2020年版アプリケーションサービスの現状:DevOpsの分断

F5エコシステム | 2020年3月17日

名前には力が宿る――神話や伝説、土曜朝のアニメを通じて、私たちはそう教えられてきました。シェイクスピアなら異を唱えるかもしれませんが、英雄物語では必ず、主人公に象徴的な名前が与えられます。

このように、DevOpsなど、何かに名前を付けることは、それに特定の特徴を与えることでもあります。その特徴は、実践者に固有のものです。この拡大を続ける専門家集団は、開発を重視した運用という起源から一部の特性を受け継いでいますが、ツールや方法論に対する好み、日々のワークストリームが組み合わさることで、独自の存在となっています。彼らは開発者でも運用担当者でもありません。

当社の「State of App Services」の回答者は常に多様ですが、ネットワーク、セキュリティ、システム運用といった従来型のIT運用職が多くを占めています。一方で、開発者や、DevOpsまたはサイト信頼性エンジニア(SRE)を自認する回答者は着実に増えています。デジタルトランスフォーメーションの取り組みにおいて、こうした人々が独自の役割を担い、その重要性が増していることを踏まえ、DevOps実践者の考え方、印象、好みという観点からデータを詳しく分析しました。

ただし、詳しく見ていく前に、DevOpsが独自の役割であることを改めてお伝えします。DevOpsを、スクリプトを作成してCI/CDパイプラインを管理するだけの開発者だと考えるのは誤りです。また、開発パイプラインに注力するだけの運用担当者だと考えるのも誤りです。

データから明らかになったのは、テクノロジーに対する独自の見解や視点です。アプリケーションサービスからツール、セキュリティスキルの不足に至るまで、これら3つの専門家グループはそれぞれ異なる意見を持っています。

現在、あらゆる領域で自動化とオーケストレーションが重視されているため、ツールは3つのグループすべてにとって不可欠な要素となっています。いずれのグループも多数のツールを使用していますが、自己申告した役割別に利用状況を見ると、選好の違いが明らかになります。

たとえば、DevOps担当者がAnsibleを使用する割合は、運用担当者や開発者よりも大幅に高くなっています。また、カスタムスクリプト(通常はPython)を使用する割合もわずかに高く、開発者がGitHubを好むのに対し、DevOps担当者はGitLabを好む傾向があります。

DevOpsのAOツール

アプリサービスに対する各グループの選好にも、明確な違いが見られます。パブリッククラウドとオンプレミスのいずれにおいても、アプリサービスの導入と運用は、主に運用担当者が担っています。開発者が運用を担うことはほとんどありませんが、コンテナネイティブなアプリとそれを支えるアプリサービスの拡大に伴い、DevOpsが担う役割は大きくなっています。この点は、場所を問わずアプリサービスを導入する際に各グループが重視する特性を考えるうえで重要です。

DevOps Devops

開発者は、ここ数年と同様、主にパフォーマンスを重視しています。興味深いことに、豊富な負荷分散オプションなど、機能の幅広さについては運用担当者と意見が一致しています。しかし、DevOpsではそれほど重視されず、代わりに使いやすさ、導入や運用のしやすさ、コストが優先されます。開発者が主に利用するアプリケーションサービスは、コンテナネイティブの選択肢である可能性が高いため、こうしたアプリケーションやアプリケーションサービスを導入、運用するエコシステムに容易に統合できることを、はるかに重視しています。

DevOpsの独自性は、自己申告によるセキュリティスキルの不足にも表れています。DevOps担当者の半数(50%)が、最も不足しているセキュリティスキルとしてネットワークセキュリティを挙げ、次いでエンドポイントセキュリティ(41%)とアプリケーションセキュリティ(41%)が同率で続きました。開発者が最も不足していると回答したのはアプリケーションセキュリティ(49%)で、次いでネットワークセキュリティ(46%)、そして注目すべきことにDevOps(43%)でした。運用担当者の半数以上は、最大の弱点としてアプリケーションセキュリティ(56%)を挙げ、次いでネットワークセキュリティ(41%)、さらに、アプリケーションサービスの導入と運用を担っているためか、パブリッククラウドセキュリティ(39%)が続きました。

ここで重要なのは、これら3つの異なる専門家グループをひとくくりにしないことです。それぞれ、使用するツールの好みや課題、導入・運用するアプリケーションサービスに対する要件が異なります。

以上を踏まえ、世界各地でDevOpsに携わる人々について、さらに詳しい知見と分析を得るために、ぜひ「State of App Services 2020 DevOps」版をご覧ください。

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タグ: 2020

著者について

Lori Mac Vittie
Lori Mac Vittie特別技術者兼チーフエバンジェリスト | F5

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。

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