組織が自律化の時代を迎える中、F5は、最小限の人間の監督のもとで自律的に推論、行動、適応するインテリジェントシステムであるエージェント型AIなど、AIベースのメカニズムの台頭によって生じ得る脅威に対し、シームレスなエンタープライズグレードの保護を提供する取り組みをリードしています。
自律型トラフィックの出現
エージェント型AIにより、自律型デジタルトラフィック、すなわち企業ネットワークやアプリケーションインフラストラクチャで増え続ける、人間以外によるインタラクションが急速に拡大しています。自動化自体は新しいものではありませんが、現在のAI駆動型エージェントは、その規模と高度化によってデジタル環境を大きく変えつつあります。大規模言語モデル(LLM)と生成AIを活用するこれらのエージェントは、航空券の予約、データのスクレイピング、さらにはWebセッションで人間の行動を模倣するなど、複雑なワークフローを実行できるようトレーニングされています。
自律型エージェントによるトラフィックがすべて有害とは限りません。OpenAIのOperatorAIやAmazonのNovaACTなどのツールは、ショッピング、調査、タスクの自動化といった正当なユースケース向けに設計された、新世代のAIエージェントです。これらのプラットフォームには、悪用を防ぐため、ユーザー確認モードやブラウザーAPIへのアクセス制限などの保護機能が組み込まれています。また、既知のIPアドレス範囲を使用し、ブラウザーの動作を制御できる範囲も限られているなど、インフラストラクチャが透明であることが多いため、悪意のある攻撃者にとって魅力的な選択肢ではありません。
一方、BrowseGPT、Browser.ai、DoBrowser、Firecrawl、Skyvern-AI、BrowserMCPなど、生成AIを活用したツールが増えており、Webスクレイピングやブラウザ自動化向けであることを明示して販売されています。こうしたツールは、従来のボット検知システムを回避することも少なくありません。実際の人間であるかのようにWebページを操作し、人間の行動を模倣します。
エージェント型AIと自動化フレームワークの関係
ここで、この連携が極めて重要になります。LLMはコンテンツとコンテキストを理解するための知能を提供しますが、Webサイトを直接操作するわけではありません。代わりに、自動化フレームワークを利用してブラウザ上でアクションを実行します。LLMが「何をするか」、フレームワークが「どのように実行するか」を担うという役割分担により、エージェント型AIは強力になる一方で、潜在的な危険性も伴います。

たとえば、LLMがWebサイトへのログインと価格データの抽出が必要だと判断する場合があります。その後、その指示をWeb自動化フレームワークに渡します。このフレームワークは、タスクの完了に必要なマウスクリック、キー入力、ページ遷移をシミュレートします。このモジュール型アーキテクチャにより、AIエージェントは手動で再プログラミングしなくてもWeb構造の変化に迅速に適応でき、高度な自動化を導入しやすくなります。
エージェント時代に対応するボット対策
F5 Distributed Cloud Bot Defenseは、価値の高いモバイルファーストのユースケース向けに特化して設計されており、組み込みの脅威インテリジェンスによって実証済みの有効性を発揮します。エージェント型AIを支える自動化フレームワークからの脅威を検知して緩和し、ユーザーエクスペリエンスを損なうことなくシームレスな保護を実現します。Browser-Useのようなブラウザ拡張機能でも、Skyvernのようなホステッドエージェントでも、Distributed Cloud Bot Defenseは合成された振る舞い、ブラウザAPIの操作、住宅用プロキシの使用を大規模に特定します。攻撃者によるツールの刷新に追随することが難しい従来のボット管理ソリューションとは異なり、Distributed Cloud Bot Defenseは、行動分析、クライアント側テレメトリ、人間のアナリストからのフィードバックを組み合わせた2段階の検知モデルを使用し、進化する自動化の脅威に先手を打ちます。
F5が継続的に実施している調査から得られた主な知見は次のとおりです。
- LLMは本質的に悪意のあるものではありませんが、Web自動化フレームワークを利用して、悪意のある自動攻撃を仕掛ける可能性があります。
- OperatorAIとNovaACTには、ユーザー確認やIPの透明性などの安全機能が備わっているため、攻撃者にとっての魅力が低くなります。
- 悪意のあるエージェントには、こうした安全対策が備わっていないことが多く、検知を回避するよう設計されています。しかし、依然として既知の自動化スタックに依存しているため、Distributed Cloud Bot Defenseで検知できます。
- 住宅用プロキシは、悪意のある自動化を大規模に展開するうえで依然として重要な役割を果たしており、F5はこれらを検知してブロックするための幅広い機能を備えています。
エージェント型AIは今なお進化を続けています。現在のツールは、ほとんどの防御を回避できるほどの規模や高度さには達していませんが、急速な技術革新には継続的な警戒が必要です。AIエージェントの能力が高まるにつれ、組織は有益な自動化と悪意のある意図を見分けられるよう備える必要があります。
F5は、この変化を先取りし、企業がデジタルエコシステムを保護しながらエージェント型AIのメリットを活用できるよう支援していきます。Distributed Cloud Bot Defenseの詳細と、提供される機能をご覧ください。
また、今週発表されたAI関連の最新情報は、Accelerate AI Webページでご覧いただけます。
著者について
関連するブログ記事

F5 Application Study Tool:OpenTelemetryによるF5 BIG-IP環境の監視
F5の新しいオープンソースツールは、BIG-IP環境を詳細に可視化し、データを追跡するとともに、強力でカスタマイズ可能なインサイトを得るための基盤を提供します。
F5 BIG-IPでAI防御を実現
F5 BIG-IP Advanced WAF、BIG-IP APM、BIG-IP SSL Orchestratorが、生成AIアプリ向けに包括的なセキュリティソリューションを提供する仕組みをご覧ください。
F5 Advanced WAFによるGraphQL APIの保護
ここ数年、多くの組織がデジタルトランスフォーメーションを進めており、COVID-19のパンデミックによってその動きは加速しています。
アプリケーションサービスの現状 通信業界版:リーダーとしての台頭
通信ネットワークが進化し、さまざまな業界の幅広いユースケースに対応するなか、通信業界の回答者がテクノロジーリーダーとしての存在感を高めていることがわかります。
デジタルトランスフォーメーションは、単なるペーパーレス化ではない
デジタルトランスフォーメーションは、単なるペーパーレス化ではありません。真のモダナイゼーションにアプリケーションアーキテクチャとセキュリティの再構築が必要な理由を、F5ブログでご覧ください。
やめましょう。もう本当にやめましょう。HTTPSはHTTPより高速ではありません。
もうやめましょう。HTTPSはHTTPより高速ではありません。プロトコルのパフォーマンスに関する微妙な違いと、暗号化トラフィックを適切に最適化する方法については、F5ブログをご覧ください。