APIは統合そのものではありません。統合を実現するための手段です。そして、ITOpsが挙げている課題を見る限り、APIだけではITを継続的に運用できるようにするには不十分です。
アプリケーション開発の世界では、統合は常に厄介なものとされてきました。DLLから共有ライブラリ、ESBからメッセージキューに至るまで、アプリケーションを他のアプリケーションやサービスと統合するための多種多様な手段が模索されてきました。
ネットワーク管理の分野では、統合が特に重要でした。アプリケーションの配信とセキュリティ確保を担うネットワークデバイスやアプリケーションサービスは、複数ベンダーの異種混在環境で一連の処理を構成します。統合は、そこに内在する複雑さを管理するうえで鍵となってきました。
現在、そのパイプラインでは自動化がますます進んでいます。開発者とDevOpsチームは、統合という課題を克服し、継続的な開発パイプラインを構築してきました。そして今、IT部門にもデプロイパイプラインで同じことを実現するよう期待し、いや、要求しています。
IT部門も対応を進めています。「NetOpsとDevOpsの融合:ネットワーク自動化の現状」によると、本番環境のパイプラインのかなりの割合が、少なくとも部分的に自動化されています。

しかし、継続的デプロイの導入には課題も伴います。
一般に、各種調査では「文化」がDevOpsやDevOps関連のプラクティスを阻む最大の要因の1つとして挙げられています。State of Network Automation調査でも、文化は上位3つに入りました。しかし、最大の不満要因ではなく、2位でもありませんでした。その2つを占めたのは、スキルギャップへの不満と、私が大好きな4文字の単語「integration(統合)」でした。
実際、この2つの課題は関連しています。スキルギャップが、統合を大きな不満の要因にしている一因です。なぜなら、意外に思われるかもしれませんが、NetOps担当者は開発者ではないからです。
ここがまさに問題の核心です。DevOpsが継続的デリバリーの実現に向けた取り組みで大きな成果を上げてきた理由の1つは、その担い手の大半が開発者だからです。コードを熟知した開発者には、必要なものを統合するためのノウハウがあります。一方、NetOpsが必ずしも同じスキルセットを備えているとは限りません。デプロイメントパイプラインは主に、プロトコルを介して連携するデバイスとシステムで構成されています。これらはRFCに基づいて明確に定義されたプロトコルであり、そもそもコードによる統合を必要としないように設計されています。
これはNetOpsにとってまったく新しい課題であり、必ずしも対応する準備やスキルが整っているとは限りません。
この課題は、APIでは解決できません。API対応インフラストラクチャは依然として重要であり、F5の「2018年アプリケーションデリバリの現状に関する調査」でも回答者の4分の3がその重要性を認めています。しかし、APIそのものが統合を実現するわけではありません。APIは統合を可能にしますが、異なるデバイスやシステムを管理コンソールや制御機能に接続して連携させる実作業は、依然としてIT部門の責任です。ただし、IT部門がそのために必要なスキルを備えているとは限りません。こうした課題は日々の運用に大きな影響を及ぼし、結果としてデプロイメントパイプラインでは多くの手作業が必要になります。

これは、NetOpsの半数以上(52%)が主に採用している「CLI/スクリプトベースのデバイス単位」の管理手法を裏付けています。DevOpsとNetOpsが採用しているマルチベンダー環境でのオーケストレーション型運用アプローチには、顕著な差が見られました。DevOpsでは29%がこのアプローチを採用しているのに対し、NetOpsではわずか12%にとどまっています。
この格差は、NetOpsの統合に向けたより優れたアプローチが必要であること、そして統合の課題を克服するために、コミュニティと市場が同様の強い熱意をもって取り組む必要があることを如実に示しています。
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著者について

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。
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