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MWC22:サービス プロバイダ向けの新たなBIG-IP Cloud-Native Network Functions

James Feger サムネール
James Feger
Published February 27, 2022

クラウドの強化、安全性の確保、簡素化へのF5の道筋

F5は大容量トラフィック管理とセキュリティの分野で数十年にわたって培った専門知識に基づき、クラウド上のアプリケーションのサポートを強化するために、投資と厳密なポートフォリオの構築を進めてきました。今月初めに当社はF5 Distributed Cloud Platformを発表しました。F5、Volterra、Shapeの技術をベースにした強力で汎用性の高いマルチクラウド ネットワーキング ソリューションであり、分散型クラスタに展開可能なサービスを提供し、分散型アプリケーションのエンドツーエンドの可視化、ポリシー コントロール、集中管理を実現します。ワークロードとデータを接続するAPIベースの通信を利用してこのソリューション プラットフォームで最初に提供される製品の1つが、パブリックおよびプライベート クラウド、データ センター、エッジ サイト向けのWeb Application & API Protection(WAAP)であり、アプリケーション ワークロードの展開、管理、保護を容易にするF5の各種機能をグローバルPoPにより提供します。

通信事業者の最新のワークロードに対応した新しいF5 Cloud-Native Network Functions

当社はさらに、今年中に本番稼動する注目のソリューションとして、BIG-IP Cloud-Native Network Functions(CNF)も発表しています。F5はネットワーキングおよびセキュリティのインフラストラクチャのモダナイズと総所有コストの削減に向けた抜本的改革に不可欠な新しいアプリケーションの構築と展開に向けて、クラウドネイティブなアプローチをサポートすることに尽力しています。当社のチームは、お客様のご要望にお応えして、ゼロコピー メモリ アーキテクチャを利用して規模に応じて効率的に展開することで、俊敏性を向上し、ネットワーク運用を簡素化するBIG-IP CNFの構築を進めています。新しいF5 CNFのうち最初にご提供するCNFでは、柔軟にリソースを割り当てることで拡張性、自動化、回復力、管理性を高める必要のある、特に要求の厳しい環境の強化と最適化を図るためセキュリティに重点を置いています。ソフトウェアのフットプリントを削減し、Kubernetesでネイティブに制御できる水平方向のスケーリングを可能にするとともに、そのスケーリングをより堅牢なものにします。詳しくは、F5 CNFの概要をご覧ください。F5の新しいCNFは、サービス プロバイダのサービスをサポートするために、4Gと5Gの両方のユース ケースでの展開を想定しています。また、F5は先日、Light Readingと共同でウェビナー「4G、5G、あるいはその両方に対応するクラウドネイティブの時代が到来している」を開催し、当社のCNF戦略の概要について説明しました。

これらの真のクラウドネイティブ機能は、信頼性の高いF5 Security機能をリファクタリングまたは再構築したものですが、動的な弾力性と拡張性、継続的な導入と自動化の原則、そしてフットプリントの縮小というクラウドネイティブのメリットが追加されています。これらのCNFは2022年に一般に提供される予定です。

  • BIG-IP Edge Firewall CNF(F5のAFMがベース、DDoS機能を含む)
  • BIG-IP Policy Enforcer CNF
  • BIG-IP DNS CNF
  • BIG-IP CGNAT CNF

これらのCNFの動的弾力性と効率性を実現するための鍵は、CNFをF5 Cloud-Native Engineで実行することです。このエンジンはKubernetesプラットフォームと連携する可視化、サポート、ライセンス管理インフラストラクチャであり、当初はRed Hat OpenShiftおよびRobin.ioに対応し、その後、すべてのプラットフォームに対応する予定です。このエンジンは他のCNFベンダーもサポートする予定ですが、F5の機能の変更と統合により、全体のパフォーマンス、管理機能、分析機能はさらに最適化されます。クラウドにおける運用の簡素化は、S/Gi-LAN/N6上でVNF/CNFを統合する当社の重要なネットワーク サービスにも匹敵するものであり、現在60社以上のグローバル通信事業者のお客様に提供され、最新のアーキテクチャへの移行を推進しています。

新しいF5 CNFの使用例としては、通信事業者のネットワーク機能、ITワークロード、マネージド サービス(クラウドネイティブなCaaS/PaaS、vRAN、5G Core、S/Gi-LAN/N6統合、エッジでのセキュリティ)のサポートなどがあります。

VELOSプラットフォームによりクラウド上のマルチテナント密度を拡大

最後に、デジタル トランスフォーメーションでは仮想化(VNFやCNFなど)が重視されますが、サービス プロバイダが差別化された高性能かつ大容量のマルチテナント サービスを提供できるかどうかはハードウェアが決め手となります。VELOSはレイヤ4~7向けの当社の次世代シャーシ システムであり、従来のBIG-IPテナントの組み合わせや将来の次世代BIG-IPテナントをサポートし、マイクロサービスベースのアーキテクチャにおける真の可能性を引き出すことによって、従来と最新のアプリケーション アーキテクチャの架け橋となります。スポーツ イベントでの仮想現実(VR)、インタラクティブな小売ディスプレイ、IoT用のユビキタス データ センサーの提供にVELOSを使用した大手通信事業者の顧客事例をご覧ください。ここで重要なことは、このサービス プロバイダの高性能ソリューションにおいて革新的なソフトウェアとハードウェアの両方が重要な役割を果たしていることを理解することです。データ センター/コアとエッジ/ファー エッジの両方で性能を発揮するVELOSは、ハードウェア主導でサービス提供を改善する上で重要な役割を果たします。

今すぐクラウドを簡素化する

クラウドの強化、安全性の確保、簡素化を実現するため、現在のところF5 Distributed Cloud Services、S/Gi-LAN/N6統合、そしてVELOSアプライアンスをご利用いただけます。BIG-IP CNFは2022年に本番稼働する予定です。


James Feger、F5サービス プロバイダ担当副社長兼統括マネージャ