世界のデジタル化が進む中、アプリケーションとAPIは、仕事、銀行取引、買い物、医療サービスの利用、旅行、娯楽など、あらゆる体験を支える基盤となっています。しかし、ビジネスを支えるアプリとAPIの運用は、ますます複雑になっています。F5の2023年版アプリケーション戦略の現状(SOAS)レポートによると、組織の85%が複数のアーキテクチャでアプリケーションを運用し、分散環境に展開しています。また、提供するデジタル体験のセキュリティは、最も脆弱なアプリまたはAPIのセキュリティに左右されます。今日のITリーダーは、増加するサイバー攻撃、厳格化する規制要件、コストの上昇、予算の縮小に加え、アプリのセキュリティ、可用性、総合的な体験に対するエンドユーザーの期待の高まりにも直面しており、困難な課題を抱えています。
幸い、その複雑さを軽減しながら、アプリとAPIのセキュリティと信頼性を強化する方法があります。
F5は、アプリケーションとAPIがデジタル企業にとって最も価値ある資産であると考えています。アプリケーションとAPIは、組織のデータを抽出して価値あるものへと変えるだけでなく、デジタル分野をリードする企業が顧客や従業員とのエンゲージメントを高め、バックエンド業務を効率化し、差別化を図るための手段でもあります。F5は25年以上にわたり、世界各地のさまざまな業界の組織と連携し、アプリケーションとAPIのセキュリティと可用性を確保し、エンドユーザーの期待に応えるパフォーマンスを実現できるよう取り組んできました。F5の最高製品責任者として、F5の新しいマルチクラウドセキュリティソリューションが、お客さまのビジネスのデジタル世界での成長にどのように貢献できるかをご紹介できることをうれしく思います。
現代のデジタル世界:分散化、多様化、そして危険性
F5のお客さまからは、ビジネスニーズに最適に対応するには、アプリケーションごとに特定のパブリッククラウド、エッジロケーション、オンプレミスデータセンターなど、適切な環境を柔軟に選択できることが重要だという声が寄せられています。しかし、その柔軟性には大きな代償が伴います。潜在的なサイバー攻撃の対象領域が急激に拡大し、デジタルサービスの健全性とパフォーマンスをエンドツーエンドで可視化できなくなるほか、運用の複雑さとコストも大幅に増加します。
サイバー犯罪者は、この憂慮すべき機会をすかさず悪用しようとしています。Cybersecurity Venturesによると、情報漏えいは39秒に1件、ランサムウェア攻撃は14秒に1件発生しています。1 2022年9月には、犯罪者がセキュリティで保護されていないAPIエンドポイントを介して、約1,000万人分の通信事業者の顧客記録にアクセスしました。そこには、各顧客の名義で不正な銀行口座を開設できるほどの個人を特定可能な情報が含まれていました。2 2022年3月には、フィッシング詐欺により、北朝鮮のハッカーがオンラインゲームから6億ドルを超える暗号資産を盗み出しました。3 しかも、これは2022年だけでサイバー犯罪者がもたらしたと推定される6兆ドルの損害のごく一部にすぎません。4 この規模を国に例えると、サイバー犯罪は米国と中国に次ぐ世界第3位の経済規模に相当します。
1年余り前、私は、組織が堅牢なアプリケーションおよびAPIセキュリティ機能を導入する必要性について論じました。これにより、分散環境全体で一貫したセキュリティポリシーを管理し、適用できます。従来型とモダンのアプリケーションアーキテクチャ、複数のクラウド、オンプレミスのデータセンター、エッジサイトにまたがる攻撃対象領域が拡大し続けるなか、この取り組みは現在、さらに緊急かつ重要になっています。
分散環境の管理とセキュリティ確保を容易に
こうした分散環境は、デジタル社会における新たな標準となっています。そのため、分散環境に伴う運用の複雑さを軽減することが不可欠です。明確にしておきたいのは、マルチクラウドネットワーキングとは、単にネットワーク層とトランスポート層でクラウドを接続することではないという点です。このようなアプローチは運用が複雑で、リソースの競合を招く可能性があるうえ、アプリやAPIのセキュリティ強化にはほとんど寄与しません。より優れたアプローチは、トランスポート層からプレゼンテーション層までを網羅し、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)、APIセキュリティ、ボット管理、DDoS防御などのアプリケーションセキュリティ機能を統合したマルチクラウドネットワーキングソリューションを導入することです。
包括的なマルチクラウドネットワーキング(MCN)ソリューションを導入するうえで、まず有効なのは、セキュリティエコシステムを構成するコンポーネントとベンダーの数を減らすことです。2023年のSOAS調査で、回答者の88%が複数のポイントソリューションに代えてセキュリティプラットフォームを導入していると答えたのも、そのためかもしれません。F5が「F5 Distributed Cloud Platform」に多額の投資を行っている理由もここにあります。これは、従来型アプリとモダンアプリをどこに導入しても、セキュリティの確保、配信、最適化を容易にするために構築されたハイブリッドおよびマルチクラウドソリューションです。
Distributed Cloud Servicesは、ネットワーク層とアプリケーション層の両方で接続性とセキュリティを提供します。これにより、単一のクラウドサービスプロバイダー内の拠点間や、異なるプロバイダー間を安全に接続できます。また、分散型デジタルサービスをネイティブに接続して保護することで、ビジネスの運用上の複雑さを軽減しながら、エンドユーザーに優れたセキュリティ、可用性、パフォーマンスを提供できます。
アプリケーションとAPIのポートフォリオ全体で、一貫したマルチクラウド対応のアプリケーションセキュリティおよびデリバリーソリューションを使用することで、セキュリティを強化し、パフォーマンスとレジリエンスを向上させ、導入を効率化するとともに、オンプレミス、パブリッククラウド、エッジの各環境にわたってポリシーを統一できます。データセンターに導入されたレガシーアプリケーション、APIで接続されたハイブリッドアプリケーション、分散Kubernetesクラスターを利用するマイクロサービスベースのアプリケーションのいずれを運用している場合でも、また最新のSOASデータによれば最も可能性が高い、これらすべてを運用している場合でも、F5が対応します。
マルチクラウドネットワーキングのための、より包括的なソリューション
現代のデジタル企業にMCNソリューションが必要であることは明らかですが、すべてのソリューションが同等とは限りません。他のMCN製品がアプリケーションの稼働基盤を接続するだけにとどまるのに対し、F5 Distributed Cloud Servicesは、複数のクラウド、エッジロケーション、オンプレミスデータセンターなどの分散環境に加え、そこにデプロイされたアプリケーション自体も接続します。
Distributed Cloud Servicesでネットワークとアプリの接続を簡素化
2023年SOAS調査の回答者によると、複数のクラウドにアプリケーションを導入する際の課題として、一貫したセキュリティポリシーの適用が、ツールとAPIの複雑さに次いで2番目に多く挙げられました。新たに提供を開始した2つのDistributed Cloud SaaSソリューションは、可観測性を向上させて複雑さを軽減しながら、マルチクラウド環境への導入のセキュリティ強化を支援します。Distributed Cloud Network Connectを使用すると、クラウドロケーションやクラウドプロバイダーをまたぐ接続を、簡単かつセキュアに導入できます。さらに、Network Connectは豊富な可観測性機能を備えており、管理者がネットワークに支障をきたす可能性のある問題を迅速に特定し、解決できるよう支援します。トランスポート層より上位のスタックでは、Distributed Cloud App Connectが包括的なアプリケーションネットワーキングとセキュリティを、迅速なプロビジョニングと使いやすさとともに、単一の使いやすいコンソールで提供します。
F5は、あらゆる場所のアプリとAPIを接続して保護し、さまざまなクラウドロケーション、データセンター、ハイブリッド環境、エンタープライズエッジサイト間でネットワーク間およびワークロード間の高速接続を実現することで、マルチクラウドネットワーキングを容易にできる独自の立場にあります。
マルチクラウド環境のアプリケーションセキュリティを強化
F5は、セキュリティとは、すべての人にとってより安全なデジタル世界を実現することだと考えています。F5のセキュリティソリューションは、クラウドネイティブのセキュリティツールよりも優れた有効性と使いやすさを提供し、ビジネスにとって最も重要なものを保護できるよう支援します。さらに、アプリケーションのデリバリと保護を統合し、セキュリティポリシーを一貫して適用することで、ハイブリッドおよびマルチクラウド環境の運用上の複雑さを軽減できるよう支援します。
今週、オンプレミス、クラウド、エッジの各環境にわたるアプリとAPIの管理において、包括的な保護と制御を実現する複数の新しいセキュリティ機能を発表しました。
AIを活用したアプリとAPIのセキュリティでデジタルサービスを保護
F5は、アプリ、API、およびそれらが支えるデジタルサービスを強力に保護する包括的な製品群を提供しています。Distributed Cloud API Securityの新たな機械学習ベースの機能は、今年のSOAS調査で回答者がマルチクラウドにおける最大の課題として挙げた複雑さの軽減に役立ちます。F5は、APIの自動検出、ポリシー適用、異常検知をWebアプリケーションおよびAPI保護(WAAP)サービスに組み込むことで、アプリケーションとAPIのセキュリティを単一のコンソールで管理できるようにし、運用を簡素化しながらAPI保護を強化します。また、AIを活用した新たなWAF機能も導入しました。これにより、悪意のあるトラフィックを容易にブロックできるほか、セキュリティチームが誤検知の修正に費やす時間を短縮し、正規ユーザーがアプリケーションへシームレスにアクセスできるようになります。
分散環境全体でアプリとAPIのセキュリティを確保するうえで、複雑さは組織が直面する現実です。しかし、すべてを自力で行う必要はありません。2023年のSOAS調査では、Security as a Service(SECaaS)製品を導入する主な理由の1つとして、適切なスキルを持つ人材の不足が挙げられました。F5の新しいWAAPマネージドサービスでは、F5 SOCのエキスパートがお客さまを支援し、あらゆる環境で重要な資産に必要なWAF、ボット対策、DDoS対策を提供します。また、サービスプロバイダーパートナーがF5 Distributed Cloud WAAPソリューションを基盤に独自のマネージドサービスを設計できるポータルも追加しました。
Distributed Cloud PlatformとF5のポートフォリオ全体を通じて、分散環境におけるアプリとAPIのセキュリティという複雑な課題を大幅に簡素化し、アプリの構築方法や稼働場所を問わず包括的に保護できるという安心感を提供することが、F5の目標です。
複雑さを軽減し、イノベーションの加速を支援
このアプリケーション資産の時代において、サイバー攻撃によるリスクが高まり、複雑さが増し続ける中でも、収益と顧客満足度を支えるデジタルサービスのセキュリティを確保することが不可欠です。しかし、アプリとAPIを効果的に保護するために、ビジネスの進め方を根本から変える必要はありません。
レガシーアプリとモダンアプリ、オンプレミスのデータセンターとクラウドまたはエッジ環境、アプリのパフォーマンスとセキュリティ。そのどちらかを選ぶ必要はありません。F5なら、両立できます。F5のセキュリティおよびマルチクラウドネットワーキングソリューションは、レガシーアプリにもモダンアプリにも対応し、データセンター、クラウド、エッジを問わず、現在のアーキテクチャはもちろん、今後何年にもわたってビジネスを支えるアーキテクチャでも確実に機能します。
急速に進化するデジタル世界が絶えず変化する中、F5は、オンプレミス、クラウド、エッジにまたがる多様なアプリとAPIを安全に管理する際の複雑さを軽減することに引き続き注力しています。これにより、最も価値ある資産が保護されているという確信を持って、イノベーションを加速できます。
F5のアプローチについて詳しくは、ハイブリッドおよびマルチクラウド環境におけるアプリセキュリティをご覧ください。
1 https://www.enterpriseappstoday.com
4 https://www.enterpriseappstoday.com
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