生成AIモデルの導入を成功させる10のステップ

F5 ADSP | 2023年8月28日

組織全体に新しいソフトウェアアプリケーションを導入することは、適切かつ体系的なアプローチが求められる重要な取り組みです。対象となるソフトウェアが大規模言語モデル(LLM)やその他の生成AI(GenAI)モデルである場合は、さらにいくつか考慮すべき点があります。円滑な導入に役立つ10のステップをご紹介します。

情報収集

モデルを使用する組織内の各部門から代表者を集めます。対象は、この話題を提起した部門や、人数または影響力が最も大きい部門だけでなく、すべての部門です。GenAIの取り組みが動き出せば、誰もが参加を望むようになります。早い段階でそれを見越し、条件を設定した後に大幅な変更が生じないようにすることが重要です。グループは、幅広い意見を反映できる規模を確保しつつ、意思決定とタスクの実行が可能な人数に抑えてください。上限は10名です。

評価

組織の現状に即し、将来のロードマップと特定済みの戦略的マイルストーンを支えるビジネスニーズと要件を明確にします。その際、短期、中期、長期のニーズを含めます。また、このような新しいテクノロジーの導入を検討する際に、組織の基本原則のうち、どれを考慮すべきかについて合意します。

調査

利用可能な製品を検討し、ベンダーと協議して、各モデルが自社のビジネス要件やユースケースに適合するか、自社で何ができ、何ができないかを確認します。業界や組織文化によっては、ChatGPTやClaudeのような大規模な汎用モデルを1つ導入することが最適な場合があります。一方、法務、財務、エンジニアリングなどの特定のチーム、または医療やクリエイティブデザインなどの特定の業界に対応する、小規模で特化型のモデル群の方が適している場合もあります。あるいは、近年多くの組織が取り組んでいるように、自社独自のナレッジベースに適合し、それを用いてトレーニングした社内モデルを開発する方法もあります。既知の脆弱性やその他のセキュリティ上の問題に関する情報を求めてください。また、関連する政府規制、業界の安全基準、組織のポリシーおよび慣行に確実に対応できるようにします。

計画

1つ以上のモデルの導入を進めることを決定したら、プロジェクトのスケジュールを策定し、リソースを割り当て、予算を決定します。モデルが現在のデジタルセキュリティインフラストラクチャとシームレスに統合できることを確認します。組織が直面する新たなリスクや増大するリスクへの対応を含め、導入前に必要となる変更やアップグレードを特定します。モデルの利用が生産性やその他の運用パフォーマンス指標に及ぼす影響を評価するための基準としきい値を設定します。

関係者との連携

計画の意図やメリットを含め、幅広いステークホルダーに周知します。状況に応じて、経営層から現場まで情報を行き渡らせる必要があります。フィードバックを募り、懸念に対処します。

教育

このステップでは、オンラインリソースやドキュメントのみで構成することも、実践的なワークショップを含めることもできるプログラムを策定し、エンドユーザーが各モデルに応じた必要なトレーニングを受けられるようにするだけでなく、以下の対応も必要です。

  • プログラムが組織の原則にどのように沿っているかを明確にする。
  • モデルの使用に関する利用規定やその他の職場ポリシーについて説明します。
  • セキュリティ上の問題を特定し、セキュリティプロトコルについて説明します。
  • 潜在的なセキュリティイベントへの適切な対応を概説します。

テスト

必ずしもすべての場合に必要なわけではありませんが、本格的な展開に先立ち、小規模ながら全体を代表するグループに新しいツールを導入することは有効です。これにより、統合、スケーリング、速度、コンピューティングリソースなどの技術的な問題について有益な知見を得られるほか、使いやすさや全体的な有用性に関するユーザーのフィードバックも収集できます。発生した問題には必ず対処し、解決してください。

導入

段階的な導入と全面的な導入のどちらを選択する場合でも、導入スケジュールやその他の関連情報を組織全体に明確に周知し、開始時点からサポートチームまたはヘルプデスクを利用できるようにしてください。

監視

指標を利用できる範囲で、組織および個人による利用状況とモデルのパフォーマンスを追跡・分析し、モデルが事業活動に及ぼす影響を評価します。不正アクセスの試みや潜在的なセキュリティ侵害がないかシステムを継続的に監視し、検知した場合は対応します。こうした問題は、瞬く間に深刻化する可能性があります。テクノロジーや教育プログラムの更新が必要かどうかを判断するため、定期的に評価を実施します。ユーザーまたはシステムからのフィードバックを収集、確認して対応し、更新されたビジネス要件を反映します。

準備

柔軟かつ先を見越した姿勢を保ち、予期せぬ課題に常に備えてください。

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