デジタルファーストが進む今日、サイバーセキュリティの管理はかつてないほど困難になっています。AI、ハイブリッドマルチクラウド環境、分散アーキテクチャの普及により複雑さが飛躍的に増し、組織がデータ、アプリケーション、APIを管理し、保護することが一層難しくなっています。セキュリティチームは大量のアラートに追われる一方、状況を明確に把握できずにいます。その結果、アラート疲れ、脅威の見落とし、事後対応型のセキュリティ態勢を招いています。
F5は、複雑さを当然のものとして受け入れるのではなく、抽象化すべきだと考えています。このたび、外部の脅威インテリジェンスと内部ログを、優先順位付けされたリアルタイムのインサイトへと変換するサイバーセキュリティのイノベーター、Fletchの買収を発表できることを嬉しく思います。Fletchのエージェント型AI機能は、F5 Application Delivery and Security Platform(ADSP)に完全に統合され、チームが現代のセキュリティを取り巻く混沌に対処する方法を変革します。
F5の最高イノベーション責任者であるKunal Anandと、Fletchの創業者兼CEOであるGrant Wernickに、自然言語処理(NLP)、エージェント型AI、高度な分析が、相互接続が進む世界でセキュリティチームによる環境保護のあり方をどのように変革するのかを聞きました。
Q:Grantさん、F5へようこそ。まずは自己紹介と、Fletchのミッションについて少しお聞かせください。
Grant Wernick:ありがとうございます。Fletchは、膨大なデータを、セキュリティチームが優先順位を付けて対応できる実用的なインサイトに変換し、サイバーセキュリティをシンプルにすることを一貫して使命としてきました。AIと長年培ってきた自然言語処理のノウハウを活用し、複雑なデータを人が理解しやすい明確なタスクに変換できるよう組織を支援することで、より迅速で的確な意思決定を可能にします。
私はキャリアの多くをAI、機械学習、サイバーセキュリティが交わる領域で歩み、データとの関わり方を変革することに注力するスタートアップを立ち上げてきました。Fletchでは、こうした理念をサイバーセキュリティ分野でさらに発展させ、世界初のサイバー脅威AIプラットフォームの1つを構築しました。このプラットフォームにより、チームは膨大な情報から重要なものを見極め、リソースを効率的に集中させ、進化する脅威に先手を打って対応できます。F5への参画は、こうしたイノベーションをより広く展開し、複雑化と相互接続が進む今日の環境のセキュリティ確保に貢献できる、心躍る機会です。
Q:Kunalさん、Fletchのテクノロジーは、F5のより広範な目標やF5 ADSPのビジョンとどのように合致していますか?
Kunal Anand: 素晴らしい質問です。F5は、お客さまがユーザーに卓越したデジタル体験を安全に提供できるよう支援することに注力しています。つながり合う現代社会の多くをアプリケーションが支えているため、そのパフォーマンスとセキュリティを確保する必要があります。ハイブリッドマルチクラウド環境や分散システムが広がり、高度な攻撃も増加する中、サイバーセキュリティを取り巻く状況はかつてないほど複雑化しています。
セキュリティチームは、膨大なデータ、アラート、ログへの対応に追われています。複雑さを軽減し、効率的に対応するには、具体的な行動につながるコンテキストが必要です。Fletchのエージェント型AI機能をF5のプラットフォームに追加することで、より深いインサイト、リアルタイムの脅威インテリジェンス、プロアクティブなセキュリティ推奨事項を提供し、チームが脅威を先回りして対処できるよう支援します。
Q:Grantさん、「エージェント型AI」とは何か、また実際にどのように機能するのか、詳しく教えていただけますか?
Grant Wernick: もちろんです。エージェント型AIとは、本質的に、単にデータを処理するだけでなく、能動的に行動するAIを指します。
たとえば、セキュリティチームが毎日数千件のアラートを受信しているとします。エージェント型AIは、こうした大量のアラートを分析し、外部および内部のデータソースと関連付けて、侵害の痕跡(IoC)が見つかる前の段階でも、最も重大な脅威を優先できます。また、リアルタイムのコンテキストを提供し、「このIPアドレスは既知のランサムウェアグループに関連付けられているため、ブロックする」「この異常なアクティビティは、過去の類似した挙動に基づくと無害である可能性が高いため、このチケットをクローズする」といったタスクを他のエージェントに割り当てることもできます。
これらの機能をF5 ADSPに組み込むことで、セキュリティ担当者がノイズの精査に費やす時間を削減しながら、最も重要な組織の保護に注力できるようにします。
Q:Kunalさん、F5のプラットフォームにエージェント型AIを統合することで、お客さまは具体的にどのようなメリットを期待できますか?
Kunal Anand: 変革をもたらすメリットはいくつかありますが、ここでは3つの主要分野に焦点を当てます。
- 高度なセキュリティ分析:ログ、脅威インテリジェンス、リアルタイムアラートをよりインテリジェントに関連付けることで、環境をより詳細に可視化し、潜在的なリスクをより正確に評価できるようになります。
- アラート疲れの軽減:セキュリティチームは、毎日数千件ものアラートに圧倒されることなく、優先順位付けされたインシデントを確認できるため、最も重大な脅威への対応に注力できます。
- プロアクティブな推奨事項:エージェント型AIを活用することで、プラットフォームは問題を通知するだけでなく、修復手順も提案します。具体的には、悪意のあるIPアドレスのブロック、アプリケーションセキュリティポリシーの調整、特定の脆弱性に対する先回りした緩和策などが考えられます。
“「F5 ADSPとエージェント型AIを組み合わせることで、単に対応を迅速化するだけでなく、より的確に予測し、保護を強化できます」”
Q:組織がますます複雑化するセキュリティ課題に直面する中、最後にお客さまへお伝えしたいことは何ですか?
Grant Wernick: F5の一員となり、セキュリティチームとITチームが、脅威の優先順位付け、実行可能なタスクの提案、ワークフローの効率化を行うツールを活用できるよう支援する取り組みを拡大できることを、大変うれしく思います。これにより、不要な情報への対応に費やす時間を減らしながら、セキュリティ体制を強化し、インフラストラクチャをより効率的に運用できるようになります。
Kunal Anand: セキュリティでは、もはや可視性だけでなく、スピードが重要です。Fletchは、アプリ、API、インフラストラクチャ全体でセキュリティ成果の実現を加速するのに役立ちます。F5 ADSPとエージェント型AIを組み合わせることで、単に対応を迅速化するだけでなく、より的確に予測し、保護を強化できます。これは、インテリジェントなAIネイティブセキュリティに向けた大きな前進です。今後の展開を非常に楽しみにしています。F5は、アプリケーションデリバリとセキュリティのイノベーションを牽引する最前線に立っています。Fletchのテクノロジーと専門知識が加わることで、組織が最も差し迫ったセキュリティ課題を解決できるよう支援するF5の能力は、さらに高まります。
関連するブログ記事

F5 Application Study Tool:OpenTelemetryによるF5 BIG-IP環境の監視
F5の新しいオープンソースツールは、BIG-IP環境を詳細に可視化し、データを追跡するとともに、強力でカスタマイズ可能なインサイトを得るための基盤を提供します。
F5 BIG-IPでAI防御を実現
F5 BIG-IP Advanced WAF、BIG-IP APM、BIG-IP SSL Orchestratorが、生成AIアプリ向けに包括的なセキュリティソリューションを提供する仕組みをご覧ください。
F5 Advanced WAFによるGraphQL APIの保護
ここ数年、多くの組織がデジタルトランスフォーメーションを進めており、COVID-19のパンデミックによってその動きは加速しています。
アプリケーションサービスの現状 通信業界版:リーダーとしての台頭
通信ネットワークが進化し、さまざまな業界の幅広いユースケースに対応するなか、通信業界の回答者がテクノロジーリーダーとしての存在感を高めていることがわかります。
デジタルトランスフォーメーションは、単なるペーパーレス化ではない
デジタルトランスフォーメーションは、単なるペーパーレス化ではありません。真のモダナイゼーションにアプリケーションアーキテクチャとセキュリティの再構築が必要な理由を、F5ブログでご覧ください。
やめましょう。もう本当にやめましょう。HTTPSはHTTPより高速ではありません。
もうやめましょう。HTTPSはHTTPより高速ではありません。プロトコルのパフォーマンスに関する微妙な違いと、暗号化トラフィックを適切に最適化する方法については、F5ブログをご覧ください。
