Kubernetesの総所有コストを測定し、最小限に抑える方法

F5エコシステム | 2020年12月10日

Kubernetesは無料でダウンロードして実行できるかもしれませんが、所有にかかるコストまで無料というわけではありません。単純な意味でのみ「無料」とされる他の主要なオープンソースプラットフォームと同様に、Kubernetesの導入と運用には、ほぼ確実に費用がかかります。

どの程度の費用がかかるかは、Kubernetesの導入方法や、管理に使用するツールとプロセスなど、さまざまな要因によって異なります。組織によっては、Kubernetesをほぼ無償で利用できます。一方で、総費用がプロプライエタリなソフトウェアプラットフォームを大幅に上回る場合もあります。

チームでKubernetesを利用する際のコストを見積もるために、この記事では、Kubernetesの費用を左右する要因と、Kubernetesにかかる総コストの算出方法について説明します。

Kubernetesのコスト要因

Kubernetes環境の総コストを算出するには、Kubernetesのコストを構成する各要因を評価する必要があります。すべての要因があらゆる状況に当てはまるわけではありませんが、費用対効果の高いKubernetes戦略を策定する際には、いずれも考慮すべき変動要素です。

Kubernetesディストリビューションのコスト

たとえばLinuxとは異なり、完全に無料でコミュニティによるサポートを受けられるKubernetesディストリビューションは、実質的に存在しません。(OKDは例外かもしれません。これはRed Hatが支援するコミュニティディストリビューションです。)その代わり、さまざまな商用Kubernetesディストリビューションが提供されています。その多くは小規模クラスター向けの無料利用枠を用意していますが、本番環境向けの導入やプロフェッショナルサポートサービスには料金がかかります。

したがって、Kubernetesのコストを検討する際、最初に考慮すべき要素は、使用するディストリビューションのライセンス料です。12ノード以下のクラスターを運用する予定でない限り、ディストリビューションの利用には費用がかかると考えてください。

Kubernetesノードのコスト

Kubernetesを実行するにはサーバーが必要です。Kubernetesはそれらのサーバーをノードとして使用し、クラスターを構築します。

ノードは、自社のオンプレミスサーバー上にも、クラウドベースのサーバー上にも配置できます。いずれの場合も、サーバーの利用には費用がかかります。

Kubernetesインフラストラクチャにかかるコストの構造は、使用するサーバーの種類によって異なります。オンプレミスのハードウェアでは、導入時に多額の取得費用がかかる一方、その後の継続的な保守費用は比較的少額です。クラウドサーバーでは、初期の設備投資は不要ですが、月単位で継続的な料金が発生します。

データ転送コスト

自己管理する仮想マシンを使用してクラウド上でKubernetesを実行する場合、ほとんどのケースで、ノードを稼働させる仮想サーバーの料金だけでなく、データ送信に伴うネットワーク料金も支払う必要があります。

一般に、データの大部分を同じクラウド内に保持するクラスターでは、こうしたコストは比較的低く抑えられます。ただし、Kubernetesを使用してクラウド外に大量のデータを送信するアプリケーションをホストする場合、データ転送料金がかさみます。

ストレージコスト

同様に、Kubernetesデータを保存するストレージにも費用がかかります。ステートレスアプリのみを実行する場合、必要なデータストレージの容量とコストは小さく抑えられます。一方、数GBものデータを取り込んだり生成したりするアプリでは、すべてのデータを保存するために自社のオンプレミスストレージメディアを用意するか、クラウドストレージサービスを利用する必要があります。

Kubernetesデータもバックアップしておくことをお勧めします。ただし、データのコピーを複数保持する必要があるため、ストレージの総コストが2倍、場合によっては3倍になることもあります。

人件費

チームはKubernetesクラスターの保守に時間を割く必要があります。必要な時間は、利用しているKubernetesディストリビューションが提供する保守・管理サポートの範囲によって異なります。Canonical KubernetesやOpenShift Dedicatedなど、一部のディストリビューションでは、包括的なフルマネージドKubernetesサービスを提供しています。一方、基本的なOpenShiftなどでは、保守作業の大部分を自社で担うことになります。

Platform9などのサードパーティ製Kubernetes管理サービスを利用して、管理ワークフローの多くを自動化することもできます。ただし、その場合でもエンジニアが管理に関与する必要があります。Kubernetesの運用を完全に任せきりにすることはできません。

したがって、Kubernetesの管理に要するスタッフの人件費は大きく変動する可能性がありますが、必ず発生します。

アプリケーションのデプロイコスト

クラスターへのアプリケーションのデプロイが速いほど、Kubernetesから得られる価値が高まり、Kubernetes戦略の費用対効果も向上します。そのため、デプロイプロセスの内容や手作業の割合、1日または1週間に対応できるリリース数を検討することが重要です。これはやや把握しにくいコストですが、週に1回しかデプロイできないアプリケーションデプロイパイプラインでは、1日に1回以上デプロイできるパイプラインよりも、デプロイ1回あたりのコストが大幅に高くなります。

まとめ

Kubernetesが無料になるのは、サーバー、ネットワーク、ストレージソリューション、従業員のすべてが無償で役割を果たす場合に限られますが、実際にはそうではないでしょう。そのため、Kubernetes戦略を採用する前に、Kubernetesのコストに影響するさまざまな要因を評価し、選択するアプローチによって費用を最小限に抑えながら、クラスターに求めるパフォーマンスを実現できることを確認することが重要です。

Volterraが役立ちます。あらゆるKubernetesクラスターを監視するためのアプリケーションおよびインフラストラクチャ管理プラットフォームを提供し、単一クラウド、マルチクラウド、オンプレミスのいずれでホストしているかを問わず対応することで、VolterraはKubernetesの計画と管理に伴う不確実性の多くを解消します。Volterraを利用してもKubernetesクラスターが完全に無料になるわけではなく、インフラストラクチャ、ライセンス、スタッフの作業時間には引き続き費用がかかります。しかし、Kubernetesの導入と管理に必要な労力を軽減しながら、アプリケーションの導入を迅速化できます。その結果、Kubernetesの総コストを抑え、全体的な価値を高められます。

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タグ: 2021

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