現在、マイクロサービスが大きな注目を集めています。アプリケーションアーキテクチャの新たなトレンドであり、親密な関係にあるコンテナと併せて語られることも少なくありません。InfoQが実施した最近の調査によると、どちらも「利用中または利用予定」の上位に入り、コンテナ(回答者の71.79%)がマイクロサービス(70.4%)をわずかに上回りました。興味深いことに、同じ調査では、現在の利用率はマイクロサービス(32.21%)の方がコンテナ(29.44%)より高いことが示されています。
いずれにせよ、マイクロサービスとコンテナが、ほとんどの組織から注目されているテクノロジーであることは間違いないでしょう。
しかし、アプリケーションアーキテクチャの大きな変化では常にそうであるように、アプリケーションサービスとネットワーク機能が新しいアプリケーションアーキテクチャのニーズに対応するのに伴い、ネットワークにも同程度の変化が生じます。その一因は、アプリケーションアーキテクチャの変更、特に抜本的な変更によってネットワークパターンが変わり、多くの場合、新しい言語やWebプラットフォーム、さらにそれらに起因するセキュリティ上の課題も生じるためです。

たとえば、クライアントサーバー型から、現在では従来型となった3層Webアプリケーションへの移行に伴い、アプリケーションアーキテクチャに新たな層が加わっただけでなく、急成長するインターネット時代のアプリに必要な拡張性とパフォーマンスを実現するための補完的なインフラストラクチャ層も登場しました。当時の新しいアプリアーキテクチャであったSOAから生じる課題への対応に特化したXMLゲートウェイ、XMLセキュリティゲートウェイ、XMLファイアウォールなどの関連「ネットワーク」デバイスが急増したことを覚えている方もいるでしょう。
その後、クラウドとモバイルの影響が顕在化し始めると、セキュリティが重視されるようになり、新たなネットワークセキュリティソリューションが次々と登場しました。これらは、モバイルデバイスとその利用先となるネットワークの管理およびセキュリティ確保に加え、クラウドアクセスセキュリティブローカーにも重点を置いていました。ここで「ネットワーク」に微妙な変化が生じ、その影響は今も続いています。「ネットワーク」の範囲が、事実上インターネットにまで拡大したのです。アプリケーションが複数の環境に分散し続けるなか、従来はLAN内に限定されていたサービス(特にセキュリティ)が「as a service」としてインターネットへ移行し続けることで、ネットワークは間違いなくこの変化に対応していくでしょう。
現在、アプリケーションアーキテクチャでは、マイクロサービスとAPI(主にRESTful API)の台頭が見られます。同時に、モノのインターネット(IoT)の普及と、アプリケーションおよび人間のユーザーの爆発的な増加により、スケーラビリティの必要性が引き続き高まっていますが、現在は運用面でのスケーラビリティが重視されています。
その結果、ネットワークには、拡張、セキュリティ確保、最適化の対象となるアプリケーション(サービス)とのアーキテクチャ上の互換性を実現するための対応が求められており、多くの場合、すでにその取り組みが進んでいます。具体的には、クラウドを含む仮想化およびコンテナ化された形態を採用し、オーケストレーションと自動化を重視することです。現在の目標は、テンプレートやAPIを活用し、最終的にアプリケーションの本番環境へのデリバリーを推進するフレームワークやツールセットと統合できるようにすることです。
「ネットワーク」は対応を進めています。APIは豊富に用意されています。テンプレートや他のテンプレートシステムへの対応(OpenStack HeatやAWS Cloud Formation Templatesなど)に加え、アプリケーションデリバリインフラストラクチャを「コードとして」扱うためのサポートも一般的になりつつあります。
この適応は、パケットの速度や処理量が重視される従来のネットワーク適応とは異なります。今回の適応で重視されるのは、プロビジョニングの速度と、ネットワークへの情報供給手段としてのAPIの機能です。アプリケーションがパブリッククラウドまたはプライベートクラウド(オンプレミス)にデプロイされているか、単一のモノリシックアプリケーションであるか、100個のマイクロサービスからなる分離された構成であるかを問わず、アプリケーションアーキテクチャとのアーキテクチャ上の互換性の実現に重点を置いています。
誤解してはなりません。ネットワークは、アプリケーションアーキテクチャの変化による影響を受け、さらにはその変化によって進化しています。両者には無視できない共生関係があります。特に、運用を重視する時代へと移行するなか、企業が成功と成長のために依存するアプリケーションを提供するには、連携と協力が不可欠です。
著者について

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。
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