テクノロジーは素晴らしい(しかし、建築基準が設けられたのには理由がある)

F5エコシステム | 2022年2月07日

技術者たちは何千年にもわたり、実現可能性の限界を押し広げてきました。過去2万年の間に、人類は石を使う段階から、植物、水、風、鉱石の力を活用する段階へと移行しました。こうした変革により、私たちの能力や生産力、生活の質は向上しました。その一方で、働き方や暮らし方を変える必要も生じました。現代の高層建築を考えてみましょう。高層建築は、技術工学と社会工学が生み出した驚異であり、何千年にもわたる人類の進歩を具現化したものです。数百年前は、石とモルタルで実現できる技術に限界があったため、建物の高さや断熱性能は制約され、社会の上流階級に属する人々にしか手が届きませんでした。過去1世紀にわたり、技術、知識、プロセスが相互に発展し、より高く、効率的で、レジリエンスに優れた建築物が生み出されてきました。ガラスと鉄骨を用いた建築の登場によって、建築設計の可能性は飛躍的に広がり、都市は垂直方向へと変貌を遂げました。

建物が高層化するにつれ、その設計、用途、運用も変化しました。こうした巨大なガラス張りの高層ビルへ移ると、人々が共に暮らし、働くあり方も大きく変わりました。職場は、飲食サービス、高速エレベーター、高度な空調システムを備えた、自己完結型のエコシステムとなりました。安全と健康を確保するため、防火、避難、空気質の各システムも見直す必要が生じました。こうした技術革新により、職場は数人の同僚が働く場所から数千人が働く場所へと変わりました。少なくとも、パンデミックに伴って近年「在宅勤務」が広がるまではそうでした。また、家畜と共に過ごす場所から運動施設を備えた場所へ、住居そのものから数十万人もの通勤者が毎日一斉に移動することを必要とする場所へと変化しました。

同様に、最新のアプリケーションデリバリープラットフォームと運用テクノロジーは、連携してアプリケーションサービスを提供する方法を変えつつあります。わずか数年で、新機能の提供に要する期間は、数か月または数年から、数日または数分へと短縮されました。テクノロジー、知識、プロセスの融合により、デジタル価値を生み出すスピードは飛躍的に加速しています。こうした新しいプラットフォームの価値を最大限に引き出そうとする中で、対応すべき新たなセキュリティと信頼性の要件も明らかになっています。アプリケーション開発者と運用担当者が、効率的な方法でアプリケーションサービスを強化、更新できるようにする必要があります。同時に、悪意のあるワークロード、サプライチェーンリスク、不正なトラフィックから企業と顧客を守らなければなりません。

サービス提供に対する適応型アプローチにより、実質的に相反するこれらの要件を両立できます。この適応型手法には、階層型アーキテクチャ、プロセス重視のパフォーマンス指標、最新のエンジニアリングプラクティスに関する推奨事項が含まれます。

適応型の階層アーキテクチャを使用してサービス提供環境を4つの主要領域に分割することで、ソリューションの再利用と変更の迅速化を促進できます。

  • 管理・運用層
  • グローバル階層
  • サイト階層
  • アプリケーション層

これと並行して、継続的改善の手法(カイゼンなど)により、開発および運用プロセスを変革し、次のような指標の向上を図ります。

  • デリバリー頻度
  • 平均復旧時間
  • 平均故障間隔
  • 価値実現までのリードタイム

最後に、ソフトウェアエンジニアリングの手法では、アプリケーションコードとインフラストラクチャコードの両方を、以下の方法で管理します。

  • コードと構成のソース管理
  • デプロイの自動化
  • テスト自動化
  • サービス提供ライフサイクルの早期段階でセキュリティに対応(「シフトレフト」)
  • 疎結合
  • プロアクティブな通知

総じて、サービス提供環境の設計、導入、運用に適応型のアプローチを採用することで、以下をより効果的に実現できるようになります。

  • 既存および新規テクノロジーの可能性を最大限に活用する
  • ビジネスニーズに俊敏に対応
  • 脅威に迅速に対応
  • 新しいテクノロジーがもたらす機会に柔軟に対応

最終的には、適切な適応型の制約を設けることで、組織はセキュリティを強化しながら迅速に前進し、絶えず広がる技術的な可能性と、責任ある対応とのバランスを取ることができます。アプリケーションデリバリー環境は、技術革新、セキュリティ脅威、ビジネス上の創意工夫が交わる場所にあります。これらはいずれも、ビジネスの運営方法や目的に急速な変化をもたらしています。テクノロジーベンダーは、新機能や強化された機能を週単位で提供しています。悪意のある攻撃者は、手動またはボットによるさまざまな攻撃を通じて、アプリケーションサービスを絶え間なく脅かしています。同時に、社内のメンバーは、これまでにない優れた顧客体験の創出に継続的に取り組んでいます。したがって、こうした課題に応じてアプリケーションデリバリー環境を継続的に適応させることで、組織の強みを高め、弱点を軽減し、安全で豊かな未来に向けた基盤を築くことができます。

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著者について

Mark Menger
Mark Mengerソリューションアーキテクト | F5

Mark MengerはF5のソリューションアーキテクトで、AIおよびセキュリティ技術のパートナーシップを専門としています。F5のAIリファレンスアーキテクチャの開発を主導し、安全で拡張性の高いAIソリューションの推進に取り組んでいます。グローバルソリューションアーキテクトおよびソリューションエンジニアとしての経験を持ち、F5のセキュアクラウドアーキテクチャに貢献したほか、分散型4階層アーキテクチャを共同開発しました。『Solving IT Complexity』の共著者でもあり、IT課題への対応に関する専門知識を有しています。以前はアプリケーション開発者やエンタープライズアーキテクトを務め、モダンアプリケーション、自動化、AI投資から得られる価値の早期実現に注力していました。

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