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デジタル世界における最新のネットワーキング

Lori MacVittie サムネール
Lori MacVittie
Published April 27, 2023

今世紀に入って(この言葉は何度言っても飽きません)、ネットワーキングはますます商品化されています。ホーム ネットワーキングでは「ルーター」が普及し、一世帯あたり推定15.14台のスマート デバイスにほぼプラグアンドプレイで接続できるようになっています。

このネットワーキングは、お馴染みの古き良きレイヤ2~3のIPベースの接続です。標準化され、予測可能であるため、ベンダーは、技術に不慣れなユーザーでも接続したり、すべてのガジェットをオンライン化したりできるブラック ボックスを作ることができます。

しかし、それは1つの環境での話です。パブリック クラウドや、最近ではエッジも加わり、それほど単純ではなくなってきました。

すでに単純ではないのに、さらにこれらすべての環境でアプリケーションの接続をサポートしなければならないとなると、経験豊富なネットワーク担当者でさえイライラするような複雑なシステムになります。

現在の標準的なネットワークはかなり標準的であり、ほとんどのネットワーキング担当者は、コアからクラウド、エッジ間のパケットの受け渡しを管理する能力を十二分に備えています。しかし、その上にアプリケーション層の接続を追加するとなると、さらに難しくなります。

問題は、現代のデジタル世界では、ネットワーキングに最初から、これらの接続層が含まれていなければならないことです。「ネットワーク」には、高度に標準化され、明確に定義されたプロトコルで管理されている2層だけでなく、全部で7層あります。つまり、ハイブリッドおよびマルチクラウド環境のネットワーキングについて語るとき、RFCで必須とされているように、トランスポート層(レイヤ4)とアプリケーション層(レイヤ7)が必ず含まれます。

アプリケーション デリバリとセキュリティは、これらの上位層で動作し、テクノロジがそれを最適化し、保護するように設計されています。つまり、プロパティ間でアプリケーションを接続しようとする場合、IPからTCP、HTTPまで、ネットワーク スタック全体について考える必要があります。アプリケーション デリバリとセキュリティは定義上、「ネットワーク」の一部であるため、「ネットワーク」を設定するプロセスに含める必要があるのです。

何年もの間、私たち(企業)は、新旧のアプリケーションを区別してきました。この区別が必要なのは、モバイルやマイクロサービス ベースのアプリケーションに固有の接続性とアーキテクチャのニーズがあるためです。そのため、ネットワーク側でも同じように区別する時期に来ているのかもしれません。従来のネットワーキングはL2とL3を対象とし、最新のネットワーキングにはL4からL7が組み込まれています。

残念ながら、フルスタックの可視性、フルスタックの開発者、フルスタックのネットワーキングなど、「フルスタック」という目標は、最近では達成が難しくなっています。この傾向は現在のゼロ トラスト市場で見られ、そこで実際に重点が置かれているのは、完全に機能するゼロ トラスト アーキテクチャではなく、ゼロ トラスト ネットワーキングです。

そしてその理由としては、「ネットワーク」の上位層がより流動的で動的であり、提供と保護が難しいことが一因として挙げられます。

L2~3やL2~4の複雑さにしか対応できないマルチクラウド ネットワーキングでは不十分です。それではL7にある、ネットワーキングの非常に難しい部分に対処できません。そのため私たちは、従来のネットワーキングのアプローチでは、マルチクラウド モデルでの運用に伴う複雑さという課題を実際には解決できないと考えています。

デジタル世界を特徴付ける、分散型アプリケーションやデジタル サービスを運用する際の頭痛の種を解消するには、マルチクラウド ネットワーキングにスタック全体が含まれていなければなりません。