デジタルトランスフォーメーションに潜む危険:APIの乱立

F5エコシステム | 2021年11月04日


デジタルトランスフォーメーションはビジネスの変革に向けた道のりです。その歩みを進めるのは人です。そして、近年の人々の歩みの多くと同様に、前進するにはテクノロジーが欠かせません。

この歩みは、実のところ新しい現象ではありません。コンピューティングが確立される以前から、企業はテクノロジーを通じて変革を続けてきました。時代とともに、テクノロジーによってさまざまな変革の波が生まれてきました。取引を記録するために石板へ文字を刻んだ時代から、紙の記録、デジタル台帳へと移り変わる中で、テクノロジーはビジネス変革を可能にする原動力であり続けています。

DXジャーニー

ほとんどの組織は第2段階にしっかりと移行しており、すでにかなりの割合の組織が第3段階のメリットを模索しています。

組織が注力する「デジタルの拡大」は、IT担当者やアプリ開発者が、個別に存在するアプリケーション、システム、サービスを連携させ、シームレスなデジタル体験を実現するために利用するテクノロジーに影響を及ぼします。つまり、組織はAPIを採用しているのです。

APIは、銀行、小売、ゲームなど、あらゆる業界に大きな影響を与えています。F5の調査と、それに基づくモデルによると、APIは過去数年間で大幅に増加しており、今後10年間でさらに大きく増加すると予測されています。

問題は、新たに導入されるAPIのすべてが、適切に管理、構造化、文書化されているわけではないことです。また、エッジコンピューティングの登場により、組織がアプリケーションやクラウドサービスを、増え続ける拠点(多くの場合は遠隔地)に分散するようになり、APIの利用はさらに拡大しています。

一般的な企業では、次のようなさまざまな目的でAPIを使用していると考えられます。

  • インフラストラクチャサービスプライベートクラウドやパブリッククラウドなどのインフラストラクチャサービスへのアクセスや運用は、APIを介して行われます。
  • モダンアーキテクチャコンテナネイティブアプリケーションなどのモダンアーキテクチャでは、サービス内通信に加え、運用上の制御や構成にもAPIを利用します。
  • デジタルエクスペリエンスは、Webやモバイルデバイスを通じて提供され、シングルサインオンや認証、チャットやソーシャルストリームの統合に加え、従来のトランザクションアプリケーションが提供するトランザクション機能の組み込みにもAPIを利用しています。
  • 自動化CI/CDおよびデプロイパイプラインの自動化では、システム、デバイス、サービスと連携し、開発およびデプロイプロセスをシームレスに実行するためにAPIを利用します。

ほかにも多くの例がありますが、わずかな例を見るだけでも、APIの数と利用箇所が急速に増えていることがわかります。

この増加に拍車をかけているのが、企業は企業らしく行動するという現実です。

企業は規模にかかわらず、組織を構成する各事業部門向けに開発された製品とITサービスの集合体です。企業では必然的にサイロ化が進み、情報は知る必要がある範囲に限って共有されます。企業の拡大に伴い、さまざまな事業部門、製品チーム、運用チームも増えていきます。つまり、ビジネスは「スプロール化」します。現在、あらゆるチームや事業部門がAPIに大きく依存しているため、必然的に生じるのが「APIスプロール」です。

また、APIスプロールによって生じる課題に対処するには、新たなアプローチが必要です。既存のソリューションは、クラスター内、つまりマイクロサービス環境内でのAPI管理に関する課題に重点を置いているためです。既存のソリューションは、複数の拠点、事業部門、製品チーム、運用チームにまたがるマイクロサービス環境間、すなわちクラスター間のAPIスプロールに伴う課題にまで、まだ対象範囲を拡大していません。

In F5 Office of the CTOによる本調査では、Rajesh Narayananが、APIスプロールにつながるAPIの増加と分散について説明し、そこから生じる混乱を抑える可能性のあるアプローチを1つ紹介します。


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