F5がAIの力を引き出す方法

F5エコシステム | 2024年2月07日

F5は、アプリケーションの未来がマルチクラウド、APIファーストとなり、AIによって支えられると考えています。AppWorld 2024では、AIの可能性を実現する新たなデータプラットフォーム、F5 AI Data Fabricを発表しました。このイノベーションは、AIを活用してアプリとAPIの保護をより迅速に強化し、驚くほど簡単なユーザー体験を実現するための大きな一歩です。

今、誰もがAIに大きな関心を寄せていることは明らかです。あらゆる革新的なテクノロジーと同様に、AIはメリットとリスクの両方をもたらす可能性があります。F5は、AIを簡単かつ安全に導入し、利用できるようにするという本質的な課題に取り組むイノベーションを進めています。F5 AI Data Fabricにより、F5のポートフォリオ全体でAIの導入を加速していきます。また、AIの具体的な活用方法の一部が、アプリとAPIのセキュリティを大きく変えると確信しています。

F5の新しいデータプラットフォームとは?

まず、その仕組みから説明します。F5 AI Data Fabricは、F5のポートフォリオ全体にわたる製品から得られる膨大なデータを基に、インサイトの生成を支援する各種サービスを提供します。このデータからレポートや分析結果を提供できるほか、機械学習モデルをトレーニングしてデプロイし、推論を実行することで、アプリのセキュリティ強化と最適化を支援できます。このアプローチにより、F5 Distributed Cloud Services、NGINX、BIG-IPのデータを集約し、Distributed Cloud Consoleを通じてインサイトを提示できます。

AIはどこで活用されるのか

このデータファブリックの主要な構成要素の1つがAIエコシステムです。これは、製品チームやユーザーが機械学習とAIをはるかに利用しやすくするために設計された、モデル、モジュール、APIの集合体です。私たちの言葉で言えば、「驚くほど簡単」に利用できます。これにより、製品へのAIの組み込みが加速し、アイデアをAI対応アプリへと極めて迅速に発展させることができます。

例を挙げます。教師あり学習モデルをトレーニングしたことがあれば、大量のデータが必要で、しかもそのデータにラベルを付ける必要があることをご存じでしょう。質の高いラベル付きデータを見つけるのは難しく、データに適切なラベルを付ける作業には数週間かかることもあります。急速に変化する脅威環境に対応するモデルを構築するには、それでは間に合いません。

そこで登場するのが、AIと大規模言語モデルです。この課題に対処するため、センテンストランスフォーマーを活用してトレーニングデータセットをベクトル化し、セマンティック検索によってデータラベリングプロセスを立ち上げ、自動化します。その後、同様の手法を用いてモデルをトレーニングし、改良できます。たとえば、SQLインジェクション攻撃を検知する分類器を構築するとします。攻撃の例が1つあるだけで、F5 AI Data Fabricが、データのラベリング、モデルのトレーニング、デプロイ用コンテナへのパッケージ化という一連のプロセスを進められるよう支援します。以前は数日から数週間かかっていた作業が、今では数分で完了します(しかも、私はデータサイエンティストですらありません)。

分類モデルのトレーニングとデプロイが完了したら、再びAIを活用できます。正規表現の生成用にトレーニングされた大規模言語モデルを使用することで、エッジにデプロイしてリアルタイム検知に利用できるシグネチャを生成できます。ボタン操作だけでシグネチャを生成できるため、新たな脅威が出現した際にも迅速に対応できます。

AIエコシステム内でこれらの機能を活用することで、新しい検知モデルを構築し、そこからシグネチャを生成するまでの時間を大幅に短縮できます。そのため、新たな脅威にも極めて迅速に対応できます。新しい攻撃タイプが出現した場合、専門家はデータプラットフォームに検知機能を迅速に追加できます。生成AIは、F5とお客さまのコストを抑えながら、より優れた検知機能の提供と迅速化に役立ちます。

そして、これはAIによって実現できる数多くのユースケースの1つにすぎません。

お客さまについてはどうでしょうか?

前述のとおり、F5 AI Data Fabricは、脅威への適応と対応を迅速化するうえで役立ちます。また、生成AIはユーザー体験を大幅に向上させる可能性があります。

このテクノロジーをお客さまにご活用いただけるよう、目標達成を支援するインテリジェントなパートナーとなるAIアシスタントを今年後半に導入する予定です。高度な自然言語インターフェースを通じて、ユーザーはデータについて質問し、リアルタイムでダッシュボードを生成できるようになります。また、製品構成を生成したり、ポリシーの実装に関する支援を受けたりすることも可能です。F5 AI Data Fabricを基盤とするこのツールは、組み込み型のカスタマーサポートマネージャーとして機能し、ユーザーは質問を行い、F5が利用できる集合知に基づく推奨事項を受け取れるようになります。

ユーザーは、自社のデータについて「先週、インフラストラクチャに対する攻撃は何件あったか。そのうち、SQLインジェクション攻撃は何件だったか。攻撃元はどこか」といった質問ができるようになります。これにより、データを操作して回答をすばやく得たり、可視化したり、推奨される修復策を実施したりすることが、はるかに容易になります。また、「新しいアプリにボット対策を設定するにはどうすればよいか」といった質問をすると、チャットボットが設定方法を要約します。さらに、ガイダンスを提供するだけでなく、「WAFを有効にしたロードバランサーの設定を生成して」と指示すれば、そのタスクを実行できるようになります。

今後数か月のうちに、この機能をDistributed Cloud Servicesのお客さまに提供し始める予定です。現在開発中の機能をご紹介できることを、心からうれしく思います。

私が最も期待していること

AIと大規模言語モデルがあらゆる場面で活用されているのには、十分な理由があります。人々とアプリケーションとの関わり方を根本から変える可能性があるからです。中でも私が最も期待しているのは、大規模言語モデルを活用して、お客さまのセキュリティ成果を飛躍的に向上できる可能性です。

セキュリティ市場では、検知精度の課題が長年にわたって問題となっており、残念ながら多くの組織がそれをやむを得ないものとして受け入れてきました。F5は、より優れた検知を容易にする画期的な取り組みを進めています。さらに、お客さまが安全な方法で意見を提供し、検知手法の改善に役立てられるようにします。

F5のAI Data Fabricは、広範な顧客基盤に展開されたF5テクノロジーと、質の高いデータへのアクセスを活用できます。F5は世界のアプリケーションの約半数に及ぶデータパス上に位置し、F5製品には毎日550ペタバイトのデータが流れています。F5のAIソリューションは、他に類を見ない規模のデータセットを活用できるようになります。そして、これはまだ始まりにすぎません。

何よりもまず、F5はイノベーターとして、AIを活用し、より優れたアプリとAPIセキュリティを、より迅速かつ低コストで提供するための可能性を大きく広げています。未来を動かすのはAIであり、F5はその先頭に立っています。AIによって次にどのようなイノベーションを実現できるのか、楽しみでなりません。

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