けられるようになる中、2021年6月の記録は長くは続きませんでした。2021年7月、F5 Silverlineは複数の攻撃を緩和することに成功しました。これらの攻撃は、合計でピーク時に約1.2テラビット/秒(Tbps)に達しました。そのうち最大のDDoS攻撃は、以下のグラフに示すように、ピーク時に約1.15 Tbpsに達しました。

リアルタイムDDoS防御
今日のDDoS攻撃は、予期せぬ規模へ急速に拡大し、前触れなく発生します。そのため、こうしたインシデントを緩和するには、迅速な対応とコミュニケーションに加え、誤検知を最小限に抑えながら、お客さまに詳細な可視性を提供することが不可欠です。
この記録的な1.15 Tbpsの攻撃は、主にUDPフラッドによって大規模なトラフィックを発生させると同時に、お客さまの/24クラスCサブネット内のすべてのIPを標的としていました。DSTホストごとにF5 Silverline独自のトラフィックアクショナー、コレクター、検知メカニズムからアラートが発せられ、F5 Silverline Security Operations Centerチームは直ちに対応を開始しました。これらの通知とアラートは、ほぼリアルタイムでF5 Silverlineの24時間365日体制のSecurity Operations Centerに報告されました。
この攻撃では、悪意のある攻撃トラフィックが1分足らずで0から800 Gbpsに急増し、約250のターゲットを同時に攻撃しました。F5 Silverline Security Operations Centerはお客さまと速やかに連絡を取り、特定のホスト/ポートではUDPトラフィックが想定されていないことを確認したうえで、主な対策としてUDPプロトコルと関連するポート範囲をブロックしました。
F5 Silverlineのインシデント対応は、各お客さまのリアルタイムインシデント手順(RTIP)に基づいています。F5 Silverlineは、お客さまの重要な資産に対する防御態勢を継続的に微調整し、最適化します。これには、アプリケーションセキュリティ(L7 DDoS、WAF、IPI)とインフラストラクチャ(L3/L4ボリューム型DDoS)の両方の防御レイヤーが含まれます。
この攻撃の緩和に成功した後、F5 SilverlineはBGP Flowspecを使用し、グローバルに分散されたF5 SilverlineのIP Anycastネットワーク内のさらに上流で追加の対策を適用しました。
“F5 Silverlineは、お客さまの重要な資産を守る防御態勢を継続的に微調整し、最適化します。”
通信事業者との関係の重要性
F5 Silverlineは、世界各地に分散配置されたDDoS緩和クラウド全体で少なくとも5社のTier 1通信事業者を利用し、拡張性、冗長性、パフォーマンス、セキュリティを確保しています。
F5 Silverlineの強みは、通信事業者との関係と、F5独自のツールセットと各分野で最も優れたツールセットを組み合わせた多様なDDoS緩和ツールを活用するSecurity Operations Centerの専門知識にあります。これらを組み合わせることで、インターネット上でこれまでに観測された中で最大規模かつ最も高度なDDoS攻撃を阻止するための処理能力と仕組みを提供します。
結論:攻撃こそ最大の防御ならぬ、強固な防御こそ最大の攻撃
DDoS攻撃の規模と複雑さが増し続けるなか、世界中の組織には、攻撃が企業ネットワークに到達する前に阻止するための多層的な防御が必要です。F5 Silverline Managed Security Servicesは、最大規模のボリューム型DDoS攻撃も検知して緩和します。ITインフラストラクチャやサポートへの先行投資なしで、あらゆる場所のすべてのアプリにセキュリティサービスを導入できます。
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