F5、CalypsoAIの買収を完了し、F5 AI GuardrailsとF5 AI Red Teamを発表

F5 ADSP | 2025年9月29日

新しいテクノロジーは、機会とリスクの両方をもたらします。AIも例外ではありません。複雑なワークフローの自動化、予測分析による意思決定の強化、リアルな合成メディアの生成など、画期的な進歩をもたらす一方で、データ侵害、モデルの悪用、バイアスの増幅といった脆弱性も生じさせます。AIの能力が急速に進化するなか、セキュリティ対策は後手に回ることが多く、組織は明白な危険だけでなく、予期せぬ脅威にもさらされます。テクノロジーの進歩に安全対策が追いつかない場合、セキュリティに対する責任は、開発者から実務担当者へと移ることが少なくありません。

F5は数十年にわたり、イノベーションの加速、信頼性の高い接続の確保、潜在的な被害からの機密システムの保護を通じて、変化し続けるデジタル環境に組織が対応できるよう支援してきました。今やAIが技術進歩の最前線に立つ中、慎重な導入に加え、ユーザーの保護、データのセキュリティ確保、敵対的脅威への対抗、倫理的なAIガバナンスの確保に向けた適応型セキュリティ対策が求められています。AIのメリットをいち早く得ようとする組織には、すべてのユーザーと、高速かつ大規模に移動するデータを保護し、あらゆる方向から悪意ある攻撃者に対抗するための適応型「ガードレール」が必要です。

F5 AI Guardrailsのご紹介

本日、F5は、AIセキュリティの最前線を切り拓くCalypsoAIの買収を完了したことを発表いたします。あわせて、デジタル社会を支える基盤のセキュリティを強化する最新ソリューションとして、AIモデルとエージェントに包括的なランタイムセキュリティを提供するF5 AI Guardrailsを発表します。これによりF5は、モデルに依存せず、AIデータを保護し、敵対的脅威に対抗するとともに、あらゆるインタラクションで責任あるAIガバナンスを確保するソリューションを提供できるようになりました。AIを取り巻く環境は、数百万ものプロプライエタリモデルやオープンソースモデル、さらにそれらをファインチューニングした派生モデルによって、絶えず進化しています。現在および将来のAIセキュリティは、少数のモノリシックなLLMだけを対象とするものではありません。プロプライエタリおよびパブリックなAIイノベーションが次々と生まれる中、単一のモデルプロバイダーに依存することなく、それぞれに一貫したプライバシーとセキュリティが求められます。モデルごとにリスクの構成は異なるため、AIとのインタラクションが許容範囲を逸脱しないよう、各モデルに合わせたGuardrailsが必要です。

F5 AI Red Teamが顕在的・潜在的な脅威を特定

見えないものを保護することはできません。物理世界とデジタル世界のあらゆるハイウェイには、ガードレールが役立つ場所が無数にあります。既知の事故多発地点や交通量の多い交差点が優先されるのは当然ですが、より戦略的で予防的なアプローチが必要です。F5 AI Red Teamは上空から見渡す目となり、状況を分析して、ラッシュ時の交通がもたらす現実世界の混乱、最悪のケースとなる危険運転者の行動、そしてそれによって露呈する可能性のある脆弱性をシミュレーションします。AIシステムで事故が発生しやすい場所だけでなく、最も大きな影響が生じる場所も特定することで、AI Red Teamはガードレールを設置すべき場所と、その緊急度を明確に示します。

この機能を迅速に提供するため、F5はAI Red Teamを導入します。自律型エージェントの群れを展開し、数千もの攻撃パターンをシミュレーションして、AIシステムの脆弱性を探索します。これらのエージェント群により、一般的なAIの脆弱性だけでなく、セキュリティチームが検討する時間を確保できないような、極めて見つけにくい最悪のケースのエクスプロイトも、より迅速に発見できます。さらに、シミュレーションする攻撃手法は、F5が誇るAI脆弱性データベースに基づいています。この膨大なライブラリは、新たな傾向を反映するため、毎月10,000件を超える新しい攻撃パターンを追加して定期的に更新されています。得られるインサイトはそれ自体でも有用ですが、チームは数回クリックするだけで、すべてのインサイトを有効なAI Guardrailsへと変換できます。

AIのブラックボックスを可視化

AI脅威の「何が」と「どこで」を把握することは、セキュリティ態勢を維持するための基本要件ですが、「どのように」と「なぜ」を理解することは、セキュリティ態勢の改善に不可欠です。AIシステムは不透明な「ブラックボックス」であるため、従来はこうした理解が難しく、まったく新しいアプローチが求められてきました。AIがGuardrailsに抵触し、プロンプトがブロックされた場合を考えてみましょう。静的キーワードや正規表現によるフィルタリングなどの従来手法では、ユーザー、日時、トリガーは把握できても、何が起きたのかを完全には把握できません。特に重要なのは、F5 AI GuardrailsとAI Red Teamが説明可能性を重視し、AIシステムが特定の判断やアクションに至った理由をお客さまが理解できるよう支援することです。

Agentic FingerprintsやOutcome Analysisなどの高度な機能により、チームはすべてのAIインタラクションを詳細に把握できるようになりました。プロンプトが受け入れられた、またはブロックされた理由についての詳細な根拠に加え、その判断に至った経緯も確認できます。このレベルの詳細な情報は、セキュリティチームへの情報提供に不可欠であるだけでなく、容易に利用できる監査証跡と規制フレームワーク別の既成テンプレートにより、コンプライアンス対応を大幅に簡素化します。

現在のAIを保護し、AIの未来を見据える

AIがなくなることも、その進化が鈍化することもありません。MCPサーバー、A2A Protocol、検索拡張生成(RAG)、そして今後登場するあらゆるイノベーションが、世界規模でAIの有効性を飛躍的に高めていきます。しかし、AIの有効性を高めるために、AIセキュリティを犠牲にすることはできません。F5はアプリケーションレイヤーにおける卓越性で高い評価を築き、組織がデジタルハイウェイをより迅速かつスマートに進めるよう支援してきました。AI時代においても、この姿勢を変える理由はありません。F5 AI GuardrailsとAI Red Teamにより、インテリジェントなスピードを提供するという約束を守りながら、AIモデル、エージェント、接続されたデータに包括的なセキュリティを提供できます。

1年後のAIを取り巻く環境がどのようになっているかを正確に予測することはできません。F5は、組織の進む道を決めつけるのではなく、ニーズに適応できるツールを提供することが、将来への最善の備えになると考えています。AI GuardrailsとAI Red Team、そしてF5 Application Delivery and Security Platform (ADSP)の総合力により、あらゆる環境、クラウド、AIモデルに柔軟に適応できるよう支援します。将来のニーズを最も的確に判断できるのは、F5ではなくお客さま自身だからです。

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著者について

Shawn Wormke
Shawn Wormkeバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー | F5 NGINX

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