AIの活用がますます進む世界において、データの保護はかつてないほど重要であり、同時に困難な課題となっています。世界中の組織が、業務の進め方やイノベーション、顧客との関わり方を変革するため、生成AIをはじめとする新興テクノロジーの導入を加速させています。しかし、こうした可能性には大きな期待が寄せられる一方で、特にデータ保護とガバナンスの面で著しい複雑さも伴います。
AIアプリケーションは高度に分散しており、データストア、モデル、アプリケーション間で大量のデータを移動させる必要があります。このデータを保護し、データプライバシー規制への準拠を確保することは、ITチームとセキュリティチームにとって大きな課題です。従来のデータ損失防止(DLP)ツールやデータセキュリティ態勢管理(DSPM)ツールでは、データフローをリアルタイムで可視化できないことが多く、正確な分類が難しいうえ、適用機能も限られています。そのため、保護にギャップが生じます。
こうした保護の不備はあらゆるアプリケーションにとって問題ですが、AIではそのリスクがまったく新たなレベルにまで高まります。トレーニング用の入力データであれ、生成AIモデルへのユーザー入力であれ、大量の機密データが不正に取得されたり、規制に抵触したりすることを防ぐには、データを正確に可視化し、ポリシーに基づいてガバナンスを行う必要があります。
こうした課題の解決に向けて、F5が大きな一歩を踏み出すことをお知らせでき、大変うれしく思います。今年後半には、画期的なデータ保護およびガバナンス機能をF5 Application Delivery and Security Platformに追加する予定です。これにより、組織は機密データの流れをリアルタイムで管理し、可観測性を高め、コンプライアンスを強化できるようになります。つまり、組織がモダンアプリケーションやAI搭載アプリケーションを導入する中で生じている、データ保護上の重大なギャップの解消に取り組みます。
“「組織がモダンアプリケーションやAI搭載アプリケーションを導入する中で生じている、データ保護上の重大なギャップに対処しています」”
– Kunal Anand、最高イノベーション責任者、F5

これらの機能は、データガバナンスおよび保護ソリューションの大手プロバイダーであるLeakSignalの買収によって実現しました。LeakSignalは、転送中データの分類、プロアクティブな修復、AIを活用したポリシー適用を先駆けて実現した企業として、米国国立標準技術研究所(NIST)から評価されています。
今後数か月のうちに、この機能はF5の各種ソリューションに統合され、API、従来型アプリケーション、AIアプリケーション、エンドポイントにおける機密データや専有データを保護するとともに、大規模言語モデル(LLM)へのデータ入力と出力を仲介します。今後提供予定の機能の一部をご紹介します。
- リアルタイムのデータ分類と分析:組織は、送信されているデータの種類と送信先を正確に特定できるようになり、ポリシーに基づく制御を適用してリスクを効果的に管理できます。
- ポリシーに基づく適用とインシデント対応:可観測性の向上により、組織はデータフローを可視化するだけでなく、制御し、必要に応じて対応できるようになります。
- 継続的な監視とガバナンス:コンプライアンスは一度の対応で完了するものではありません。データへのアクセスと送信を継続的に監査・監視することで監督を強化し、規制基準への準拠を確保します。
これらの機能をF5 Application Delivery and Security Platformに統合することで、組織がAI時代の複雑さに自信を持って対応できるよう支援します。転送中の機密データの保護から、マルチクラウド環境全体でのコンプライアンス確保まで、F5のソリューションは、妥協することなくイノベーションを推進できるよう設計されています。この新たな一歩を大変うれしく思うとともに、お客さまがAIの可能性をさらに広げるために必要な、安全でデータドリブンな基盤を構築できるよう支援してまいります。
著者について

Kunal Anandは、最高製品責任者としてF5の製品部門を率いています。製品のビジョン、戦略、実行を統括し、重要な課題を解決して優れた顧客体験を生み出す画期的なソリューションの開発を推進しています。前職の最高技術・AI責任者としては、F5のテクノロジーおよびAIに関する戦略とビジョンを策定しました。 F5入社以前は、Impervaで最高技術責任者と最高情報セキュリティ責任者を兼任していました。2013年に共同創業したアプリケーションセキュリティのスタートアップPrevotyが2018年に買収されたことを機に、Impervaに加わりました。Prevoty以前は、BBC Worldwideでテクノロジーディレクターを務めました。イノベーションと技術分野で豊富な実績と専門知識を有し、Gravity、MySpace、NASA Jet Propulsion Labでは、セキュリティ、データ、テクノロジー、エンジニアリングの各チームを率いる役職を歴任しました。 AIと機械学習の分野で15年以上の経験を持ち、モデルのトレーニング、AIを活用したアルゴリズムによる製品強化、AIアーキテクチャの設計と実装に携わってきました。 Babson Collegeでコンピューターサイエンスの理学士号を取得しています。
Kunal Anandのその他のブログ記事関連するブログ記事

F5 Application Study Tool:OpenTelemetryによるF5 BIG-IP環境の監視
F5の新しいオープンソースツールは、BIG-IP環境を詳細に可視化し、データを追跡するとともに、強力でカスタマイズ可能なインサイトを得るための基盤を提供します。
F5 BIG-IPでAI防御を実現
F5 BIG-IP Advanced WAF、BIG-IP APM、BIG-IP SSL Orchestratorが、生成AIアプリ向けに包括的なセキュリティソリューションを提供する仕組みをご覧ください。
F5 Advanced WAFによるGraphQL APIの保護
ここ数年、多くの組織がデジタルトランスフォーメーションを進めており、COVID-19のパンデミックによってその動きは加速しています。
アプリケーションサービスの現状 通信業界版:リーダーとしての台頭
通信ネットワークが進化し、さまざまな業界の幅広いユースケースに対応するなか、通信業界の回答者がテクノロジーリーダーとしての存在感を高めていることがわかります。
デジタルトランスフォーメーションは、単なるペーパーレス化ではない
デジタルトランスフォーメーションは、単なるペーパーレス化ではありません。真のモダナイゼーションにアプリケーションアーキテクチャとセキュリティの再構築が必要な理由を、F5ブログでご覧ください。
やめましょう。もう本当にやめましょう。HTTPSはHTTPより高速ではありません。
もうやめましょう。HTTPSはHTTPより高速ではありません。プロトコルのパフォーマンスに関する微妙な違いと、暗号化トラフィックを適切に最適化する方法については、F5ブログをご覧ください。