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2022年、変貌を遂げる通信業界

Alix Leconte サムネール
Alix Leconte
Published February 01, 2022

新しい技術、COVID-19、規制、地政学といったあらゆる要因により、通信業界はこれまで以上に急速に変化しています。

物事がどこに向かっているのかを知るのは難しいかもしれませんが、2022年に注目すべき5つの大きなトレンドを紹介します。

データ主権が注目を集める

欧州の政策立案者たちはデータ主権を強化しており、これにより多くの新しいオポチュニティが生まれています。

欧州がデジタルの主導権を取り戻そうとしている中、政策立案者はハイパースケーラーへの依存を減らすため、信頼できるサービスとインフラストラクチャを通信事業者に求めています。

フランスでは、OrangeがCapgeminiと提携してBleuを設立しました。Bleuは、フランス国家のプライバシー、セキュリティ、および耐障害性に関する要件に準拠していることが認定された「Cloud de Confiance」ソリューションを提供する新しい会社です。

次に、Telecom Italiaは、イタリア国内のデータストレージ施設をアップグレードするため、9億ユーロ規模の国立クラウドハブ構築契約に入札中です。

こうした事例は、氷山の一角に過ぎません。

ヨーロッパ国境を越え、データ主権を求める動きもあります。多くの政府は、米国を拠点とするハイパースケーラーと協力する必要性を認める一方、医療や公共サービスなど主要分野におけるデータ保護および管理方法を、より細かく制御するよう求めています。

データは、慎重に保護されなければならない、主権的資産となりつつあります。この分野で実績を上げている通信事業者は間違いなく他を圧倒する存在となるでしょう。

マルチクラウドネットワーキングを機能させる

マルチクラウドネットワーキングは、企業のITにとって論理的な次のステップです。

世界中で、俊敏性、効率性、スケーラビリティを向上できるクラウドネイティブテクノロジに対する需要が高まっています。その一方で、アプリケーションは、異なる環境に分散したマイクロサービスで構成されることが多くなっています。

ここでは、実装が鍵となります。異なる環境にあるアプリケーションを接続するには、ネットワーキングだけでは不十分です。また、アプリケーションを常に利用可能にして保護するには、セキュリティとロードバランシングも必要です。

今年は、通信事業者とその企業顧客が、マルチクラウドの複雑さを軽減するソリューションを重視すると予想しています。

モバイル金融サービスの大きな流れ

すでに大手の送金サービスを提供している通信事業者は、マイクロクレジット、保険、貯蓄などの金融サービスにも力を入れています。

例えば、一部の通信事業者はデータ収集により信用度を判定することでリスクを最小限に抑え、パーソナライズされたローンを提供しています。一方、急成長しているモバイルマネーのエコシステムにより、これまで銀行口座を持たなかった何億人もの人々が、初めて金融商品へのアクセスが可能になりました。

デジタル金融サービス分野の拡大は、サイバー犯罪者にとって、明白に格好の標的となっています。つまり、通信事業者は、DDoS攻撃やクレデンシャルスタッフィングなどの脅威に対する高度な保護機能を提供するなど、セキュリティ対策を大幅に強化する必要があるということです。

クラウドネイティブネットワーク機能を把握する

通信事業者は、迅速なスケーラビリティを求めて、徐々にクラウドネイティブ化を進めています。

従来のモバイルコアネットワークは、専用のハードウェア上で動作する、さまざまな機能で構成されていました。現在、そのコードは、個別の分散されたコントロール機能とデータプレーン機能を備えた一連の仮想ネットワーク機能(VNF)やクラウドネイティブネットワーク機能(CNF)に分散されるようになりました。スタンドアロンの5Gネットワークへの移行に伴い、通信事業者は、異なる環境や場所に導入されたVNFやCNFを相互に接続することを検討しています。当然ながら、これによって攻撃対象領域が拡大することになります。

残念なことに、通信事業者は、CNFとそのインフラストラクチャ全体を完全に保護、自動化、監視するための最善策を模索している状況です。このような背景から、運用の簡素化は非常に重要な課題となります。

パブリッククラウドにおける通信業界 - 慎重に前進

2022年にはクラウドネイティブが注目の業界用語になるでしょう(2021年もそうでしたが)。また、世界中の通信事業者は、パブリッククラウドにどのワークロードを移行するかについて議論し続けるでしょう。これには、アプリケーション(ITワークロード)だけでなく、特定の使用事例のネットワーク機能も含まれます。

しかし、ステートフルプロトコルや、大規模な加入者セッションを持つコアネットワーク機能をサポートすることは事実上困難であり、経済的な障害となります。

一部の使用事例では導入コストは継続して低下しますが、2022年における、より根本的な問題は、機密データのフローをどのように管理・保護するかです。データ主権の流れの中で、多くの通信事業者はパブリッククラウドを賢く利用することが求められるようになるでしょう。政策立案者は、機密データセットを国内に留め、現地の厳格な管理下に置くことを求める方向へシフトしているためです(アクセスできるユーザーとアクセスできないユーザーについて明確なルールがあります)。最終的に、通信事業者のパブリッククラウドへの移行は、非常に長引く可能性があります。

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