「ハードウェアは重要ではない」などという言葉を信じてはいけません。ハードウェアは至る所にあります。あらゆる携帯電話に。私たちが所有するFitbitやハイテク機器に。自動車に。ノートPCやタブレットに。家電にもますます組み込まれています。腕時計にも。そして、どうやら場合によっては、私たちの体内にも。ハードウェアはより小さく、より高速になり、広く普及しています。
アプリには、規模の大小を問わず、ハードウェアリソースが必要です。CPU、メモリ、ストレージ、ネットワーク。これらがなければ、どのアプリも動作しません。例外はありません。データセンターでもクラウド(データセンター)でも、ハードウェアはあらゆる場所に存在します。ハードウェアは、アプリを通じて人々のつながりやコラボレーションを深め、生活をより便利にするために必要な処理能力を提供します。
しかし、だからといって、データセンターのハードウェアが変化していないわけではありません。実際に変化しています。ハードウェアは今もあらゆるテクノロジーの基盤ですが、その上に構築するフレームワークや技術的な構造物(アプリ)は変化しており、場合によっては劇的に変わっています。リソースをプールし、アプリケーションを複数のサービスに分解して、基盤となるコンピューティングとメモリのメッシュをそれ自体が大規模な分散システムであるかのように利用できるようになった今、ムーアの法則はもはや制約ではありません。

こうしたデータセンターの変化を、リソースのプロビジョニング、管理、利用方法のモデルに基づいて、世代ごとに捉えています。
アプリインフラストラクチャの4つの世代
アプリケーションインフラストラクチャの世代の中で最も長く続いた「第0世代」では、マシンを起動してアプリケーションを立ち上げ、何年も連続稼働していることを誇らしげにアピールしていました。次に仮想化の時代が到来し、マシンを起動して、仮想マシン上で稼働するアプリケーションを再開するようになりました。単一システムの稼働時間はもはや時代遅れとなり、アプリケーションの可用性が重視される指標になりました。クラウドでは、ボタンをクリックするだけでサービスを立ち上げ、手間をかけずにスケールアップやスケールダウンができます。そしてポストクラウド世代では、デイトナのピットクルーも羨むほどの速さで、コンテナが魔法のように自ら複製します*。
アプリケーションインフラストラクチャの世代交代の間隔は短くなっています。第0世代から第1世代までには数十年を要しました。仮想化は以前から存在していましたが、本格的に普及したのは2010年近くになってからです。クラウドは?2015年。コンテナは?まだ2018年にもなっていないのに、急速に進展しています。各世代は、前世代の失敗や欠点を踏まえ、それらを改善しようとしながら、そこから得た教訓を基に進化しています。こうした改善の中核にあるのが、スピードとスケールです。市場投入とデリバリーのスピード。そして、ビジネスと、それを支えるアプリケーションのスケール。この2つが、データセンターのあらゆる側面に影響を及ぼす進化を後押ししてきました。
こうしたアプリやサービスには、今もハードウェアが必要です。リソースは、たとえ魔法のように現れると見えたとしても、実際に突然現れるわけではありません。仮想化とクラウドが急速に普及した理由の1つは、まさにそこにあります。それがまるで魔法のように見えたからです。しかし、魔法は結局のところ幻想にすぎません。コンピューティングの場合、ハードウェア(およびハードウェアが提供するリソース)は今も存在します。変わったのは、そのプロビジョニング、管理、利用の方法です。そして、こうした変化はデータセンター内のあらゆるラックに大きな影響を及ぼしています。
そして、この変化によって世代間のギャップが生じており、NetOpsにはその解消が求められています。
自動化と迅速な対応が不可欠
組織には今、新しいアプリケーションやAPIを大規模かつ迅速に提供することが求められており、クラウドやコンテナの利用、オンプレミスかオフプレミスかを問わず、自動化が必要になっています。アプリやアプリサービスがハードウェアリソースを使用する期間が短くなったことで、リソースを驚異的な速さで再利用しなければなりません。手作業のプロセスや長い起動時間では、こうしたシステムの目まぐるしいペースに対応できません。そのため、迅速なスケーリングに必要なサービスの作成と破棄を高速かつ頻繁に行える、コンテナ化されたクラウド(または少なくともクラウドに類似した)フレームワークが必要です。
自動化、リソース消費、サービス作成の速度が、データセンターの世代を分ける境界線となります。第2世代(クラウド)から第3世代(コンテナ)への移行だけでも、これらの特性は大きく変化します。リソースの利用期間が数か月や数年ではなく数分単位になることが大きく寄与し、世代が進むごとに、完全に自動化された1秒未満の応答性へとさらに近づきます。

だからこそ、今、NetOpsが非常に重要な重点領域となっている(あるいは、そうあるべきな)のです。第2世代および第3世代のアプリインフラストラクチャから生じる要件の影響を最も大きく受けるのは、従来ハードウェアを中心としてきたネットワークだからです。IT部門は、4つの世代すべてにまたがるアプリケーションインフラストラクチャのサポートを求められることが多く、そのためネットワークのコストとインフラストラクチャを共有しなければならない場合が少なくありません。その結果、専用アプライアンスが必要になることもよくあります。ただし、アプリサービスが従来型のアプライアンスでホストされている場合でも、第2世代または第3世代のアプリインフラストラクチャモデルから利用できる仕組みを提供する必要があります。
第1世代を支えるために必要な信頼性を維持しながら、最新世代の要求に応えるには、セルフサービスと自動化を活用する必要があります。そのためには、チケット管理システムとの統合や、APIおよびダッシュボードを介した分析情報の提供が必要です。基盤となるハードウェアが専用設計かCOTSかを問わず、ネットワークは、第2世代または第3世代のアプリケーションインフラストラクチャと同等の迅速さで応答する、利用可能かつ自動化可能なリソースとして提供されなければなりません。

場合によっては、ネットワークとアプリケーションサービスにおいても、配信対象のアプリケーションと同じ形態のインフラストラクチャを採用する必要があります。負荷分散やWebアプリケーションセキュリティなどのアプリケーションサービスは、開発者による採用が進み、アプリケーションのアーキテクチャやインフラストラクチャに組み込まれるようになっています。一方、特にセキュリティ分野の一部のサービスは、第2世代(クラウド)環境では十分に機能しないか、まったく機能しません。そのため、これらのサービスは、クラウドから利用でき、コンテナ化され、容易にアクセスできるようにする必要があります。
データセンター内に存在する世代間のギャップは、組織に問題をもたらす可能性があります。デジタルトランスフォーメーションの取り組みを妨げ、完全に停滞させることさえあります。また、開発部門とIT部門、IT部門と事業部門、事業部門と顧客の間に確実に摩擦を生じさせます。API、セルフサービス、自動化を活用し、第2世代および第3世代のインフラストラクチャモデルをサポートするために必要な利用モデルに対応するNetOpsの取り組みによって、こうした摩擦を軽減できます。
成熟したデータセンターでは、世代の異なるアプリケーション間に複雑さや、ときに相反する要件が存在します。そのため、NetOpsがこの課題に立ち向かう必要があります。4世代のアプリケーションインフラストラクチャを同時にサポートするには、ネットワークとそれに関わるすべてを変革しなければなりません。
*NASCARのピットクルーは、4本すべてのタイヤ交換を伴うピットストップを12秒以内に完了することを目指します。記録上最速のピットストップは、わずか8秒でした。クルーの作業スピードが、ドライバーの成功を左右します。
著者について

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。
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