歴史的に見ると、サイバーセキュリティは比較的新しい懸念事項であり、この10年で優先度が高まったと考える人は少なくありません。しかし実際には、その歴史は、まだ大半の人がコンピューターを所有していなかった1980年代にまでさかのぼります。1988年、Robert Morris氏が誤ってコンピューターワームを作成し、初期のインターネットの速度を大幅に低下させました。当時は、悪意のあるソフトウェアを懸念する人はほとんどおらず、保護ソフトウェアをインストールしている人もいませんでした。このワームは、当時インターネットに接続されていたコンピューターの10%に感染しました。
現在のインターネットははるかに大規模になりましたが、安全性はそれほど向上していないのかもしれません。実際、悪化した点もあります。今日では、アプリケーションが多くの企業にとって価値提案の中核を成しているため、これを狙うサイバー攻撃者が大幅に増えています。F5 Labsの2019年版「Application Protection Report」では、「ポート、侵害、漏えいしたレコードのいずれを基準に測定しても、アプリケーションはインターネット上で最大の標的です」と述べています。
デジタルトランスフォーメーションの進展に伴い、アプリケーションの利用領域も拡大しています(Web、モバイル、API、マイクロサービス、ボットなど、多様化し続ける形態を考えてみてください)。さらに、最新のアプリケーションアーキテクチャは多様で、ハイブリッドクラウドやマルチクラウド環境にまたがっており、各アプリケーションサービスには侵害や露出拡大の可能性があります。アプリケーション層への攻撃は依然として最も多い攻撃であるため、各アプリケーションサービスを保護する必要性はこれまで以上に高まっています。
高度な攻撃キャンペーンの中には自動検知が難しいものもあるため、一般的なセキュリティツールだけでは十分に防御できない場合があります。アプリを包括的に保護するには、最新のWebアプリケーションファイアウォール(WAF)に、リアルタイムで戦略的かつ実用的な脅威インテリジェンスを備える必要があります。社内での手動による脅威ハンティングが最適な方法となる組織もありますが、コストと有効性の面で現実的なアプローチとはならない可能性があります。
F5のアプローチ:前述のセキュリティ環境により適切に対応するため、F5はThreat CampaignsサブスクリプションをF5 Advanced WAFのアドオンサービスとして導入しました。このサービスは、進行中の攻撃キャンペーンやマルウェアを検知することで、高度な攻撃からアプリケーションとITインフラストラクチャを保護できるよう支援します。
歴史上の事例との比較に戻ると、特定の攻撃の背後にいる人物を突き止めることは、1988年にMorrisが行ったように、その人物が不安を感じて謝罪文や警告を発信するのを待つほど簡単ではありません。F5 Threat Campaignsは、標的に関する情報、ペイロード分析、戦術、防御策、悪意のあるリクエスト、意図について、状況把握に必要な情報をプロアクティブに収集できます。これにより誤検知が減少し、セキュリティチームは効果的な緩和策を講じられるようになるため、全体的なコストの削減につながります。
F5は、開発者、セキュリティチーム、運用チームがビジネスのスピードを損なうことなくセキュリティ機能を拡張できるようにすることで、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援しています。正確で洞察に富むデータの価値は、侵害から1か月後ではなく、攻撃が発生する前に脅威を検知して対処することで発揮されます。F5 Threat Campaignsは、ハッカーによる攻撃の初期段階のアプローチを把握し、攻撃をプロアクティブにブロックできるよう支援します。
他のセキュリティソリューションと同様に、F5 Threat Campaignsですべての問題を解決できるわけではありませんが、重要な防御線となり得ます。アプリケーションは組織のビジネスモデルに不可欠です。多くの場合、企業はアプリに依存しているだけでなく、アプリそのものがビジネスです(Airbnb、Uber、Netflixなどがその例です)。
現在広く見られる攻撃の多くは新しいものではありませんが、そのリスクや継続的に適切な緩和策を講じる方法が十分に理解されていないため、今なお頻繁に発生しています。
根底にある構図は単純です。アプリケーションのセキュリティが不十分であれば、組織はビジネスを失います。現代社会にサイバーセキュリティは不可欠であり、組織や競合他社の事業基盤を脅かす「熊」から、誰もが逃げ切れるわけではありません。サイバー犯罪が増えるほどサイバーセキュリティも発展し、逆にサイバーセキュリティの発展に伴ってサイバー犯罪も増えるという循環が生じます。
だからこそ、今後もこうした攻撃について取り上げていきます。また、デジタルトランスフォーメーションの時代において、サイバーセキュリティの重要性がますます高まっているのも、このためです。
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