私はこれまで、予測記事を好んだことはありません。実際に未来を見通せるわけではないので、ほかの人と同じく、当たる確率も外れる確率も50%だからです。そして多くの人と同様、私も間違えるのは好きではありません。しかし今年は、予測の手がかりとして、世界中のあらゆる業界にわたる3,000社以上の企業から寄せられた回答があります。これは大いに役立ちます。
そのデータがなくても、多くの予測は実際にはそれほど難しくなく、的中させることもできます。予測可能なテクノロジーサイクルに沿っているか、その予測がほぼ確実に現実になることを示すデータが豊富にあるためです。
こうした点を踏まえ、データとテクノロジーのサイクルから見て、2018年にはほぼ確実に当たり前になることを、実際にデジタル上で書き留めることにしました。
- クラウドのさらなる拡大
クラウドは何年にもわたって着実に成長してきました。今後もクラウドへ移行するワークロードが増え続けることは、まず間違いないでしょう。興味深いことに、いずれ進むと見られていたパブリック(IaaS)クラウドへの移行が、ついに勢いを増し始めています。汎用ワークロードの大半がSaaSへ移行し、パフォーマンスやセキュリティに高い要件を持つ企業アプリケーションをプライベート(オンプレミス)クラウドが担うようになる中、企業はパブリック(IaaS)クラウドにこれまで以上に強い関心を示し始めています。デジタルトランスフォーメーションも確実にその一因です。組織内の変革(自動化、オーケストレーション、生産性向上を目的としたデジタル化)が完了するにつれ、パブリック(IaaS)クラウドの利用は従来よりも急速に拡大していくでしょう。
- セキュリティ侵害のさらなる増加
侵害の成功頻度が高まっていることを示しているのは、F5の調査だけではありません。ほぼあらゆるところで確認されています。2017年に発生した侵害件数は驚異的で、減速する兆しはありません。ボットトラフィックの増加だけを見ても、門のすぐ外に大軍が陣取っているような状況です。2018年に同程度、あるいはそれ以上の深刻なセキュリティ侵害が発生しないと考えるのは賢明ではありません。

- まだ道半ばだからです。ITの自動化とオーケストレーションは進んでいるものの、「飽和」には程遠い状況です。クラウドと同様、自動化も導入し始めたばかりなら容易です。しかし、整理すべき技術的な負債を大量に抱える何十万もの企業にとって、デジタルトランスフォーメーションやDevOpsによる負荷に対応できるようITを自動化することは、一朝一夕には実現できません。それでも取り組みは全速力で進んでいます。組織が新たなベストプラクティスを本格的に活用し始め、スタートアップの開発チームと同じ俊敏さでITを実行できるようになるにつれ、2018年には自動化がさらに広がると予想されます。
- コンテナのスケーラビリティを実現する選択肢の拡大
コンテナのスケーラビリティをめぐる競争はすでに始まっており、2018年には間違いなく激化するでしょう。コンテナ環境内でスケーリングを実現するための当初の手法は評価に値するものでしたが、短期的な解決策にすぎず、いずれ置き換えられる運命にありました。幸い、コンテナオーケストレーション環境(COE)のアーキテクチャ設計は優れており、より成熟したスケーリング手法の導入に適しています。組織がこれらの環境を本番環境に導入し、大規模なスケーリングにおける欠点が明らかになるにつれて、サービスメッシュが、COEディストリビューションに標準で含まれるIPテーブルベースの手法に取って代わるでしょう。実際、これらの環境はパブリッククラウドだけでなく、データセンターでも本番環境に導入されています。最新の調査で、コンテナ形式のアプリケーションサービスに対する需要が高まっていることからも、それは明らかです。 - IoT障害の増加
F5のState of Application Delivery 2018(1月公開予定)では、ほかにも興味深いデータがありました。戦略的トレンドの「トップ6」にIoTが登場したことです。IoTはモバイルアプリケーションを抜いて6位に浮上し、各種クラウドと並びました。この結果(および現時点ではまだ共有できないほかのデータ)から、今後IoTの導入が大幅に増える可能性が高いという結論に至ります。残念ながら、これはIoT障害も増える可能性が高いことを意味します。障害が起きるのはデバイス自体だけではありません。デバイスは、拡大を続けるデス・スター級のボットネットに組み込まれるリスクにさらされることが多い一方で、デバイスを管理、監視し、多くの場合は制御するアプリケーションにも障害が発生します。Emberlightは、買い手側の注意が必要なこの市場の実態を示す最近の事例の1つです。同社は事業を終了し(アプリも停止し)、顧客を文字どおり暗闇に取り残しました。実際、同社の電球用スマートソケットには、現在は利用できない接続アプリが必要でした。
以上が、長年にわたるテクノロジーサイクルの盛衰の観察と、現場で働く(あるいは現場を率いる)3,000人以上からの回答に基づく、確度の高い5つの予測です。
それでは、今年はこれで締めくくります。2018年にまたお会いしましょう。どうぞ素晴らしいホリデーシーズンと、幸多き新年をお迎えください!
著者について

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。
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