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IT モダナイズの第一歩はインフラから

Lori MacVittie サムネール
Lori MacVittie
Published September 08, 2022


長い年月を生きていると、テクノロジの飛躍的な変化を感じます。子供の頃の懐かしいものと言えば、8ビットゲームや原始的なゲームコントローラが思い出されますが、今日のゲームコンソールやアクセサリとはまったく比較にならないものです。

「発売当初のすべてのXbox(2001年)コントローラには、1993年以前のすべてのゲームコンソールのCPUよりも強力な24 MHzチップが搭載されています。」

- Benj Edwards

しかし、最新のコンソールを見ただけでは、どれだけ進化したか分からないでしょう。正直に言うと、Xboxは物理的には箱です。平らなものもあれば高さのあるものもありますが、最終的には適切な名前が付けられます。しかし、単なる箱にしか見えません。真の違いはその内部、つまり、技術の進歩を活用するために最適化されたシステム アーキテクチャにあります。

たとえば、Xbox Series Xのアーキテクチャを深く掘り下げると、パフォーマンス向上を目的とした、ハードウェアに依存する多くの機能があることが明らかになります。Microsoftがゲーム プラットフォームをモダナイズした方法として、SSDの使用、ハードウェア アクセラレータによる圧縮解除、DirectStorage APIによりモダナイズされたI/Oなどがありますが、これらはそのほんの一部にすぎません。

結局のところ、重要なのは内部のハードウェアです。

しかし、ソフトウェアはそれ以上に重要です。ソフトウェアがなければ、近年の速度と計算能力の大幅な向上を生かすことができないからです。

これは、F5が最近公開した、『デジタル・ビジネスのためのエンタープライズ・アーキテクチャ』に関する論文にある「インフラストラクチャのモダナイゼーション」に関する章はこれらを前提としています。システムからハードウェア、さらにはネットワークに至るまで、テクノロジはインターネットの黎明期から急速に進化してきました。小型化と高速化が進み、さらに多くの機能がハードウェアに組み込まれていることでパフォーマンスと容量が向上しています。現在でも残っている例としては、グラフィックスのレンダリング、暗号化式の計算、ネットワーキング、小さなスペースに収まる超小型カードでのデータ処理の超高速化を実現しているxPU空間(DPU、GPU、NPU)があります。

デジタル トランスフォーメーションに取り組んでいるすべての組織(そして読者の皆様の多く)は、モダナイゼーションを目標にインフラを評価する必要があると考えています。特に、これは、サポートするアプリケーションとサービスにおいて容量と速度の向上を実現する新しいシステムに移行することを意味します。

ただし、箱を別の箱に交換するだけでは、モダナイゼーションのすべてのメリットが得られるわけではないと気付くことが重要です。

プロセスのパワー

インフラのモダナイズについて、もう1つの同じく重要な部分は、プロセスに関するものです。つまり、プロセスをワークフローにオーケストレーションし、変更の速度とフィードを向上させることです。これが重要である理由は、迅速に変更できる能力とは、デジタル化に乗り出したばかりの組織と、デジタル的に成熟した組織を区別するものであるためです。テクノロジ リーダーはこれを認識しており、彼らの74%は「既存のITインフラが原因で、システムやアプリケーションの変更が困難である」と答えています(エンタープライズ アーキテクチャの状況2021年より)。

問題はハードウェアそのものではなく、ハードウェアの管理方法と、システムやアプリケーションの最適化、保護、パッチ適用、または移行に必要な変更です。

つまり、インフラをモダナイズするには、変更を実行するプロセスのオーケストレーションに使用するツールとテクノロジをサポートする能力に注意する必要があります。そのオーケストレーションに対応するための最善の方法の1つであり、デファクト スタンダードになりつつあるのは、他のシステムとの統合、特定のタスクの自動化、およびワークフロー全体のオーケストレーションを簡単に行えるAPIに対応した、インフラを使用することです。

アプリケーション デリバリのモダナイズ

インフラのモダナイズに影響される領域として、アプリケーション デリバリがあります。これは、アプリケーション、API、デジタル サービス、さらにはその他のシステムを保護および最適化するために必要なツールとテクノロジを提供するインフラです。

(企業としての)私たちは、インフラのモダナイズに対するお客様のニーズを認識した時、私たちのシステムにも同様のニーズがあることに気付きました。私たちは、お客様に指導したことを実践するために、従来のシステムをモダナイズして、新しいハードウェア機能を活用し、自動化とオーケストレーションに対するAPI駆動型アプローチのニーズに対応しました。

その結果、実現したのがF5 rSeriesです。これは、完全に再設計したAPIファーストのプラットフォームにより、従来のインフラと最新のインフラ間のギャップを埋める、次世代アプライアンスです。rSeriesは、旧世代のiSeriesプラットフォームに比べ、最大2倍の拡張性とパフォーマンスの向上を実現することにより、あらゆるアプリケーションやサービスのニーズを満たすように設計されています。これは、ハードウェア アクセラレーションに最新のFPGAを使用し、25Gと100Gの両方のインターフェイスをサポートすることで実現しました。お客様は、ECCパフォーマンスが何倍も向上し、CPU使用率が低下することを実感できます。つまり、エンド ユーザーは、パフォーマンスと応答性が向上することを実感できるのです。

F5 rSeriesは、F5のTMOSソフトウェアと完全に統合されたF5 OS(新しいKubernetesベースのプラットフォーム レイヤ)を利用しており、APIファーストで完全に自動化可能なエクスペリエンスを提供し、変化率を高めることができます。これは、ユーザー エクスペリエンスに影響を与えるポリシーと構成を調整する場合、または新しいアプリケーションの導入や更新を行う場合に重要です。

rSeriesの機能が向上すると、多数の旧式モデルの統合が可能になるだけでなく、モダナイゼーションの取り組みのペースを加速させることができます。これには、市場投入までの時間を短縮して運用および所有の総コストを削減する高度な自動化やオーケストレーションの採用が含まれます。

インフラのモダナイズは、デジタルビジネスを実現する過程で、必要なステップです。アプリケーション デリバリも例外ではありません。F5のrSeriesは、速度やフィードと併せて柔軟性を向上させ、技術と運用の両面において、モダナイゼーションの取り組みの加速化を支援します。