F5とRed HatのエコシステムでRAGの課題に対応

F5エコシステム | 2025年4月24日

生産性の向上とビジネスの強化をもたらす生成AIへの期待は、幅広い業界のビジネスリーダーから注目を集めています。F5の「2025年版アプリケーション戦略の現状レポート」によると、ほぼすべての回答者(99%)が、意思決定の支援にとどまらず、少なくとも1つの業務機能を自動化するためにAIを利用することに抵抗がないと回答しています。

「世界中の組織が、生成AIをはじめとする新興テクノロジーの導入を加速させ、業務の進め方やイノベーションの創出方法、顧客との関わり方を変革しようとしています」と、F5の最高イノベーション責任者であるKunal Anandは述べています。

しかし、既製の大規模言語モデル(LLM)をベースとする標準的な生成AIモデルは、最新情報や文脈を理解する能力が不足していることが多く、リアルタイムのデータアクセス、分野固有の専門知識、正確な意思決定が成功の鍵となる今日の変化の激しいビジネス環境において、戦略的かつ信頼できる役割を果たすことが困難です。

生成AIアプリケーションを、より最新かつ正確でドメイン固有の情報源と統合しようとする組織では、検索ベースと生成ベースのアプローチを組み合わせて、AIが生成する応答の品質と精度を向上させるAIフレームワークである検索拡張生成(RAG)の導入が進んでいます。

エンタープライズAIはチームで取り組むもの

エンタープライズAIインフラストラクチャにRAGを導入して成果を上げるには、単純につなぐだけでは不十分です。RAGでは、複数のテクノロジーコンポーネントや技術を連携させる必要があります。これは、エンタープライズAIソリューションの成功に、テクノロジープロバイダー、インフラストラクチャパートナー、チャネルパートナーによるオープンで協調的なエコシステムが不可欠であることを示す好例です。

RAGの導入には、データストレージ、コンテナプラットフォーム、LLM、トラフィック管理ツール、API、バックエンドインフラストラクチャなどを提供する複数のベンダーが関与します。エンタープライズAIはまさにチームで取り組むものであり、お客さまがAIを大規模に活用できるようにするには、多くのプレイヤーが連携する必要があるとF5は認識しています。成功には、最高水準のコンポーネントとソフトウェアを提供するテクノロジープロバイダーを含む協業ネットワーク、ツールをビジネス成果につなげるチャネルパートナー、そしてAIを製品ではなくソリューションエコシステムとして捉える考え方が不可欠です。

AIを支える優れた基盤

F5とRed Hat OpenShift AIは、RAGをLLMに導入するための堅牢で統合された基盤を提供し、複数のソースからのデータを生成AIシステムに統合する際の、セキュリティとトラフィック管理に関する重大かつ複雑な課題に対応します。Red HatとF5は、テクノロジーパートナーとして長年にわたり協力してきました。現在の両社の連携により、既存のLLMへのRAG統合をはじめとするAI主導の取り組みに向けて、堅牢で保護されたスケーラブルなプラットフォームを提供しています。

F5とRed Hatは、実績あるリーダー企業です。F5はCRNにより、「データセンターとエッジ分野で最も注目を集めるAI企業25社」の1社に選出されました。CRNは、F5の「オールインワンのアプリケーションデリバリーおよびセキュリティプラットフォーム……により、企業がマルチクラウドネットワーキング、AI、APIセキュリティのニーズに対応できるよう支援している」と評価しています。Red HatはDataquestにより、オープンソースのエンタープライズソリューション分野のリーダーとして評価されており、「同社のオープンソースイノベーションが、エンタープライズITの次の時代を形作る」と評されています。

F5の高度なセキュリティおよびトラフィック管理テクノロジーと、高度なAIアプリケーション開発プラットフォームであるRed Hat OpenShift AIを組み合わせることで、AIを活用した取り組みに向けて、よりセキュアで拡張性の高い基盤を構築できます。進化するサイバー脅威から保護され、最新のAIワークロードに求められる厳しい要件にも対応できるため、組織は安心してAIアプリケーションを導入できます。

“RAGでは、複数のテクノロジーコンポーネントや技術を連携させる必要があります。これは、エンタープライズAIソリューションの成功には、テクノロジープロバイダー、インフラストラクチャパートナー、チャネルパートナーによるオープンで協調的なエコシステムが不可欠であることを示す好例です。”

Red Hat、F5、およびそのテクノロジーパートナーのエコシステムは、複雑なハイブリッド環境でお客さまがアプリとAPIを接続し、保護できるよう、今後も連携して支援していきます。組織がAIの可能性を探る中、Red HatやF5のような信頼できるベンダーが提供する一貫性のある統合プラットフォームを活用することで、AI環境の管理性、コスト効率、セキュリティを維持し、イノベーションとセキュリティを両立できる環境を整えられます。

既存のLLMにRAGを統合する際の課題

RAGは、エンタープライズグレードの生成AIアプリケーションにとって不可欠なものとなりつつあり、RAG市場は大幅な成長が見込まれています。今後、2024年から2030年までの年平均成長率(CAGR)は44.7%となり、2030年までに110億3,000万米ドルに達する可能性があります。

RAGは生成AIアプリケーションの出力を大幅に向上させる可能性がありますが、LLMへのRAGの導入は容易ではありません。RAGで追加されるデータコンポーネントが複数のデジタル環境や外部ナレッジベースに存在するため、システムの複雑性とセキュリティリスクが大幅に増大します。検索リクエストと拡張データのレスポンスをやり取りするために必要なネットワーク接続には、セキュリティ上の脅威やデータ漏えいのリスクが伴います。そのため、機密データを保護するには、厳格なアクセス制御と暗号化の仕組みが必要です。

Red Hat OpenShift AIとF5 Distributed Cloud ServicesおよびF5 BIG-IP Next for Kubernetesの統合により、高度なセキュリティおよびトラフィック管理テクノロジーを提供する基盤サービス群が実現し、複数のRAGユースケースを支援、保護できます。

Distributed Cloud Servicesは、SaaSベースのセキュリティ、ネットワーキング、アプリケーション管理サービスです。データセンター、マルチクラウド環境、ネットワークエッジ、エンタープライズエッジなど、必要な場所のクラウドネイティブ環境でアプリケーションをデプロイし、保護、運用できます。

一方、BIG-IP Next for Kubernetesは、AI処理クラスター全体のトラフィック管理と分散を最適化し、RAGベースのワークロードを支えるスケーラブルで効率的なAPI通信を実現するとともに、パフォーマンスを低下させることなく、信頼性の高い高性能なデータフローを確保します。

MetaによるLlama 4 LLM群に関する最近の発表では、Llama 4 Scoutが1,000万トークンのコンテキストウィンドウを備えていることから、このような大規模なコンテキストウィンドウによってRAGが近く不要になる可能性があるとの見方が広がっています。しかし、Llama 4 LLMは事前学習済みの自己完結型モデルであり、外部データやプライベートデータにリアルタイムでアクセスできるよう明示的に設計されていない限り、そうしたデータにはアクセスできません。一方、RAGを使用すると、モデルは膨大なデータストアから最新かつ関連性の高い情報をリアルタイムで取得して取り込めるため、AIの出力の正確性と文脈上の関連性を確保できます。F5は、RAGが今後も生成AIの基盤となる仕組みであり続けると考えています。これは、RAGの方がAIワークフローの動的かつインタラクティブな性質に適しているためです。

RAGワークロードを保護するF5とRed Hatの共同プラットフォーム

Red Hat OpenShift AI上にDistributed Cloud ServicesとBIG-IP Next for Kubernetesを導入することで、RAGワークロードを保護するためのセキュリティを強化したソリューションを構築できます。F5とRed Hatの共同プラットフォームは、RAGの信頼性とスケーラビリティを向上させるとともに、管理しやすい基盤を提供します。この基盤により、精度と関連性を高め、成果とユーザーエクスペリエンスの向上につながる、RAGを活用した生成AIソリューションを実現できます。

詳細については、ソリューション概要をご覧ください。また、今年のRed Hat Summitに参加予定の方は、F5のセッションにぜひご参加ください。

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著者について

Frank Strobel
Frank Strobelテクノロジーアライアンス担当シニアディレクター | F5

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