2015年当時、私は「ソフトウェアがITを飲み込んでいる」と指摘しました。これは、RightScale、HBR、PWCなど、さまざまな業界情報源から収集したデータに基づくものでした。開発からデプロイ、デリバリーに至るまで、あらゆる領域でソフトウェアが主役になりつつありました。
しかし当時でさえ、運用環境側のネットワークへのソフトウェアの浸透は、まだごくわずかでした。その兆しは見えており、必要なツールやAPIもすでに数多く存在していました。しかし、パイプライン全体を豪華なコース料理にたとえるなら、開発がメインディッシュで、デプロイとデリバリーは単なるデザートにすぎませんでした。

以前とは状況が変わりました。現在、デプロイとデリバリーは、アプリケーションパイプラインというメニューを構成する3つのメインコースの1つになっています。
そのデータは、過去2年間にわたるF5の調査から抽出したものです。こうした自動化と変化を推進しているのはデジタルトランスフォーメーションだとされていますが、全般的に見られるパブリッククラウドの破壊的な影響も見過ごせません。
ソフトウェアが優勢になった功績(あるいは責任?)が誰にあるにせよ、ソフトウェアが今なおITを飲み込み続けていることは、ほぼ議論の余地がありません。
開発
アプリケーションパイプラインの開発工程は、常にソフトウェアによって支えられてきました。さまざまなライブラリや実行可能ファイルのビルドにはソフトウェアを使用してきました。また、Gitが登場するよりも、CI/CDが一般的な*用語になるよりもはるか以前から、コードの各バージョンの保管にもソフトウェアを使用していました。
開発工程のすべてが、以前から自動化されていたわけではありません。自動テスト、構成管理、イベント駆動型ビルドシステムは、現在ほど一般的ではありませんでした。
クラウドとDevOpsの普及により、アプリケーションパイプラインの開発工程は、その大部分が「ソフトウェアを構築するソフトウェア」によって進められるようになりました。
デプロイ
デプロイ領域でさらなる自動化が求められるようになった背景には、ここでもクラウドとDevOpsがあります。この「本番環境の壁の向こう側」の領域では、ビルドやテストのプロセスと同様に、アプリケーションインフラストラクチャのデプロイも自動化する運用部門が中心的な役割を担っています。実際、ここが問題だったわけではありません。課題は「パイプラインの残りの部分」にありました。つまり、アプリケーションの拡張、セキュリティ確保、高速化に必要なアプリケーションサービスのプラットフォームを提供する、ネットワークインフラストラクチャで構成された部分です。
アプリケーションパイプラインのこの領域では、F5がNetOpsと呼ぶ、知識と経験に富んだネットワークエンジニアの増加に伴い、自動化が爆発的に拡大しています。NetOpsという呼称は、「ネットワーク」の自動化に用いられるツール、技術、手法に影響を与えてきた、そして今も与え続けているDevOpsムーブメントにちなんだものです。
過去3年間で、ネットワーク運用における自動化の活用と重要性は大きく向上しました。アプリケーションパイプラインのデプロイ部分は、「ソフトウェアをデプロイするソフトウェア」へと進化しつつあります。
デリバリー
アプリケーションパイプラインのデリバリー領域は、あらゆる領域の中で最も大きな変革を迎えようとしています。その理由の1つは、過去20年にわたり、ネットワークでは高性能な専用ハードウェアが主に選ばれてきたことです。専用ハードウェアは拡張性と十分な処理能力を備え、総じてソフトウェアよりも高速です。しかし、組織のマルチクラウド化が避けられない流れとなり、極めて重要なエンタープライズアプリケーションでさえパブリッククラウドが選択肢として受け入れられるようになったことで、これまでの前提は変わりました。
ハードウェアはクラウドに移行できません。また、イミュータブルなInfrastructure as Codeによるデリバリー手法に必要な、アプリケーション単位のアーキテクチャを支えるプラットフォームとしても、ハードウェアは適しているとはいえません。一方、ソフトウェアはクラウドに移行でき、アプリケーション単位の構成、イミュータビリティ、Infrastructure as Codeをサポートします。
本当の問題は、ハードウェアかソフトウェアかではありません(アプリケーション単位のクラウドアーキテクチャでは、答えがソフトウェアであることは明らかです)。問われるのは、コンテナか仮想ソフトウェアかです。コンテナがデータセンターとクラウドの両方に急速に普及する中、コンテナで提供されるアプリケーションサービスの需要は倍増しています。正確には、2017年の約4%から2018年には9%へと増加したものですが、導入率が1桁台であるかどうかにかかわらず、依然として大幅な伸びです。

また、仮想ソフトウェアの需要が大幅に高まる一方で、ハードウェアを選好する割合は年々低下しています。ただし、これがいずれゼロになると考えるなら、そもそもソフトウェアからハードウェアへ移行した理由(そう、以前にも同じ道をたどっています)や、企業におけるデリバリー領域の一部(コアとなる共有ネットワーク)が今後も主にハードウェアで構成される可能性が高い理由を、十分に理解しているとは言えません。
しかし、デリバリー分野の大部分は今後もソフトウェアが占めます。すでにそうなっており、その状態はしばらく続いています。パブリッククラウドへの移行やパブリッククラウドからの移行に伴う摩擦を軽減し、従来の導入スケジュールと需要主導型のアプリケーションデリバリースケジュールとの間で増大する摩擦に対処するには、これが唯一の方法です。オンプレミスとパブリッククラウドのいずれにおいても、コンテナと仮想ソフトウェアがアプリケーションデリバリー分野の少なくとも3分の2を占めるようになります。
デリバリー分野は、「ソフトウェアを配信し保護するソフトウェアを、ソフトウェアで提供する」取り組みへと移行しつつあります。
なぜなら、ソフトウェアは今なおITを侵食し続けており、当面その流れは変わらないからです。
*ご家庭の大半が開発者で構成されている場合(私の家庭もそうですが)、CI/CDは家庭内でも日常的に使われる用語です。状況によって異なります。
著者について

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。
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