モノ同士、そしてモノとアプリの対話

F5エコシステム | 2015年11月23日

スマートレギンス。

携帯型のグルテンセンサー。

電球に内蔵されたワイヤレススピーカー。

現在、市場に押し寄せる「モノ」の数は驚くほど多く、日々、新しく、ときには予想外のモノが登場しています。モノのインターネットをめぐるイノベーションの膨大さを見れば、こうした取り組みに投入されるリソースの大半は、文字どおり「モノ」に注がれていると思うかもしれません。

開発者のIoT関連作業時間(Evans Data、2015年)

もちろん、ここで私が「実際はまったくそうではない」と言い出すことは、もうお分かりでしょう。これまで私の記事を読んできた方なら、私がそういう人間だとご存じのはずです。

実際のところ、モノ同士の通信はIoTの重要な要素ですが、市場のもう一方を担うのは、最終的にモノが通信する(またはモノと通信する)アプリです。Evans Data 2015 Global IoT Development surveyによると、開発者の半数近くが、ミドルウェア、バックエンドシステム、管理・制御用のWebベースUIといった支援アプリに取り組んでいます。IoT開発で最も多く重点分野として挙げられたプロジェクトの種類は何でしょうか。それは、職場の自動化です。

IoTの楽しさは、確かに新しいガジェットや遊べるおもちゃにあります(ガジェットが嫌いな人なんていませんよね?)。一方、ビジネスにおけるIoTの価値は、アプリ、生産性、プロセスの最適化にあります。こうしたビジネス上の課題は、消費者を夢中にさせる最新ガジェットと同じくらい、IoTの成功に欠かせません。

これは新しい考え方ではありません。Gartnerは2014年初頭、こうした現実と、特にビジネス運用におけるIoTの有用性をすでに指摘していました。

“「IoTは遠隔地の資産を接続し、その資産と一元管理システムとの間でデータストリームを提供します。これにより、そうした資産を新規および既存の組織プロセスに統合し、状態、場所、機能などに関する情報を提供できます。リアルタイム情報によって状態をより正確に把握できるようになり、利用の最適化とより的確な意思決定支援を通じて、活用度と生産性が向上します。ビジネス分析とデータ分析は、IoT環境から供給されるデータに対するビジネス要件についての洞察をもたらし、IoTによって拡充されたデータと情報の変動予測に役立ちます。」[強調は筆者による] ”

モノのインターネット(IoT)を最新技術の実験場と捉えたくなるものですし、実際にそうした側面もあります。しかし、これは重要なビジネス課題であり、IoTの最終成果物であるデータを拡張可能な形で保護し、提供するデータセンターにも重大な影響を及ぼします。現在、企業が最も重視しているのは、IoTを製品化して収益を上げる方法ではありません。成長への足掛かりとして、IoTを活用して既存システムからより大きな価値を引き出し、ビジネスプロセスを最適化する方法です。プロセスを拡張できなければ、ビジネスも拡大できません。

HurwitzによるIoTの主な懸念事項

これは、DevOpsやアジャイルを推進した要因と大きく異なるものではありません。開発とデプロイを管理するプロセスでは、需要の増大に対応できるほど十分に拡張できなかったのです。そこで、ツールやテクノロジーを導入し、自動化とオーケストレーションを進め、データをフィードバックして継続的に最適化することで、1日に何度もデリバリーとデプロイを行えるようになりました。今度はビジネスも同じ取り組みを進める必要があります。データセンターだけでなく、製造現場、道路、サプライチェーン、流通チャネルも対象です。

そして、それを実現する手段になるとされているのが「モノ」です。

つまり、IT部門は、ミドルウェアやデータストレージのコンポーネントを含むバックエンドでアプリを支える必要があります。これまでにない規模への拡張に対応し、パフォーマンスとコストという主な懸念の軽減に役立つ新たなソリューションを設計しなければなりません。

これらのアプリと、生成される膨大なデータを支えるため、データセンターの一部はクラウドへ移行する可能性があります(あらゆるレポートが、IoTのあるところにはクラウドもあると示しています……)。しかし、ビジネスの最適化という本来の成果をソリューションが達成できるよう、必要な拡張性、セキュリティ、パフォーマンスを備えた新しいバックエンドのWebベースアプリケーションの展開と提供を支援するサービスやアーキテクチャを考案するというIT部門の責任がなくなるわけではありません。データセンターでもクラウドでも、あるいはその両方を組み合わせる場合でも、これまでと同様にサービスを展開する必要があります。重要なのは、データセンターとクラウドを橋渡しし、アプリがどこにあっても一貫した運用を可能にするとともに、ハイブリッドクラウド環境でアプリ、リソース、サービスを管理する担当者に、よりシームレスな運用体験を提供できるソリューションを見つけることです。

モノ同士が通信するようになるのは確かです。しかし、それと同じくらい頻繁に、モノとアプリが双方向に通信するようになります。あらゆる企業の従来型ITに最も直接的な影響を与えるのは、こうしたアプリです。アプリの通信相手がモノであれ人であれ、アプリケーションの配信、拡張、セキュリティ確保を担うのは、常にIT部門だからです。

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タグ: 2015

著者について

Lori Mac Vittie
Lori Mac Vittie特別技術者兼チーフエバンジェリスト | F5

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。

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