NetOps:先頭に立つか、道を譲るか

F5エコシステム | 2018年2月05日
DXへの準備
  • デジタルトランスフォーメーションの取り組みにより、本番環境の自動化は避けて通れないものとなります。自動化を主導しなければ、運が良くても、誰かの後を追うことになります。
  • 開発者は、コーディング、スクリプティング、統合のスキルで一歩リードしています。一方、NetOpsには、開発者に不足しているネットワークのノウハウがあります。
  • 世界中のあらゆる業界で、組織が本番環境での自動化の活用を拡大しています。
  • NetOps担当者は、トレーニングやスキルの不足を、本番環境のパイプライン自動化を阻む要因として挙げる傾向があります。Super-NetOps programは、この課題の解決を支援します。

デジタルトランスフォーメーションという言葉は、使い古され、過剰に持ち上げられ、しばしば乱用されているかもしれません。しかし同時に、紙や手作業によるプロセスから脱却し、デジタル経済により本格的に対応できるよう組織を後押しする、現実の大きな潮流でもあります。F5の「State of Application Delivery 2018」によると、組織の約4分の3(72%)がデジタルトランスフォーメーションの取り組みを進めています。「デジタルトランスフォーメーションによって、X社はこれほどの成果を上げた」といった事例で見落とされがちなのは、最新の機器やツール、アプリを支えるためのデータセンターの準備に、多大な労力が注がれてきたという点です。

実際のところ、APIかURIか、JSONかXMLか、WebSocketsかWebサイトかを問わず、アプリは今もバックエンドサービスと通信しています。つまり、あらゆるアプリ、あらゆるIoTデバイス、そして日々刻々とインターネット上で行われるすべての通信を、ネットワークが支えているのです。

それはどれほど重要なのでしょうか。たとえば、Internet Associationの推計によると、インターネットを介した活動の寄与は、「米国のGDPの約3.11%に相当し、従来、米国のGDPの約3.0~3.5%を占めると推計されてきた自動車産業とほぼ同じ規模です(Center for Automotive Research、2015年)。」また、同協会は2016年にインターネットがG20諸国のGDPの約5.3%、EUのGDPの5.7%に寄与したとも指摘しています。これは機器ではなく、活動の話です。サプライチェーン、小売販売、金融取引。こうした経済活動はすべて、最終的にアプリとAPIを必要とします。つまり、お客さまのネットワークが必要なのです。

増大し続けるこのような負荷を支えるには、ネットワークの安定性と速度が不可欠です。これには、バックボーンを構成するネットワーク、相互接続、データセンター内のネットワークが含まれます。今回は、最も大きな影響を与えられるデータセンター内のネットワークに焦点を当てます。

影響を与えることはできますが、実際にはそうしていないかもしれません。開発者がネットワークに直接影響する判断に関与し、ときには自ら判断を下すケースが増えています。開発者はすでにアジャイル手法を採用し、DevOpsを取り入れているからです。その変化の速さに、ネットワークが追いつけなくなっています。より迅速に進める必要に迫られ、本番環境へのデプロイ(またはクラウドへの展開)を推し進めています。これは懸念すべき状況です。優れたネットワークエンジニアやアーキテクトに必要なスキルは、開発者に必要なスキルとは異なるためです。従来、この2つのスキルセットには昼と夜ほどの違いがありました。しかし、それも変わりつつあります。

NetOpsが今後もネットワークに影響力を持ち続けるには、開発者のスキルを身につける必要があります。

一部でNetOps 2.0やDevNetOpsと呼ばれるこの取り組みを、F5ではSuper-NetOpsと呼び、その実現を目指しています。

呼び方が何であれ、基本的な考え方は同じです。DevOpsの原則を取り入れ、その方法論を適用し、本番環境への継続的なデプロイを実現するための戦略的アプローチとして自動化を採用します。

つまり、アプリ、アプリケーションサービス、ネットワーク自体に対する大小さまざまな構成変更を自動化するということです。また、REST APIの操作方法に加え、データパス上のあらゆる要素のプロビジョニングと構成に必要なスクリプトやテンプレートを、Gitなどのリポジトリを使用して管理し、共同作業を行う方法を習得することも意味します。

さらに、DevOpsの中核原則であるCAMSを理解する必要があります。つまり、文化(Culture)が重要であり、自動化(Automation)は目的を達成するための手段であり、測定結果(Measurements)はプロセスやパフォーマンスの改善に活用するだけでなく、共有(Shared)するものであると認識することです。

私の経験では、開発者にネットワークを教えるよりも、ネットワーク担当者にコーディングを教える方が簡単です。どちらも不可能ではなく、もちろん例外もありますが、ネットワークについて学びたいと思う開発者はめったにいません。クラウドとコンテナが大きな成功を収めた理由の1つは、ネットワーク構成の複雑さを抽象化し、開発者が少しずつ利用できるシンプルなサービスとして提供している点にあります。その仕組みや理由の詳細まで掘り下げる必要はありません。

その必要はありません。開発者の仕事は、ビットやバイト、ロジックを優れたアプリケーションへと昇華させることです。一方、NetOpsの仕事は、ネットワークを十分に整備された機械のように円滑に稼働させ、F1レーサー並みの速さでパケットを送り出すことです。私はネットワークに関心のある開発者ですが、真のネットワークエンジニアと同じレベルでネットワークを自動化するには、自分の知識が十分ではないことを理解しています。

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だからこそ、ネットワークに精通した皆さんが、私や、私と同じ何百万人もの開発者のために取り組まなければなりません。皆さんがやらなければ、ほかの誰かがやるからです。かつては「先頭に立つか、後に続くか、道を譲るか」と言われていました。しかし、デジタルトランスフォーメーションという列車が迫る今、選択肢は「先頭に立つか、道を譲るか」だけです。

スキルギャップ(2017年)

一部の組織が現在、自動化を導入していないのには理由があります。その1つが、既存のスキルギャップです。NetOpsが自動化を適切に実施するには、さまざまな「開発者」スキルが必要ですが、実際のところ、NetOps自身もそうしたスキルを備えているという確信を十分に持てていません。

これがSuper-NetOpsを推進する理由の1つです。単なる「BIG-IPを自動化する方法」の無料トレーニングコースではありません。そのようなコンテンツは現在、DevCentralに豊富に用意されています。Super-NetOpsの目的は、確かな基礎を築き、BIG-IPをはじめとするさまざまな対象を自動化するためにNetOpsが必要とするスキルと知識を習得することです。中核となるスキルは、現在APIやテンプレートを提供し、本番環境での自動化やオーケストレーションに利用できる、幅広いネットワークサービスやアプリケーションサービスに応用できます。これはまさに、開発チームがNetOpsに求めていることです。多くの場合、課題は始め方(または、どこから始めるか)が分からないことにあります。

Super-NetOpsが目指すのは、まさにその答えを示すことです。専門知識と経験を次世代のデータセンター、そしてクラウドへと広げるには、トレーニングとスキルが必要です。F5は皆さまを支援します。この変革に取り残されることなく、自ら先導するために必要なスキルを提供します。

未来は大きく自動化へと向かっています。そして、インターネット経済の原動力を支える方法を熟知したエンジニアやアーキテクトほど、ネットワークの自動化に適した人材はいません。

もう、始めない理由はありません。登録して、サインインしましょう。リラックスできる環境を整えたら、さっそく始めてください。自動化を始めるなら、今日が最適です。

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タグ: DevOps, 2018

著者について

Lori Mac Vittie
Lori Mac Vittie特別技術者兼チーフエバンジェリスト | F5

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。

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