F5は毎年、米国および世界各地の非営利団体にSTEM教育助成金を提供しています。先日、F5の最高人事責任者であるAna Whiteに、これらの助成金とその効果、そしてより多くの有色人種の女性や少女がSTEM分野のキャリアを目指せるよう後押しする必要性について話を聞きました。
F5のSTEM教育助成金とはどのようなもので、いつから提供を開始したのですか?
Ana White:科学、技術、工学、数学の教育に重点を置くプログラムを実施し、主に有色人種の女性や少女を支援する非営利団体に、STEM教育助成金を提供しています。2021年の助成額は1件あたり50,000米ドルでした。2019年から毎年提供しています。
世界のSTEM教育はどのような状況にありますか?
Ana White:世界各国の多くの政府がSTEMリテラシーをこれまで以上に重視するようになった一方で、STEM分野の学位取得を目指す学生は依然として不足しています。経済協力開発機構の報告書によると、情報通信技術(ICT)分野は就職率が最も高いにもかかわらず、ICT科目を学ぶ学生は5%未満です。世界が相互につながる今日、こうしたSTEM教育の格差は、生産性や経済的な豊かさを損ない、将来の働き方への備えを不十分なものにしています。
今日は米国の「National STEM Day」です。この日は、高度なSTEMスキルとグローバルな競争力とのつながりに注目する日です。米国のSTEM教育は現在、どのような状況にあるのでしょうか。
Ana White:米国は過去20年間で一定の進展を遂げており、特にSTEM分野のキャリアにつながる人材育成の改善が進んでいます。STEM分野の学士号取得者数は、その他すべての分野の学位取得者数と比べて、はるかに高い割合で増加しています。また現在、米国では25歳以上の1,900万人がSTEM関連職に就いており、わずか5年前と比べて約180万人増加しています。
とはいえ、まだ道半ばです。全米科学委員会によると、数学と科学の標準テストにおける生徒の成績は、10年以上にわたって向上していません。また、米国の順位は、多くの国々と比較して中位にとどまっています。さらに、STEM人材全体は急速に増加しているものの、こうした職種の多様性を高めるには、なお長い道のりが残されています。
そのため、F5は主に有色人種の女性や少女を支援する非営利団体に重点を置くことにしたのでしょうか?
Ana White:そのとおりです。世界的に教育を受ける機会は増えているものの、STEM分野の学位取得を目指す人は、女性よりも男性のほうがはるかに多いのが現状です。世界全体で見ると、工学を学ぶ人のうち女性は4人に1人にすぎず、ICT分野を学ぶ学生ではわずか5人に1人です。
さらに、テクノロジー分野では、女性、特に有色人種の女性が依然として慢性的に少ない状況です。たとえば米国では、コンピューティング分野の労働力に占める黒人、ラティーナ、ネイティブアメリカンの女性の割合はわずか4%で、この割合は過去10年間にわたって低下しています。
このような多様性の欠如は、どのような影響をもたらすのでしょうか?
Ana White:十分な女性の参画が実現していないことは、テクノロジー業界、社会、そして女性自身に大きな代償をもたらします。女性はテクノロジーの世界に異なる視点やアプローチをもたらし、その参画は企業の業績向上につながります。また、より強固な職場方針の策定を促し、その視点によって、組織はさらに活気にあふれ、革新的で、包摂性が高く、競争力のあるものになります。イノベーションのあらゆる段階で、女性や有色人種の女性の発想とリーダーシップが生かされなければ、テクノロジー業界がその可能性を最大限に発揮することはできないと考えています。
F5は、テクノロジー分野における有色人種の女性の格差解消に取り組む非営利団体Reboot Representationと提携しています。これらの助成金は、このパートナーシップをどのように発展させるものですか?
Ana White: Reboot Representationは、コンピューティング分野の学士号を取得する黒人、ラティーナ、ネイティブアメリカンの女性の数を2025年までに倍増させることを目標に、Melinda Gatesが2019年に立ち上げたテクノロジー連合です。F5はエグゼクティブ連合メンバーとして、Reboot Representationによるこの目標の達成を支援するため、6年間で180万ドルを拠出することを約束しています。連合の設立以来、加盟するテクノロジー企業は合計で1,800万ドルを超える助成金を提供しています。
F5のSTEM教育助成金は、このパートナーシップを基盤に、有色人種の女性や女子がSTEM分野で活躍する機会を広げる新たな道を提供するものです。こうした女性や女子に働きかける手段が増えるほど、格差の解消を早めることができます。テクノロジー企業には、この実現を可能な限り加速させるために、それぞれ果たすべき役割があります。
F5は2021年の助成先として何団体を選定し、これらの助成はどのような効果をもたらしていますか?
Ana White: 今年は約300件の応募があり、その中から9つの非営利団体を選定しました。優れた応募が数百件も寄せられた中で、助成先となるパートナーをわずか9団体に絞り込むのは、ご想像のとおり非常に難しいプロセスでした。選定した団体の内訳は、米国の非営利団体が5団体、ケニア、タンザニア、グアテマラなど、米国以外の国々の非営利団体が4団体です。
これらの助成先団体は、有色人種の女子がSTEM分野の職業を目指すよう後押しすることで、未来のイノベーターを育成しています。たとえば、iUrban Teenは、十分な機会を得られていない若者がさまざまなSTEM業界に触れられるよう、研修プログラムやインターンシップを提供しています。Geeking Out Kids of Colorは、有色人種の子どもたちがデジタル活用能力とコンピュテーショナル・シンキングを高められるよう設計された放課後プログラムやサマープログラムを提供しています。また、Apps and Girlsは、サハラ以南のアフリカ全域で次世代のテクノロジーリーダーを育成するための研修プログラムを提供しています。これらの助成金が、非営利団体である助成先のさらなる発展を後押しすることを願っています。
F5はこれらの助成先パートナーをどのように選定したのでしょうか?
Ana White: F5の従業員は以前から、地域社会への貢献に強い熱意を示しており、今回の選考プロセスも従業員が主導しました。具体的には、Women’s Employee Inclusion Groupのメンバー10名が参加しました。参加者は協力して、有色人種の少女や女性が支援対象に占める割合、非営利団体のミッションとSTEM教育との関連性、この助成金が非営利団体の成功にもたらすと見込まれる効果など、複数の要素に基づいて各申請を評価し、順位付けしました。
F5では、すべての助成プログラムを従業員が主導しています。助成先の選定に従業員の声を取り入れることで、F5社内のコミュニティと、F5が支援する地域社会の双方がより強固になると考えています。STEM教育助成委員会に参加したF5従業員の1人は、次のように語っています。「謙虚な気持ちになり、視野が広がる経験でした……慈善団体の選定に費やした時間が、誰かの人生に真の変化をもたらすと知り、この活動に参加できたことをうれしく思います」
テクノロジー業界は、人材の多様化を進め、より多くの有色人種の女性や少女がSTEM分野のキャリアを目指すよう後押しするために、何をすべきでしょうか?
Ana White:何よりもまず、より多くの女性をリーダー職に採用し、育成する必要があります。現在、Fortune 500企業のリーダー職に占める女性の割合は、わずか4%です。女性が自信を持って力を発揮するには、影響力のある立場で活躍する女性リーダーの姿を目にすること、そして自身のキャリアアップに必要な刺激やメンタリングを提供する優れたロールモデルの存在が欠かせません。現在F5には、CEOの直属となる女性エグゼクティブバイスプレジデントが4名います。CEOはFrancois Locoh-Donouで、そのうち2名はコンピューターサイエンスまたは工学の修士号を取得しています。4名は、Haiyan Song、Kara Sprague、Mika Yamamoto、そして私です。これは大きな前進ですが、まだ取り組むべきことは数多くあります。
F5社内でもテクノロジー業界全体でも、マーケティング資料や採用資料、開発する製品やサービスがすべてジェンダーインクルーシブなものとなるよう徹底し、女性とコンピューティングをめぐる既存の固定観念を打ち破る必要があります。パネルディスカッションやカンファレンスでは、女性や有色人種の女性の登壇機会を増やすべきです。また、地域の学区と連携して有色人種の女子生徒がSTEM分野を学ぶ機会を拡充するとともに、大学では奨学金やインターンシップなどの支援制度を設ける必要があります。さらに、より多くの女性や有色人種の女子がテクノロジー分野でのキャリアを目指せるよう、社会貢献活動にも注力すべきです。これらは、この問題に取り組むためにできることの一例にすぎません。
多様性を尊重し、誰もが受け入れられる文化は、すべての人に恩恵をもたらします。しかし、データによると、社会全体として十分な進展を迅速に遂げられていません。この問題の解決に向けて協力することで、より創造的かつ革新的で、最終的には収益性も高い、より強固なテクノロジー業界を築くことができます。F5は、STEM Education Grantプログラムを、このビジョンの実現に向けた小さな一歩と位置付けています。
2022年F5 STEM Education Grantの申請受付開始時に通知を希望される場合は、こちらから情報をご登録ください。
F5 2021年STEM教育助成金パートナー

Hope For Youth (HYPE)
Hope For Youth(HYPE)は、有色人種の女子中高生が21世紀に必要なスキルを身につけ、将来テクノロジー分野のリーダーとなることで、経済的な自由と社会的上昇を実現できるよう支援しています。

MAIA
MAIAは、教育、メンタリング、リーダーシップ育成を通じて先住民マヤの少女たちの可能性を引き出し、最大限に伸ばします。少女たちが自分自身だけでなく、地域社会全体、グアテマラ、そして世界に幅広い影響をもたらし、豊かな未来を築けるよう支援しています。
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