今四半期の更新では、セキュリティ、パフォーマンス、可用性、アイデンティティ/アクセスのすべてでわずかな増加が見られました。
アプリケーションサービスの利用率が増加のみを示す四半期はまれですが、今四半期がまさにそれに当たります。増加幅はほとんどのカテゴリーで1%とわずかだったものの、すべてのカテゴリーで利用率が低下しなかった点は注目に値します。
特に注目すべきはHTTP/2です。2018年1月以降、利用率は2%で横ばいでしたが、今四半期に初めて3%へ上昇しました。圧縮や多重化など、ほかの高速化手法と比べると依然として低調ですが、わずかでも改善が見られたことは明るい兆しです。HTTP/2は、通信のやり取りが多い従来型Webアプリケーションのパフォーマンス向上に最も効果を発揮します。モバイルアプリやSPAなど、APIベースの最新アプリは通信が短いため、プロトコルのパフォーマンスによる影響を受けにくい傾向があります。こうしたアプリにもメリットはありますが、セッション中に接続を再利用する従来型のステートフルWebアプリにHTTP/2を適用しない限り、組織が大幅なパフォーマンス向上を実感できる可能性は低いでしょう。

防御
ボット対策が再び増加
ボット対策の利用率は前四半期から再び1ポイント上昇し、悪意のある人間以外のトラフィックへの防御に利用している組織の割合は24%から25%に増加しました。
F5 Labsの調査では、インターネットトラフィック全体の半分がボットによるものと推定されています。そのうち約3分の1(30%)が悪意のあるボットです。
制御と保護
セキュリティは堅調を維持
アプリケーションアクセスおよびWebシングルサインオンサービスの利用率は前四半期比で横ばいとなった一方、Webセキュリティは1%増加しました。
F5 Labsによる分析では、侵害の86%でアプリケーションとアイデンティティが最初の標的となっており、これらのアプリケーションサービスが極めて重要であることが明らかになりました。
高速化
スピードが再び向上
今四半期、HTTP圧縮サービスとキャッシュサービスの利用率はいずれも1%上昇し、それぞれ43%から44%、28%から29%となりました。
興味深いことに、今四半期はSSLオフロード(クライアント側)とTCP多重化がともに1%増加しました。どちらのアプリケーションサービスも、パフォーマンスの向上を重視しています。また、サーバー側SSLの導入率(71%)がクライアント側(83%)より低い点も注目に値します。クライアント側SSL(83%)は、パフォーマンス向上策として、また消費者の需要に応えるために導入されることが多い一方、サーバー側SSLは通常、規制要件や業界のベストプラクティスに対応するために導入されます。
著者について

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。
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