VLAN IDとは

VLAN IDは、VLAN技術を利用するネットワーク内で個々のVLAN(仮想L2セグメント)を識別するための識別子です。VLAN(Virtual LAN)とは、1台の物理L2スイッチを複数の仮想L2スイッチ(L2セグメント)に分割できる技術です。また、複数の物理スイッチを1台の論理スイッチとして統合し、それを複数の仮想L2セグメントに分割することもできます。

ネットワークを複数のL2セグメントに分割する主な理由は、次の2つです。

  1. ブロードキャストドメインの制限:
    ブロードキャストドメインは、ブロードキャストフレームが伝播できる範囲を定義するもので、L2セグメントに相当します。ブロードキャストドメインが大きくなりすぎると、各ホストが処理するブロードキャストフレームの数が増え、CPUなどのリソースが不必要に消費されます。
  2. セキュリティの強化:
    セキュリティレベルが異なるホストを別々のL2セグメントに分離すると、ホスト間の直接通信が防止され、通信経路はルーターを経由する必要があります。さらに、ルーターに適切なセキュリティ設定を適用することで、通信のセキュリティが向上します。

1990年代に登場したVLAN技術は、現在もデータセンターや企業内ネットワークで広く利用されています。しかし、VLAN IDは12ビットで定義されているため、L2セグメントの最大数は約4,000に制限され、大規模ネットワークでは不足する場合があります。この制限に対応するため、VXLAN(Virtual eXtensible Local Area Network)やNVGRE(Network Virtualization using Generic Routing Encapsulation)などの技術が登場しました。これらの技術では24ビットのIDを使用するため、約1,600万のL2セグメントを作成できます。また、既存のVLAN構成ネットワークにオーバーレイできるため、従来の構成からこれらの高度なソリューションへの移行も容易になります。