DX方程式のもう一方を最適化

F5エコシステム | 2019年5月13日

過去2年間にわたり、F5はState of Application Services調査で、期待されるメリットや、開発からデプロイまでのあらゆる領域への影響を含め、デジタルトランスフォーメーションの取り組みについて質問してきました。その結果、世界中のあらゆる業界で、大多数の組織が現在その取り組みを進めていることがわかりました。組織は、アプリの開発方法、デプロイのタイミング、採用するアーキテクチャを変革しています。

それでも、デジタルトランスフォーメーションはいまだに、流行のバズワードを並べたビンゴカードの1マスにすぎないと見なされています。実態以上にもてはやされたトレンドと受け取られることも少なくありません。

デジタル経済に関する最新ニュースを受けて、デジタルトランスフォーメーションは誇大な期待のピークを越え、現実の領域へと確実に踏み出すはずです。

そのニュースとは、米国史上初めて、オンライン販売額が実店舗での購入額を上回ったというものです。その差はわずかですが、消費者がデジタルトランスフォーメーションを受け入れつつあることを示すには十分です。さらに重要なのは、デジタル経済が引き続き成長傾向にあり、2019年2月の売上高が598億ドルに達し、全体で4番目に大きなセクターとなったことです。

約5社に1社は、デジタルトランスフォーメーションに取り組んでいません。自動化やパブリッククラウドといった関連トレンドと同様に、こうしたテクノロジーやトレンドを無視する組織は、今や明らかに不利な立場にあります。これは、消費者に人気の華やかなジェスチャー操作型アプリだけの話ではありません。金融サービスやライドシェアリングに即座にアクセスできることだけでもありません。最終的に提供する商品を組み立て、製造し、市場に投入するために必要な資材やサービスを調達するサプライチェーンにも関わる問題です。このサプライチェーンではデジタル化が進み、サプライヤー、販売代理店、請負業者と即時に連携するAPIやアプリケーションへの依存が高まっています。

The Hackett Groupの調査によると、「一般的な財務組織は、デジタルテクノロジーの導入によりプロセスコストを35%削減でき、現在のワールドクラスの組織に近い水準を実現できます。ワールドクラスの財務組織では、収益に占める総コストの割合が同業他社より45%低くなっています。」(出典:https://www.thehackettgroup.com/wp-content/uploads/2017/12/hackett-analytics-supply-chain-digital-1711.pdf)

サプライチェーンのデジタルトランスフォーメーションが成功するかどうかは、その多くがビッグデータの収集と分析にかかっています。そのため、機械学習とデータドリブン技術の戦略的重要性が高まっています。これが、「ビッグデータ分析」を戦略的に重要と考える組織の割合が、2018年から2019年にかけて10%増加した理由の1つです。

全体では、デジタルトランスフォーメーションによって得たいメリットとしてサプライチェーンの最適化を挙げた組織は、5社に1社未満(18%)でした。業界別に詳しく見ても、この大きな可能性を持つ機会に取り組む組織の割合は依然として低いままでした。小売・流通業界では、デジタルトランスフォーメーションによるサプライチェーンの最適化を見込む組織は3社に1社未満(31%)でした。これに僅差の30%で続いたのが製造業です。製造業は、供給側のこの機会に対応するテクノロジーを活用できる余地が大きい業界です。

サプライチェーンの最適化を目指す組織

テクノロジーによるサプライチェーン変革が歴史的に大きな影響をもたらしてきたことを考えると、これは興味深い見落としです。たとえば、「自動化の父」とも呼ばれるヘンリー・フォードは、自動車の組み立て時間を短縮するために組立ラインを稼働させました。その結果、自動車の消費者向け価格を引き下げることができました。

現在、アプリ自体の販売価格は0ドルになると考えられます。これは、「モバイルユーザーは、最初に料金を支払ってアプリをダウンロードするよりも、アプリ内機能にお金を使う傾向が強い」という調査結果に基づいています。(出典:https://www.gartner.com/newsroom/id/3331117)つまり、そのアプリで販売するものが何であれ、そのコストを削減するための最適化策を見つける必要があります。そこで、サプライチェーンの最適化に話を戻しましょう。

ほぼ誰もが、何らかのサプライチェーンを抱えています。ソフトウェアサプライチェーンの場合もあり、オープンソースが急速に普及している理由の1つもそこにあります。オープンソースは無償で利用できるため、売上原価を削減できます。ハードウェアの場合もあれば、生鮮品や人件費の場合もあります。サプライチェーンを構成するものが何であれ、デジタルトランスフォーメーションがその最適化にどう役立つかを検討する必要があります。

デジタル経済はかつてないほど現実のものとなっており、今後もその存在感を増していく一方だからです。

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タグ: 2019

著者について

Lori Mac Vittie
Lori Mac Vittie特別技術者兼チーフエバンジェリスト | F5

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。

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