F5の創立30th周年を記念して、キャリアを通じてF5の企業としての成長を支えてきた世界各地の従業員にスポットライトを当てています。「F5の30年を支えたF5ers」シリーズの第3回では、ノルウェーのアスケーを拠点とするプリンシパルソリューションマーケティングマネージャーのTruls Hofvindをご紹介します。
2000年8月当時、クラウドといえば空に浮かぶ雲のことでした。Nokiaの携帯電話には絵文字がなく、地図は紙に印刷され、コンピューターのバックアップにはCDが使われていました。そして、インターネットはドットコムブームの絶頂期を迎えていました。
Truls HofvindがF5に入社したのは、そんな時代でした。
当時、F5の従業員は全世界で240人未満で、海外展開を始めたばかりでした。それから26年以上が経過した現在、F5で働く6,500人以上の従業員のうち、Trulsは創業初期から在籍する17人の1人です。
「入社初日に、今もここで働いているだろうと言われていたら、当時のスタートアップ企業の寿命は数十年ではなく、数か月単位だったことを伝えたでしょう」と彼は語ります。
あれから多くのことが変わりました。それでもTrulsにとって、2000年当時にF5を特別な存在にしていた多くの魅力が、今もここで働き続ける理由となっています。

米国での創業から海外展開へ
実は、TrulsとF5の歩みは、入社初日を迎える前から始まっていました。
ミュンヘンでネットワーク機器ベンダーの3Comに勤務していたTrulsは、3Com CoreBuilderスイッチ上でF5 BIG-IPソフトウェアを動作させることを目指した提携を通じて、F5の技術に出会いました。このプロジェクト自体は実現しませんでしたが、Trulsと数人の同僚は、インターネットのトラフィックとコンテンツの管理という新たな市場に大きな可能性を見いだしました。その後、3Comの大規模な組織再編を受け、彼らはF5への入社を決めました。
入社初日は2000 年 8 月 1 日。その幕開けは、彼らしく国境を越える冒険でした。Trulsは新入社員研修のためシアトルへ向かいました。米国外からの参加者を迎えるのは、この研修が初めてでした。当時はまだ出張手配を委託する旅行会社がなかったため、F5の欧州・中東・アフリカ(EMEA)担当ディレクターが自ら航空便を予約し、一行は5つの異なる航空会社を利用して現地に向かいました。
ヨーロッパに戻ったTrulsは、すぐに仕事に取りかかりました。最初のプロジェクトは、F5のEMEA向け価格表をWord文書からExcelスプレッドシートに変換し、新しい割引体系を作ることでした。
その後まもなく、F5の本社部門でもこのモデルが採用されました。20年以上が経過した今も、このモデルはF5のパートナー向け価格設定と割引体系の基盤となっています。
これは、Trulsがその後のキャリアを通じて繰り返し実感することになる、初期の学びでした。F5では、優れたアイデアは、どこから生まれたものであっても影響をもたらす可能性があるのです。
自分のキャリアを自ら築く自由
新しい役職に就いて数か月後、TrulsはF5がほかとは違うと感じる出来事を再び経験しました。採用時の肩書きは「チャネルリエゾンマネージャー」でしたが、1つだけ問題がありました。本人でさえ、その肩書きが何を意味するのか、はっきりとはわかっていなかったのです。そこで、欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域のディレクターに、肩書きを「プロダクトマーケティングマネージャー」に変更できないかと相談しました。
返ってきた答えは、「もちろん、いいですよ」でした。
2005年、Trulsと家族がミュンヘンからノルウェーに戻ることを決めたとき、その柔軟性はさらに大きな意味を持つようになりました。Trulsは、転居するならF5を辞めなければならないと考えていました。しかし、その必要はありませんでした。リモート勤務に切り替え、それ以来ノルウェーを拠点に、EMEA全域にわたる国際的な役割を担い続けています。
テクノロジーは変わっても、基盤は変わらない
Trulsは26年以上にわたり、F5が技術の大きな変化に対応する姿を見てきました。インターネットの商用利用の黎明期から、クラウド、マルチクラウド、アプリケーションセキュリティ、そして現在のAIに至るまで、その歩みを見守ってきたのです。
しかし、20年以上前のプレゼンテーションや文書を見返すと、今も変わらないことがあると、たびたび気づかされるそうです。
BIG-IPはすでに基盤となる技術でした。F5は当時から、アプリケーションの配信、管理、保護に関する複雑な課題を解決していました。2001年初頭のタグライン「よりスマートなWebを実現するインテリジェントな構成要素」さえも、今なお驚くほどなじみ深く感じられます。
テクノロジーは劇的に進化しましたが、お客さまの難しい課題の解決に注力する姿勢は変わっていません。
Trulsが今も覚えているお客さまとのエピソードの1つは、2008年の北京夏季オリンピックを控えたInterop Las Vegasでの出来事です。ノルウェー放送協会(NRK)は、需要の大幅な増加に備え、ネットワーク容量を迅速に拡張する必要がありました。
F5はその少し前に、同社初のシャーシ型アプリケーションデリバリーコントローラーであるVIPRIONを発表していました。TrulsがF5の製品管理部門による説明の場を設ける手助けをし、NRKのチームと展示会場を回った後、NRKは決断を下しました。
NRKは、EMEAで初めてVIPRIONを導入したお客さまとなりました。
Trulsにとって、そのような瞬間は、F5の成長に携わることに大きなやりがいを感じる理由を物語っています。
「F5が1億ドル規模の企業から30億ドル規模の業界リーダーへと成長する過程に貢献できたことを誇りに思います」とTrulsは語ります。「その間、数え切れないほどの製品発表、製品ガイドやニュースレターの制作、キャンペーン、ウェビナー、プレゼンテーション、説明会、ロードショー、イベントを推進してきました。」
国境を越えて築いたキャリア
TrulsにF5での心に残る思い出を尋ねると、その多くには、これまで出会ってきた人々が関わっています。
これまでのキャリアを通じて、日本でのお客さま訪問をはじめ、シンガポール、ジャカルタ、ウィーンでのF5サミット、米国でのグローバルマーケティング会議、そして数え切れないほどの年次営業会議に足を運んできました。
そうした経験を通じて、個々のプロジェクトの枠を大きく超えた関係が築かれました。
親しい同僚のKeiichiro Nozakiさんは、東京からエディンバラでのF5イベントに向かう途中、2人でノルウェーの憲法記念日を祝うためにオスロに立ち寄ったこともありました。また、2人は何年にもわたり、製品チームやマーケティングチームとの打ち合わせのため、毎年一緒にシアトルとサンノゼを訪れていました。
こうしたグローバルな連携は、今もTrulsがF5で最も大切にしていることの1つです。
「私たちのEMEAマーケティングチームは、地域、文化、言語の面で非常に多様性に富んでいます」とTrulsは語ります。「ノルウェーから南アフリカ、アイルランドからアラブ首長国連邦まで、日々互いに学び合うことが、私たちの成功の原動力になっています。」
そして、その歩みには、いつも家族が寄り添ってきました。
娘のMarenさんは、かつて父親に「F5を辞めちゃだめ」と言ったことがあるそうです。彼女はまさに、会社とともに成長してきました。今年に入ってからは、ハワイで開催されたPlatinum Clubの祝賀イベントに父親と一緒に参加しました。
Trulsにとって、それは20年以上の時を経て、原点に立ち返る瞬間でした。
これからも未来を形づくる
26年以上にわたり、TrulsはF5がスタートアップから世界的なテクノロジーリーダーへと成長する姿を見てきました。新たなテクノロジーの登場や市場の変化、買収によって新たな人材や能力が社内にもたらされる様子、そしてF5が絶えず自らを変革する姿を見届けてきました。
今、AIが新たな大きな転換をもたらしています。「AIの台頭により、私たちはかつてない技術的転換期を迎えています。高性能なアプリケーションとデータのセキュリティを確保し、配信するうえで、F5は重要な役割を果たすことになります」とTrulsは語ります。「エンジニアリングとマーケティングの両方の視点を持つ私にとって、この次の章に貢献できることは、何にも代えがたい機会です。」
2000年8月以来、多くのことが変わりました。それでも、TrulsがF5で働き続ける理由は、入社後の数か月で見いだした魅力と驚くほど変わりません。信頼、柔軟性、協働、自主性、そして誰もが影響力を発揮できることです。
「F5では、意義のある変革を推進するために、VPやディレクターの肩書きは必要ありません」と彼は言います。「私たち一人ひとりが、メンターとしての役割を担い、自ら行動を起こし、ビジネスのあり方を形づくる権限を与えられています。」
では、F5で25年を超えるキャリアを持つ彼は、新しく入社した仲間にどのようなアドバイスを送るのでしょうか。「当初の予定よりもずっと長く働く心づもりでいてください。F5で働くことは、まさにいつまでも贈り物を受け取り続けるようなものです。」
では、Trulsが2000 年 8 月 1 日に戻り、若き日の自分に一言だけ伝えられるとしたら?「今、君は自分のキャリアで最高の決断をしたんだよ」
F5erには、一人ひとり独自のストーリーがあります。過去のブログ「F5の30年を支えたF5er」では、Jack WangとLaura Hendricksonのストーリーをご紹介しています。ぜひご覧ください。
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