完全修飾ドメイン名(FQDN)とは何か

完全修飾ドメイン名(FQDN)について、他のドメイン名との違い、F5がお手伝いできることについて説明します。

完全修飾ドメイン名(FQDN)は、インターネット上のサーバ、Webサイト、サービスなどのネットワーク リソースの正確な場所を指定する、完全で一義的なドメイン名です。FQDNは、オンライン リソースの整理、識別、およびアクセスを容易にし、さまざまなネットワーク環境間での相互運用性を確実なものにします。

FQDNの構造

FQDNは、ドメイン ネーム システム(DNS)階層内のコンピューティング リソースの正確な場所を示すために使用されます。通常、FQDNはドメイン ラベルのリストとして記述されます。つまり、トップレベル ドメイン、セカンドレベル ドメイン名、サブドメイン(使用する場合)、ホスト ドメインがドットまたはピリオドで区切られます。ラベル階層は右から左に読み取られます。FQDN構文の例として、www.shop.example.comというアドレスの場合、「.com」がトップレベル ドメイン、「example」がセカンドレベル ドメイン名、「shop」がサブドメイン、「www」がホスト名となります。

  • トップレベル ドメイン(TLD)は、ドメイン名の階層構造の最上位レベルであり、ドメインの最も一般的な分類を表します。.comに加えて、一般的な汎用TLDには、.org、.net、.infoなどがあります。.ca(カナダ)、.us(米国)、.de(ドイツ)などの国コードTLDも使用されています。
  • セカンドレベル ドメイン(SLD)は、TLDのすぐ左にあります。SLDは通常、ドメインの所有者または管理者によって選択され、多くの場合、組織、Webサイト、またはサービスの名前またはブランドに関連付けられます。セカンドレベル ドメインとトップレベル ドメインの組み合わせにより、Webサイトやその他のインターネット リソースにアクセスするための識別可能なアドレスであるルート ドメインが作成されます。
  • サブドメインは、ドメイン内のさまざまなセクションやサービスを整理および分類するために使用され、プライマリ ドメインの下に個別の名前空間と階層組織を作成する方法を提供します。サブドメインは、個別のサービス、部門、またはWebサイトのセクションを表すためによく使用されます。例えば、「shop.example.com」はオンライン ストアのアドレスになります。
  • ホスト名はドメイン名の一番左の要素です。ホスト名は、Webサーバ(「www」)、メール サーバ(「mail」)、FTPサーバ(「ftp」)の識別など、さまざまな目的で使用できます。例えば、www.example.comは、ドメインexample.comに関連付けられたWebサーバのアドレスです。ホスト名は、ドメイン内のさまざまなサービスを整理および分類する方法を提供します。
  • Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)は、ドメイン名とTLDの割り当ておよび管理を行って、グローバル ドメイン名システムの安定性とセキュリティを確保しています。

その他のFQDNの例

国際化ドメイン名

従来のドメイン名は、ラテン アルファベットと限られた文字セットを含むASCII文字セットに基づいています。しかし、世界中の多くの言語では、ASCIIで表現されない文字を使用したスクリプトが使用されています。国際化ドメイン名(IDN)は、ローカルの言語とスクリプトでドメイン名を登録および使用できるようにすることで、この制限に対処するものです。

IDNは、発音区別符号付きの文字や非ラテン スクリプトの文字など、非ASCII文字セットの文字を含むドメイン名です。IDNにより、英語以外の言語でのドメイン名の使用が可能になり、さまざまなスクリプトや表記体系の文字の組み込みがサポートされ、インターネット上の包括性と言語の多様性が促進されます。

IDNは、標準化された文字エンコード システムであるUnicodeを使用して、非ASCII文字を表します。Unicodeは、世界中のほぼすべての表記体系の文字や記号に一意の数値を割り当て、ASCII文字セットで使用できる限られた文字セットのほかにも、キリル文字、アラビア語、中国語、日本語、韓国語など、さまざまなスクリプトの文字をドメイン名に含めることができます。

同様に、Punycodeと呼ばれる別のエンコード システムは、非ASCII IDNをASCII互換の表記に変換します。これにより、さまざまなスクリプトの文字を含むドメイン名を、DNSのドメイン名に従来使用されているASCII文字セットと互換性のある形式で表記できるようになります。

FQDN構文のバリエーション

  • 末尾のドット:FQDNでは、末尾のドット(「www.example.com.」など)はDNS階層のルートを表します。末尾のドット(ピリオド)はドメイン名を終了させる役割を果たし、これによってドメイン名は絶対的な完全修飾参照となります。末尾のドットなしでFQDNを指定すると、DNSシステムは自動的にルート ドメインを名前に追加します。例えば、「www.example.com」は「www.example.com.」と同じです。ただし、末尾のドットの有無は、状況によってはドメイン名の解釈に影響を与える可能性があります。DNS構成、ゾーン ファイル、またはその他の技術的なコンテキストでドメイン名を指定する場合、末尾のドットを含めることは正確性と適切な解釈を実現する上で重要です。
  • ワイルドカード サブドメイン:ワイルドカード サブドメインとは、ワイルドカード文字*(アスタリスク)を任意のサブドメイン名のプレースホルダとして使用して指定されるサブドメインを指します。したがって、「*.example.com」はドメイン「example.com.」に属する任意のサブドメインを表します。ワイルドカード サブドメインは、サブドメインが動的に作成される場合や、サブドメインの正確なリストが事前に定義されていない場合によく使用されます。ワイルドカード サブドメインは、指定されたパターンに一致するサブドメインのキャッチオール ルールとしても機能します。これにより、1つのルールで複数のサブドメインをカバーできるため、DNS構成が簡素化されます。

FQDNと他の種類のドメイン名

FQDNと絶対ドメイン名(ADN)

ICANNによれば、「完全修飾ドメイン名」と「絶対ドメイン名」という用語は互換的に使用されることが多く、ほとんどのコンテキストで同じ概念を指します。どちらの用語も、DNS内のリソースの正確な場所を指定するために必要なラベルの完全な階層を含むドメイン名を表します。

FQDNと部分修飾ドメイン名(PQDN)

PQDNは、FQDNになるために必要なラベルの完全な階層を欠いたドメイン名です。PQDNは、インターネット上の特定のリソースを見つけるために必要な完全なパスを提供しません。通常、PQDNにはホスト名がないため、www.example.comがサイトのFQDNである場合、「example.com」がそのサイトのPQDNになります。ほとんどのWebサイト開発者は、訪問者がFQDNとPQDNのどちらを入力しても同じページにリダイレクトするようにサイトのDNSを構成します。

FQDNとユニフォーム リソース ロケータ(URL)

FQDNはDNS内のリソースの正確な場所を指定する完全なドメイン名ですが、URLはインターネット上のリソースにアクセスするための完全なアドレス(ドメイン名以外のプロトコルや追加コンポーネントを含む)を指します。URLは、特定のWebページに移動するためにWebブラウザでよく使用されます。

FQDNの使用方法

FQDNは、次のような多くの重要な機能を果たします。

  • ネットワーク リソースの識別。FQDNは、インターネット上のサーバ、ルーター、デバイスなどのネットワーク リソースを一意かつ正確に識別するために使用されます。各リソースに個別のFQDNを割り当てることで、正確な位置特定と通信が可能になります。
  • メール アドレス指定。メール アドレスでは、ドメイン名はサイトのFQDNで表されます。例えば、「user@example.com」というメール アドレスでは、「example.com」はメール サーバのドメインを表します。
  • Webサーバ ホスティング。FQDNは、Webサーバを識別してアクセスするためにWebホスティングで使用されます。Webサイトは通常FQDNに関連付けられており、ユーザーは完全なアドレス(「www.example.com」など)を入力することで特定のWebページにアクセスできます。これは単一のサーバで、それぞれが独自のFQDNを持つ複数のWebサイトをホストする場合に不可欠です。
  • DNS解決。DNSは人間が判読できるドメイン名をIPアドレスに変換し、コンピュータがインターネット上で互いを検出して通信できるようにします。FQDNはDNS解決の基盤であり、DNSクエリと応答で使用され、システムが、対応するIPアドレスにホスト名を解決できるようにします。

FQDNが必要な理由

FQDNは、ネットワーク インフラストラクチャ、通信、Webサービスの識別、接続、セキュリティ保護において重要な役割を果たします。次のような用途があります。

  • SSL/TSL証明書の取得。FQDNは、Webサーバとブラウザ間の接続を保護するSSL/TLS証明書を通じてWeb通信を保護する上で役立ちます。SSL/TLS証明書は通常、クライアントとサーバ間の通信が安全で暗号化されたものであることを保証するために、特定のFQDNに対して発行されます。
  • リモート ホスト接続。FQDNは、リモート ホストや仮想マシン接続などのリモート アクセス シナリオでよく使用されます。認証プロセスに貢献し、目的のサーバを正確に識別して接続できるようにします。
  • ドメイン サービス、プロトコル、およびリモート サーバへのアクセス。FQDNは、FTP(ファイル転送プロトコル)サーバへのアクセスやメール サービスの構成など、多くのアプリケーションにとって不可欠です。FQDNは、セキュア シェル(SSH)接続のホストを安全に識別して認証したり、Telnet接続で目的のホスト サーバを指定したりするためにも使用されます。例えば、FTPセッション内では、FQDNを使用してFTPサーバ上のディレクトリまたはファイルへのフル パスを指定できます。同様に、電子メールを送信する場合、メール クライアントはSMTPサーバのFQDNを使用して送信メッセージをルーティングし、目的のメール サーバに確実に配信されるようにします。
  • 新しいサーバへの移行。サービスを新しいサーバまたはインフラストラクチャに移行するには、通常、IPアドレスの変更が必要です。FQDNを使用すると、クライアント デバイスを変更することなく、DNSレコードを更新して新しいIPアドレスを反映させることができます。FQDNは抽象化レイヤを提供し、ユーザーは特定のIPアドレスではなくドメイン名でサービスを参照できます。

FQDNの確認方法

コンピュータのFQDNを確認する方法は、オペレーティング システムによって異なります。

Windows OS

  1. コントロール パネル]を開きます。
  2. [システムとセキュリティ]>[システム]の順にクリックします。
  3. コンピューターの名前の参照]を選択します。
  4. 完全なデバイス名(FQDN)が[デバイスの仕様]の下に表示されます。

macOS

  1. Apple]メニュー、[システム設定]の順に選択し、サイドバーの[一般]をクリックします。
  2. 右側の[情報]をクリックします。下方向にスクロールする必要がある場合があります。
  3. 完全なコンピュータ名、つまりFQDNが[情報]設定の上部に表示されます。

あるいは、macOSでは、ターミナルを開いてプロンプトに「hostname -f」と入力すると、FQDNが返されます。

Linux

ターミナルを開き、プロンプトに「hostname -A」と入力すると(Aは大文字と小文字が区別されます)、FQDNが返されます。

F5がお手伝いできること

DNSは、ユーザーがサービスにアクセスできるようにするため、ネットワーク インフラストラクチャで最も重要なコンポーネントの1つとなっています。DNSが利用できない場合、サービスは正常に機能しません。F5 BIG-IP DNSF5 Distributed Cloud DNSは、比類のないDNSパフォーマンスを提供し、マルチコアの拡張性でクエリ応答を管理し、DNSクエリの急増に対応して、複数のインスタンス間でも、ハイブリッド環境全体でもアプリケーションの高可用性を実現できます。F5 DNSプラットフォームは、管理が簡単で、簡単に可視化とプログラムができるようにし、ネットワーク アーキテクチャを管理しやすくして、Webブラウジングを高速化し、遅延を短縮してユーザー エクスペリエンスを向上させることができます。