5年にわたり、世界中のIT分野であらゆる役割を担う数千人の回答者に、シンプルな質問をしてきました。「アプリケーションのデプロイに絶対に欠かせないものを1つ挙げるとしたら、何ですか?」言い換えれば、アプリケーションに提供できる最も重要なものは何でしょうか。
F5の「State of Application Services 2019」調査に回答した約2,000人に含まれていない方は、比較できるよう、まずご自身でこの質問への答えを考えてみてください。
「_____________________なしでアプリケーションをデプロイすることだけは、絶対に避けたい!」
回答を1つ選択してください。
- 可用性(負荷分散やグローバルサーバー負荷分散など)
- セキュリティ(ネットワークファイアウォール、Webアプリケーションファイアウォールなど)
- アイデンティティ/アクセス(SSL VPNやアイデンティティなど)
- パフォーマンス(キャッシュや圧縮など)
- モビリティ(VDIやIoTゲートウェイなど)
では、答えをしっかりと心に決めてください。決まりましたか? それでは先に進みましょう。
「セキュリティ」と答えた方は、同じ回答をした60%の回答者と同じ考えです。セキュリティは今や、ITにおいて最も重要なアプリケーションサービスのカテゴリーとなっています。
以前からそうだったわけではありません。

2015年には可用性が首位となり、2016年にはセキュリティと同率首位でしたが、それ以降はセキュリティが首位を独占しています。パフォーマンスとモビリティは、セキュリティや可用性はおろか、アイデンティティおよびアクセスサービスを脅かすまでには至っていません。そして現在では、アイデンティティおよびアクセスと可用性も、セキュリティに差を広げられています。
ここ数年、セキュリティ、あるいはその欠如がもたらす極めて大きな影響が、ニュースの見出しやTwitterのフィードを席巻してきたことを考えれば、これはそれほど意外ではありません。サービス停止も消費者に不安を与えることはありますが、セキュリティ侵害が公表された後に巻き起こる激しい非難の嵐とは比べものになりません。
セキュリティ侵害は、転職のきっかけになりかねない重大なインシデントです。一方、システム停止がそこまで人生を左右する事態に発展することはほとんどありません。システム停止は記録され、他社が可用性の重要性を訴える際の事例として使われます。また、DevOpsに根付く「責任を追及しない」文化と同様に、忍耐と共感をもって受け止められます。原因を究明し、責任を問わない事後検証を通じて対処を試みます。その後、影響を受けた利用者に対して、「何が問題だったのか」「修正に向けて何をしているのか」といった詳細をブログに掲載し、透明性を確保します。
<p>そして最終的には許されます。</p>
しかし、個人情報やプライバシーに関わる情報が漏えいするセキュリティインシデントとなれば、話は別です。誰かが責任を負い、多くの場合、そのまま職を追われます。人々は熊手を掲げ、たいまつをともし、非難のツイートを投稿します。
侵害に対する世間の反応の激しさを考えれば、回答者がアプリケーションの導入時にセキュリティを絶対に欠かせない要件として挙げたのも不思議ではありません。
クラウドへの展開が進むにつれ、アプリケーション層への攻撃からアプリを保護することへの信頼度が引き続き低下しているのも、驚くことではありません。アプリケーション層への攻撃からの保護について、信頼度が低いと回答した人(信頼度が低い「1」から高い「5」までの5段階評価)は、2018年には回答者の17%でした。2019年には5人に1人(20%)に増加しました。一方、信頼度が高いと回答した人は、2018年の41%から2019年には37%に減少しました。
パブリッククラウド上のアプリとオンプレミスのアプリでは、保護に対する信頼度に顕著な差があります。半数以上(53%)が、パブリッククラウド上のアプリ(38%)よりも、オンプレミスのアプリを保護できるという信頼度が高いと回答しました。
興味深いことに、セキュリティサービスが重視されているのは、侵害への不安から過度に心配しているためだけではありません。アプリケーションを保護するためのセキュリティサービスの導入は、保護に対する確信度に大きな影響を与えています。WAFを導入していない回答者のうち、パブリッククラウド上のアプリを保護できると確信していたのは3分の1弱(32%)でした。一方、WAFのサービスを利用していた回答者では、その割合が41%に上昇しました。オンプレミスでは、さらに大きな差が見られました。オンプレミスにWAFを導入していない回答者のうち、高い確信を持っていた割合は43%でしたが、WAFを導入していた回答者では58%に急上昇しました。

しかし、全体として信頼感に最も大きな影響を与えたセキュリティサービスは、ユーザー行動分析でした。パブリッククラウドにユーザー行動分析を導入している回答者の45%は、アプリケーション層への攻撃からアプリを保護できるという信頼感が高まったと回答しています。他のセキュリティサービスもパブリッククラウドへの導入によって同様に信頼感が高まりましたが、全体として最も大きな向上が見られたのはユーザー行動分析でした。
セキュリティサービスは、信頼を支え、侵害を防止して攻撃から防御するための組織戦略において、引き続き重要な要素です。「State of Application Services」では、デジタル経済で事業を展開することに伴う被害への対策として、オンプレミスとパブリッククラウドのあらゆる環境でセキュリティ関連サービスの導入が拡大し続けていることが示されています。
セキュリティ、クラウド、デジタルトランスフォーメーション、そして自動化とオーケストレーションの可能性に満ちた世界について、さらに詳しく知るには、State of Application Services 2019レポートをご覧ください。
著者について

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。
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