DevOpsの世界におけるF5の役割

F5エコシステム | 2015年11月16日

カンファレンスで講演した後、F5がその分野にどのように関わっているのかをよく尋ねられます。最近では、たいていDevOps、または何らかの形でDevOpsに関連する話題です。

実際には、ロードバランシングのようなアプリケーションとの親和性が高いサービスは、アプリケーション側へと引き寄せられています。つまり、アプリケーションネットワークを構成する、よりアジャイルで、ソフトウェア駆動型かつ自動化された環境へと移行しています。そこでは、キャッシュ(たとえばmemcachedやRedis)、データベース、コンテナといった、コンピューティングやアプリケーションを中心とするシステムが、高度な自動化とオーケストレーションに依存するCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)の手法を用いてデプロイされています。

F5、より具体的にはBIG-IPは、ロードバランシングの代名詞ともいえる存在です。F5は20世紀末以前からロードバランシングに取り組んでおり、現在ほかのロードバランサーで使用されている中核的なアルゴリズムや概念の多くは、実際にF5が考案したものです。そのため、F5がアプリケーションのロードバランシングに精通しているというだけでは、控えめすぎる表現です。F5は、専用ハードウェアだけでなく、クラウドにも導入できるソフトウェアでロードバランシングを実現します。

このソフトウェアではAPIを利用できます。そのAPIはiControlと呼ばれ、プログラムから利用しやすいよう、SOAPとRESTの両方に対応しています。このAPIを使用すれば、誰でも(私でさえも)、あらゆるアプリケーション向けにBIG-IPの負荷分散サービスやその他のサービスをプロビジョニング、設定、制御できます。

さて、前述のとおり、アプリケーションとの親和性が高いサービスは、日々アプリケーション側へと移行しています。スケーラビリティを実現するロードバランシングも、その1つです。現在では、あらゆるアプリケーションに不可欠なコンポーネントであり、モダンアプリケーションを構成するマイクロサービスにとっても、その重要性がますます高まっています。Microsoftが2015年に発表したサービスのスケーリングに関する論文でも、次のように指摘されています。

“多種多様かつ多数のマシンが存在する環境では、開発者はアプリケーションのワークロードを分割する方法に加え、それぞれの分割方式を支えるために必要なネットワーク接続についても検討せざるを得ません。接続性における非常に重要な側面の1つが、外部ユーザーとサービス自体との間の接続です。ごく小規模なサービスを除き、受信接続の負荷をFEボックス間で分散するには、何らかの負荷分散メカニズムが必要です。多くのメガサービスにはサブサービスもあり、それら自体も負荷分散されています。[強調は引用者による] ”

ロードバランシングは後付けで考えるものではありません。今日のアプリケーションやサービスにとって、ユーザーの満足度を維持し、ビジネスを継続するために必要な拡張性(および信頼性)を実現するうえで、自然に組み込まれる要素です。そのため、ロードバランシングはアプリケーションアーキテクチャ全体の一部であるという認識がますます広がっています。実際、そうあるべきです。アプリケーションアーキテクチャにコンポーネントを追加すると、解決すべき問題や統合上の問題が生じる可能性があるためです。こうした問題には、アプリケーションを本番環境に移行した後ではなく、移行前に対処する必要があります。本番環境で問題を発見して修正するには、開発環境やテスト環境の場合よりも何倍もの時間がかかります。そのため、アプリケーションアーキテクチャにロードバランシングを組み込むことで、本番環境への移行とユーザーへの提供を、より円滑かつ迅速に進められます。

しかし、そのためには、開発環境やテスト環境での統合とデリバリーを担うことが増えているDevOpsツールチェーンによって自動化されたプロセスに、ロードバランサーを統合できる必要があります。つまり、インフラストラクチャをコードとして扱い、そのプロビジョニングと構成を自動化できるように、APIやテンプレートなどの包括的なプログラミングツール群を提供する必要があります。F5では、iControl(RESTまたはSOAP)がこの役割を果たします。

BIG-IPは、ネイティブAPIを活用し、ほぼ任意の言語(例:Powershell、Python、Perl)を使用するか、ChefやPuppetなどのフレームワーク、またはAnsibleなどのツールやSaltStackを使用することで、デプロイ、テスト、リリースの各フェーズでDevOpsに統合できます。iAppsは、アプリケーションサービスの構成を記述するF5のテンプレートであり、コードと同様に扱えます。Githubに保存し、そのまま取得してデプロイすることも、スクリプトでカスタマイズすることもできます。

基本的に、負荷分散などのBIG-IPアプリケーションサービスや、アプリケーションパフォーマンスサービスおよびセキュリティサービスの多くは、これらの重要なサービスが想定どおりアプリケーションとシームレスに連携するよう、CI/CDプロセスの早い段階で統合する必要があります。

アプリケーションをより迅速かつ頻繁に、混乱を抑えながら展開することへのプレッシャーが高まり続け、ビジネスとITのリーダーがアプリケーションエコノミーへの対応を迫られる中、従来「ネットワーク」デバイスとされてきた機器も、次第にDevOpsの世界に適合していくでしょう。

BIG-IPで使用できるDevOpsツールについて詳しくは、DevCentralのこちらの記事「F5 Friday: DevOpsツールとF5」をご覧ください。

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タグ: 2015

著者について

Lori Mac Vittie
Lori Mac Vittie特別技術者兼チーフエバンジェリスト | F5

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。

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