F5が4年前にTech for Good助成金プログラムを開始した当時、非営利団体の厳しい運営予算では、テクノロジーインフラへの投資が真っ先に削減されることが少なくないと認識していました。パッチが適用されていないWindows XPを搭載した2000年代初頭のノートPCを、非営利団体が何とかもう1年使い続けることも珍しくありませんでした。テクノロジーが活動範囲の拡大と成果創出の加速に果たす役割を実証できる最初の25の非営利団体に対し、こうした重大な資金不足の一部を補うことは、F5にとって当時から重要であり、現在も変わりません。
その1年後、2020年に起きた未曽有の出来事を受け、多様性とインクルージョンを尊重する文化を社内に築くというF5の包括的なコミットメントを、私たちが暮らし、働く地域社会に対する社外での取り組みに、より明確に反映できることが浮き彫りになりました。具体的には、2021年と2022年のTech for Good助成金を、黒人、先住民、有色人種(BIPOC)が多数を占めるコミュニティや、その他の十分に代表されていないコミュニティを支援する非営利団体のテクノロジー投資に重点的に充てることを意味しました。Tech for Good助成金への応募が135%増加し、すべての助成先選考委員会を構成するF5の従業員が、F5のこれまでの助成先の中でも特に将来性の高い非営利団体を選んだことで、この方針が正しかったと確信しました。
そして迎えた2023年には、パキスタンの洪水、カナダで先住民コミュニティの避難を余儀なくさせた山火事、アフリカの角で続く干ばつなど、気候災害が相次ぎました。地球に甚大な被害をもたらしている温室効果ガスの排出に、歴史的にほとんど関与してこなかったBIPOCが多数を占めるコミュニティであるにもかかわらず、気候変動によって特に深刻な影響を繰り返し受けているのは、最も脆弱な立場にある人々です。さらに重要なのは、こうしたBIPOCコミュニティの多くが、何世紀にもわたって暮らしてきた森林、砂漠、草原、海洋環境において、地球の生物多様性の大部分を守る担い手となっていることです。
“気候変動は、どの国においても、生計を天然資源に最も依存している人々や、干ばつ、地滑り、洪水、ハリケーンなどの自然災害への対応能力が最も低い人々に、より大きな影響を及ぼします。人々の脆弱性が特に高い地域は、西アフリカ、中央アフリカ、東アフリカ、南アジア、中南米に集中しています。国連気候変動枠組条約”
しかし、F5で私が所属する環境・社会・ガバナンス(ESG)チームを含め、多くの組織が現在、環境面で取り組もうとしている課題には、気候変動がもたらす社会的コストが考慮されていません。排出量削減に必要な技術面や運用面の変革だけでなく、気候変動に伴う人権や社会的不平等の問題にも取り組むこと。これこそが、気候正義を求める運動の中核にあります。環境と社会の間にあるこの隔たりが、今年のTech for Good助成金で気候正義に重点を置くきっかけとなりました。
世界各地の非営利団体から310件の応募が寄せられました。その一つひとつが、気候危機への対応には誰もが役割を果たす必要がある一方で、その負担を、危機への寄与が最も少ない人々に負わせるべきではないという事実を物語っていました。数多くの優れた応募の中でも、気候正義という世界的な課題に地域に深く根ざしたアプローチで取り組む10団体が、特に際立っているとF5の従業員委員会は評価しました。
これらの団体は、熱帯雨林から沿岸地域まで、それぞれに固有の生態系を代表し、気候変動に強い作物からクリーンエネルギーまで、多岐にわたる課題に取り組んでいます。2023年の助成先団体は、BIPOCや十分な支援を受けていないコミュニティに影響を及ぼす、特に解決が困難な気候問題に対し、力を合わせてテクノロジーソリューションを活用していきます。F5は、わずかながらもその活動の推進に貢献できることを大変誇りに思います。
BIPOCが多数を占めるコミュニティや、十分な支援を受けていないコミュニティに影響を及ぼす気候問題に取り組む非営利団体に所属し、2024年F5 Tech for Good助成金の申請受付開始時に通知を希望される場合は、こちらから情報をご登録ください。
2023年にTech for Good助成金として各25,000米ドルを受け取った10の非営利団体に、心よりお祝い申し上げます。
F5 Tech for Good助成金パートナー

Coalition for Rainforest Nations
グローバル
ミッション:Coalition for Rainforest Nationsは、気候危機の原因をほとんど生み出していないにもかかわらず、洪水、干ばつ、飢餓など、気候変動による壊滅的な影響を受けている国々を支援しています。
「私たちの最終目標は、すべての熱帯雨林国で森林に関連する炭素排出量をゼロにすることです。Tech for Good助成金により、熱帯雨林国が自国の排出量をより迅速かつ正確に測定できるようになり、目標達成を加速できます。」
— Coalition for Rainforest Nations開発ディレクター、Aaron Rashba氏

生存のための自然保護(CONASU)
タンザニア
ミッション:CONASUは、タンザニアでさらなる森林破壊を防ぎ、森林資源を保護するとともに、社会的に疎外された女性、若者、先住民を含む地域コミュニティの持続可能な生計を促進するために活動しています。
「ガイロ県の森林破壊は、森林と社会的に疎外されたコミュニティの双方を脅かす喫緊の課題です。この課題に効果的に対処するには、IT技術の活用が不可欠です。革新的なソリューションによって森林を守り、コミュニティの自立を後押しすることで、持続可能で公平な未来を実現できます。」
— Angelus Runji、CONASUエグゼクティブディレクター

Cool Earth
ペルー、コンゴ民主共和国、カメルーン、ガボン、パプアニューギニア
ミッション:気候危機への対応を目的に設立されたCool Earthは、熱帯雨林の保護を求め、実践する地域コミュニティ主導の自然保護パートナーシップのネットワークです。
「現地で暮らす人々をあらゆる取り組みの中心に据えなければ、熱帯雨林を守ることはできません。気候危機は不平等の危機でもあり、これは不公正を正すための問題であると、私たち全員が一刻も早く認識する必要があります」
— Cool Earth、トラスト担当マネージャー、Nog Sawdon

Ecocity Builders
ネパール
ミッション:Ecocity Buildersは、持続可能で公平かつレジリエントな都市というビジョンの実現に取り組み、世界各地の多くの都市による環境に配慮したプロジェクトや政策の実施を支援しています。
「このプロジェクトにより、ネパールのレンガ工場と連携する、効果的で低コストのオープンテクノロジーシステムを構築できるようになります。このシステムは、工場の近隣に暮らす先住民族ネワールの人々が直面する深刻な大気汚染の軽減に役立ちます」
— Kirstin Miller、Ecocity Buildersエグゼクティブディレクター

ENVenture
ウガンダ
ミッション:ENVentureは、ウガンダ全土でクリーンエネルギー技術を農村部に届ける販売事業者となれるよう、地域密着型組織にビジネススキルを提供しています。
「私たちはこれまでに、オフグリッドのクリーンエネルギー事業者を171社以上育成してきました。これらの事業者が各世帯のクリーンエネルギー技術への移行を後押ししたことで、世帯全体で450万ドル以上の費用削減につながっています。今なお電気を利用できない2,700万人以上のウガンダ国民に手頃な価格のオフグリッドソリューションを届けるには、オフグリッド地域で活動する何千人ものクリーンエネルギー起業家を支援する必要があります」
— Julius Mujuni氏、ENVentureカントリーディレクター

ウムディケ国立根菜類研究所
ナイジェリア
使命:National Root Crops Research Institute Umudikeは、気候変動に強い根菜・塊茎作物の品種を開発するため、遺伝的改良に関する研究を行っています。また、気候変動への対応力を高め、生産性と収入を向上させるため、農村部の農家、特に持続可能な農業に十分参画できていない農家を対象に研修を実施しています。
「現在、ナイジェリアとアフリカでは、環境を劣化させる農薬や農業資材を使用する従来型の作付体系が主流です。アグロフォレストリー生産体系のような持続可能な代替手段では、多様化と生産性の向上を図り、天然資源と環境を保全する必要があります。」
— National Root Crops Research Institute Umudike、Paul Ekeledo博士

People's Planet Project
インドネシアとブラジル
ミッション: People’s Planet Projectは、先住民族が自らの土地に進出する産業による森林破壊を食い止め、自らの領域で妨げられることなく暮らせる世界を目指しています。
「森林破壊による悪影響を最も受けやすい先住民族は、解決策とその実施をめぐる議論に積極的に参加すべきです。」
—People’s Planet Project ドナーリレーションズ&インパクト・コーディネーター、Andra Enuica

Resilience Action International
ケニア
ミッション: Resilience Action Internationalは、ケニアのトゥルカナ郡にあるカクマ難民キャンプで若者を支援する、難民主導のNGOです。同団体は、子会社のOkapi Green Ltdを通じてカクマ難民キャンプの住民に太陽光エネルギーを供給するほか、若者を対象とした環境保全研修、小規模事業者向けのリソース管理支援、STEM分野のキャリアに関心を持つ若年成人向けの気候変動に関するデジタルスキル研修を提供しています。
「Tech for Good助成金は、難民が、すでに深刻な状況にある環境をさらに悪化させる非再生可能エネルギー源に頼る必要性を最小限に抑えながら、気候レジリエンスを高めるうえで役立ちます。」
— Gloria Bitutu Mairura氏(Resilience Action International、コミュニケーションおよび開発担当)

Rhino Ark Charitable Trust
ケニア
使命:Rhino Ark Charitable Trustは、ケニアのクロサイの密猟が横行する状況に歯止めをかけるために設立され、その後、ほかの山岳森林生態系の保全も支援する組織へと発展しました。
「ケニアの重要な生態系を守ることで、Rhino Arkは野生生物と地域社会の双方の健全な暮らしに貢献し、すべての人にとってより持続可能な未来の実現を支えています。」
— Gabby Mora、Rhino Ark Charitable Trust開発マネージャー

女性環境プログラム(WEP)
ナイジェリア
ミッション:WEPは、環境、社会・政治、経済の持続可能な発展を通じて、ナイジェリアの女性と若者の権利を保障します。
「気候変動の影響がナイジェリアの地域社会に甚大な被害をもたらす中、異常気象、食料不安、水不足による負担が女性に偏っていることが明らかになりました。」
— Anne-Marie Abaagu、WEPエグゼクティブディレクター
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